今日は寒いので真空管アンプを久々灯しました。
三栄無線(埼玉桶川)製の6L6GB真空管シングルアンプ(パワー抵抗値を上げて出力を下げた改造品)真空管は60年代のアメリカ製を使用。
左右の大きな球は米 SYLVANIA 6L6GB、真ん中の二つはGE製5881(12AU7WA)真空管の上は結構熱くなります。(よく目玉焼きが作れる…と喩えらます)
海賊盤⁈
…駅前やデパート入り口付近でよく売っている…
確か新宿駅西口の小田急百貨店前で購入したかと…。
(新宿だったので決して安くはなく2,000円でしたが)
クライバーンのLPからCDへの再販は無い様なので?
ヴァン クライバーンpf
チャイコの第1番とラフの第2番の定番のカップリングCDです。
レーベルデザインが何か変?
一応 Jasrac承認番号付き国内製造ですが…、、
ヴァン クライバーンが第一回チャイコフスキー(国際)ピアノコンクール ソビエトで優勝して帰国凱旋公演ライブ録音のカーネギーホールでのチャイコの1番と
後に、シカゴ響 F.ライナーの指揮 で
ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番 共に1958年録音
RCA(Victor)からはLP CDともに廃盤になってので、
こう言う盤で手に入れるしか有りません。
チャイコはLP盤で持っていて そちらの音の方が良いのでこのCDでは余り聞きません。(後のブログにUPします)
ラフマニノフピアノ協奏曲第二番 第一楽章
iPhone からの録音ですが 分かるでしょうか?
ピアノのソロの重低音から始まりますが、それと
シカゴ響の強靭な響き…コントラバス(+チェロ)の響き…ピアノのベースの動きを分けた音形をしていた事を、この盤と この再生で初めて知りました。 (スピーカー右のコントラバスの響きを追う様に中央のチェロが後から響きます…コントラバスだけで弾いている、もしくは一緒にチェロが重なっていると思ってました!)
ラフマニノフは名演かと思います。オケを含めて…。
LP盤では チャイコフスキーコンクールでも弾いた
ラフマニノフの第三番ニ短調の方を持っていて、
クライバーンはラフマニノフの演奏でチャイコフスキーコンクールに優勝したのだなぁ…と感じます。
勿論本選ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲を弾かなくてはなりませんし、アメリカ国内の凱旋公演では
チャイコ!チャイコ‼︎…本人も嫌になる程、弾かされたそうですが。
6L6GB 真空管シングルパワーアンプ
LP盤の時のフォノアンプ部はSONYのミキシングコンソールMX-A5からの出力を、CDもこのA5のテープ入力端子を通す事でボリュームコントロールか出来るます。IN とOUTPUTの出力ボリュームを同じにして真空管パワーアンプへの方が音質が良くなる様です。
(INのボリュームが5ならOUTPUTも5と揃う方が…)
CDも盤によって録音レベルはマチマチなので重宝します。(真空管パワーアンプのボリュームはバランスを取る以外には、一番音が良い所でほぼ固定です)
CDプレーヤーもSONY製に替えました。
BOSEのウルトラベースで重低音補足
その内部画像が有りました。
後ろ向きに付けられています(…という事は下向きに置いています)
アッテネーター
右側は良く見る コイルとコンデンサーの組み合わせで低音域をカットして高音域用のスピーカーへ(此処には経由して接続して無いが) 四角く薄いのも平滑コンデンサー。
白い直方体はセメント抵抗、電球もある⁈(左中央のか⁇ )…それら所謂BOSEファンクションで、単体だとスピーカーの抵抗値が2Ω程度なのを6〜8Ωに上げて、低音域や高音域をその入力量に応じてブーストしている。(但し余計な回路を音が経由する為に、音質の劣化は招く)ので、高音域用はこの回路経由で繋げていません。(9センチ四方の箱に入った3インチスピーカー×2個の BOSEキューブスピーカーの為の回路です)
入力量に応じて、ある特定の音域をカットしたり、盛り上げたりする。
この後ろ向きスピーカーに、逆位相接続(±の端子に逆に入力する←ALTECの3wayスピーカーのウーファーでもよく在ります)します。さらに右chのみを左ch用に入力して、左chの低音は外しています。(ドロンコーンになっているかな?)
理由は…いかにもBOSEです‼︎ 凄いでしょう‼︎…と言う主張を、このスピーカーにさせない為に…。
オケもピアノも右ch側のマイクが低音を拾いますし、JAZZでも大概はウッドベースは右端に居ます。
右chを左に入れたのは、聴き比べて…より自然な感じに聴こえた方を選びました。
メインスピーカー のアルテック製は効能率で弦や人間の声の再生には申し分無いのでが、お約束で重低音は出ないので…、この倍、容積6倍位のスピーカーケースにしないとダメなのですが、日本の家屋には合っていないので、サンスイのレトロな格子ケースに入れています。
今日の主役は上の木箱の中 ALTEC 402Aです。
ラフマニノフピアノ協奏曲第二番 第二楽章から
1958年のステレオ初期の録音ですから、マイクは多くても1インチテープに録音で16本(片ch8本)迄で、しょうか?(それ以前にミキサーでMixは可能でしょうが、片chに8トラック分の録音) の割には 音像の定位がしっかりしていて、例えば第二楽章で オケの木管楽器の位置等良く分かります。ピアノは左寄りの中央、つまりハンマーが弦を叩く位置が…。NY STEINWAYである事もその音色から良く分かります。
同 第三楽章…中盤〜コーダ. フィナーレ
…やはり集結を聴かないと、この曲は満足した感じがないので。
SANSUI SP BOXに入っているALTEC 402A です。
1960年代のアルニコマグネット(フェライト製では無い永久磁石)の20cmフルレンジスピーカーです!
上の小さなスピーカーはSANSUIと印して有りますが、Technics製の5cm 金属ホーン型スピーカーで銘器と言われたので、各社にOEM出荷されていました。
(これも活かして有ります) アルテックの再生帯域の上は〜14000Hz辺り迄と狭いので、能率.出力はアルテックの1/4位ですが、〜20,000Hz迄再生帯域のあるテクニクスのツィターで最高音域をさりげなく補足。クロスオーバーは元々3wayのツィーターとして開発された物なので、5k. 6kHz〜だったかと思います。
ラフマニノフの第二番の第ニ楽章 後半のソロ…カデンンツの高音域連打の華麗さと余韻の美しさ、そして豊かに響く重低音…弱音器を伴ったオケの弦の叙情的な響きへと…
美しい音の世界が…、耳タコのハズのこの曲が新鮮に聴こえます。
この録音時のオケの配置はバイオリンの隣りにチェロで、コントラストバスの前にチェロでは無い様です。コントラスト〜チェロへの音型の受け渡し時に右スピーカーから中央のチェロへと響いて来ます。
曲のテンポは 今聴くと、それ程速くは無いのですが、良い演奏の定義…ゆっくり弾いても速い様に聴かせるのがプロ!…速く聞こえます!
シカゴ響の強靭な厚い響き…容赦無い F.ライナーの
指揮…が、名演の録音を産んだと思います。
ソビエトから帰国後、NY他で凱旋公演が立て続けていて…いささか疲れている筈のクライバーンに 手抜きさせない⁈ 隙を全く与えない、張り詰めた緊張の産んだ名演です。
NYのカーネギーホール凱旋公演のチャイコやラフの3番の協奏曲はRCA交響楽団…言うなれば、その時の為のトラ(エキストラ)のプロオケ集団でのライブ録音でしたので…。
F.ライナーの手兵 シカゴ響は オケとしての纏まりも
素晴らしいです。後にショルティー指揮になった頃には 少しムラっ気のある荒っぽいオケにも感じられましたので、1960年代の世界の音楽の中心地 大国アメリカを感じさせる演奏です。
最近の演奏は、ただ速いだけ⁈ …小粒になったのでしょうか⁈
楽器ピアノも鳴らなくなってしまったのも事実です! STEINWAYでさえも‼︎コピー製造と時短、利益追求に
株)コーン.セルマーのピアノ部門が作っているだけで、スタインウェイ一族とは全く関係無くなりました。(甥っ子の血筋のスタインウェイ氏を工場長にしていますが、ピアノ製造とは全く無縁な家系ですから、製造には一切、口出し出来ない人で、スタインウェイ氏が工場長で在るだけです)
ベヒシュタインは韓国サミックの資本下に有り、自由に製造できる訳では有りません。
ベーゼンドルファーは日本のYAMAHAに身売りしました。ブリュートナーは89年以降、共産圏.東ドイツの公団からブリュートナー家に戻されましたが、現在年産250台程で主に英国に輸出されています。(日本には何に数台) 同 東ドイツのアウグスト フェルスターは10代目が引き継いで製造を続けていますが、輸出先は中国や米国です。
アメリカで有名だったピアノメーカー、NY STEINWAYを除いた.殆どは中国製(委託製造か.ブランド名を中国資本に売っての製造)となりました。
クライバーンは 帰国街宣公演の続いた数年後からテクニックが乱れて ただの人 になってしまったとの噂も聴きますが…(中村 紘子氏によると.手の筋肉が チャイコとラフの弾かされ過ぎでボロボロになってしまったそうです) でも、この素敵な録音を残しておいてくれて それだけでも ありがとう。
現在は ヴァン クライバーン国際ピアノコンクールのオブザーバーとして接待やミニコンサートで弾く程度だそうです。
ここで…アメリカの真空管の話、
アンプの下のMARANTZのグラフィックイコライザー アナログ式の一番安い 左右ch別では無いヤツです…画像の様に凸凹レバー配置が音が良いです。 6L6球は元々レーダー用に開発された真空管で、対戦後に軍から大量に放出され…アンプに使ってみたら音が綺麗で良いと、評判になった球です。倍音列が1つ置きにしか増幅されない真空管で…、例、ド の倍音列は
ド…ド ソ ド ミ ソ シ♭ ド …と
7つ目にシ♭と言う 音が濁る倍音が混じるのですが、偶数倍音しか増幅されないのでド…ド…ソ…ド と スッキリした倍音増幅なので、音が綺麗に聞こえます。(但し ハーモニーするミが抜けてしまいますが…) 情報量は少し足りないが、その分 音が澄んで聞こえる真空管です。
中央と左は米GE社 右はSYLVANIA製です。
勿論、同じメーカーの方が良いのですが…、
60年以上昔の球ですので…、
大元は KEN-RAD社をGE社が買収した事から始まります。アメリカの独占禁止法により、巨大化するGEが解体されました。GE.RCA.SYLVANIAの3社に分かれました。同じ製造機材を3社が別々に揃えるのは 無駄になりますので、分割したそれぞれが 別の球をつくり、互いにOEMしました。真空管を使ったカラーTV📺の普及により、各社製造が追いつかなくなり、それぞれ機材を揃えて別々に製造する様になりましたが70年代に良いトランジスタ シリコントランジスタの発明により、真空管の需要は極端に右下がりに落ち込みました。最後まで残ったのはシルバニアでSYLTANIA製にGE.やRCAのプリントがされました。ヨーロッパでも同様な流れが有り、オランダファリップスも真空管の製造を辞めてからは米シルバニア製をOEM でフィリップス Made in USA管が最後に残りました。
最初の6L6はブラックなメタル管です!
6L6は1938年にRCAによって発明されました。
第二次世界大戦のB29爆撃機のレーダー用なので
黒メタルで覆った管です。黒い管の表面は30Vの電流が流れていますので、通電中に触ると感電と火傷(かなり熱くて)します。
画像拡大して見て頂くと、RCAの白シルクプリントの左側、Made in USAの、下に 2-42と有ります。1942年の第42週に製造。奥の管は6-26で1946年の26週の製造と年月は揃っていません。戦後の軍からの放出管で その段階で使用管なのか長期保管品のNos球なのかも分かりませんが、年代を考えると綺麗です。真ん中の2つは米GE社製の1960年代のトリプルマイカ(雲母)の5814A (12AU7)の放送用の高信頼管です。
ステレオでは無く、モノラル期のRCA 6L6ですので再生帯域は狭く〜12,000Hz程、丸い球体の響きが魅力です。
この音については 過去ログの ポーランドのピアニスト ハリーナ.チェルニー.ステファンスカのショパン マヅルカ全集のところに貼って有りますので。