ヴラジミール ホロヴィッツ..pf

シューマン

 ピアノソナタ第3番 作品14

   フモレスケ 作品20

幻想小曲集 作品111

4つの夜曲 作品23より

   全てライブ録音

 

録音地は記載が有りませんが、ホロヴィッツ好きな人は 少ないコンサート開催数から場所が特定できるかもしれません。

1976年〜80年の 当時最高の NY STEINWAYによる演奏…ホロヴィッツのピアノはNYの自宅又はスタインウェイの本店の47台有る貸し出しピアノから厳選されてコンサート会場に運ばれます。

 

ホロヴィッツはハンブルグ スタインウェイは基本弾きません。ホテル オオクラのスイートにNY STEINWAYから貸し出されたB型210cmのGPが置かれましたが、

殆ど弾かなかったそうで(普段 フルコンサートピアノを弾いていますから…)

来日が2回有りましたが、その際にキャピトル東急(旧東京ヒルトン)ホテルの地下のレストランにNY STEINWAYのコンサートグランドピアノが有りましたので、其処にお忍びで来て、そのNYスタインウェイを弾かれたそうです。


                   RCA B200-30107(国内盤)

かつて2枚のLP盤だったものがCDでは1枚に収まりました。

 

シューマン作曲

 ピアノソナタ第3番 ヘ短調 グランドソナタ

 (オーケストラ無しのコンチェルト)1976/3

 

グランドソナタのLP盤は持っていましたが、当時のステレオ装置では…結構荒っぽい音、激しい演奏の様に感じられました。

 

デジタルリマスター盤で、ダイナミックレンジが広がり(およそLP盤の60dBから100dBに)

 

先ず 弱音(最弱音)の音色の美しさが際立ちます

…時に ピアノの限界←これ以上鳴らないと言う重低音をバン‼︎ っと鳴らのも、ホロヴィッツらしい…と。

ピアノソナタ第3番の第3楽章には妻である、クララの主題による変奏曲が当てられていて、単独楽章としても演奏される機会があります。

 

弱音の美しい響きと速いパッセージは軽やかで光り輝く、ホロヴィッツの独壇場と言えます。

 

 

 

フモレスケ 変ロ長調 作品20  1979/5

 (ドボルザークで言う ユーモレスク)

 15の構成に分けられる曲の2つ目がユーモアに

 溢れた感じです。

 

幻想小曲集 作品111より3曲

シューマンの幻想小曲集には 夜のイメージが有ります。仄暗い青いガス灯の焔の様な 揺れる思いの情熱が…。


4つの夜曲 より2曲 (直訳 夜の小曲)

情熱的な曲で、曲趣は後のブラームスに続きます。

英(フィールド)-仏(ショパン) の夜想曲ノクターンの形式とは趣を異にします。




録音も 3年間での進歩 音の記録にさらに余裕が出て、バーン‼︎と言う音にも余裕が感じられます。CBSからRCAに移って技術者の慣れもある⁈

CBSでのレコーディング時と 音に対する 光の当て方が違うので ホロヴィッツの演奏の、また別の一面がRCA盤から聴けて良かったです。

 

シャーマンのクライスレリアーナは来日の2回目に昭和女子大の人見記念講堂で聴いていますので、(その時は自宅のNY STEINWAYを持参しての演奏)どちらかと言うとRCA盤の響きの方が、それに近い感じがします。

 

ホロヴィッツの演奏のテンポは決して速い訳では無いのですが…その音のスピード感から結構 速いテンポの演奏の様に感じられます。(ゆっくり弾いても速く聴こえるのがプロの演奏であり、アマチュアは全体的に速く弾き過ぎる傾向がある…とも)

 

 

まもなくデジタル録音化される…アナログ録音技術の最高値のピークの時の録音。

 

やはり NY STEINWAYの持つ響きの良さを感じさせます。と同時に ホロヴィッツはハンブルグ スタインウェイは弾かないだろうなと…感じさせます。

 

 

ホロヴィッツのシューマンの中では、フモレスケが一番好きな演奏でした。次にクライスレリアーナ。CBSの録音盤ではスカルラッティのソナタ集の光輝く響きに驚かされました。