僕が音大生の頃に知りたかった卒業した後の将来の話3選 | 河野一之のブログ

河野一之のブログ

河野一之の公式ブログです。

僕が音大生の頃に知りたかった

卒業した後の将来の話3選

音大にいた頃の僕の話は以下の記事から見ていただければわかります。

そんなに良い成績を取れていたわけでもないし、優等生でもありませんでした。さらに他の一般大学の四年生のように就活に焦ったこともなかったし、今から考えれば教員実習や演奏系以外で何をやってたんだろうという感じです。

 

でもありがたいことに生きいますし、本当に幸いなことにおかげさまで好きなことを職業にしています。

そんな過去の自分自身に捧ぐ卒業した後に待っている未来の話3選です。

もくじ

 

  1. 音楽だけを極めることが音楽家になる唯一の道ではない

  2. ブルーオーシャンを狙え

  3. 誰かと比べなくて良い、自分じゃないとダメだという人や世界が必ずある

     
     

1、音楽だけを極めることが音楽家になる唯一の道ではない

これまで高校一年生から個人事業主として「河野企画」を立ち上げるまでの十数年間、様々な業種で仕事をしてきました。

 

・ファミレスのウェイター

・コンビニ店員

・居酒屋店員兼、バーテンダーみたいなもの

・ビル建築の作業員

・パチンコ屋店員

・中華屋の厨房

・運送系の仕事

・ラーメン屋

 

などなど細かいものを抜かして大まかに書いてもこのぐらいやってきました。

人によっては下積み時代なんていう言い方もするかもしれませんが、そのような意味で言ったら僕的には今も昔もずっと下積みです、ガンガン色んなものを積んでは投げています

ある人は豊富な財力と運、そして本人の意思や努力に恵まれ、生まれてすぐから音楽の英才教育を受けそのまま職業音楽家になる方も多いでしょうが、僕の場合はそうではなかったのでこのルートを歩んでいます。

 

このように様々な業種を経験しながら音楽家を目指す方も多いとは思いますが、このルートにはとても多くの利点があります。

 

それは幅広い業種、または音楽とは全く違う関係のない業種での経験が音楽家としての活動に生きる場合が多いからです。

・例えば音楽家で言えば、人との関わり合いは外せません。言葉遣いや人に接する態度、メールでのやり取りや一般常識、それらを自然と得るには接客業での経験は今とても生きています。

 

・指揮者としてお客様に接するとき、立ち振る舞いや話し方、雰囲気作りというのはこれまでしてきた接客で培った経験なしではできません。

 

・また一人暮らしや海外での留学中、バイト先の厨房で習った技術や知恵は僕や友人たちの食欲を満たしてくれました。

 

・ビルの建設現場では効率の良い仕事配分の取り方や力仕事の大変さを学びました。都内に出るとたくさんのビル群に囲まれますが、それを生業とされている方々の苦労なくしてはこの光景は見られて居ないんだないう尊敬の気持ちも湧きます。

 

・運送の仕事では業者や個人宅へ輸送することが多かったのでそれぞれの人々の生活の息遣いや人生の一片を感じ取ることができました。また運転技術や地図の読み方も学べました。

 

たくさんの業種を経験し、10年以上もの間そのような生活をしていて学んだ時間が僕の中にはあります。今現在、音楽家として生活をしている中で日頃当たり前に感じる色々なことが本当にたくさんの人たちの努力や工夫、想いによって”当たり前”にさせてもらえているんだなと感じられるようになります。

 

具体例を出すと、電車が遅れても駅員さんの苦労を思うとイライラなんて起きません。

居酒屋で店員さんが品物を誤って出してしまっても、お疲れ様です!としか思わないです。

夏の暑い日、配送業者の方にはお茶を出してあげたくなるし

 

音楽の専門教育を習うには音大は絶好の場ですが、社会で生きて行くヒントを学ぶには条件次第ではアルバイトも決して悪いものではありません。逆の考え方をすれば

 

・報酬を得られる

・音大や音楽業界という業界以上に広い世界を見て学べる

・専門的な知識や技能を習得できる

・自分の未来への選択肢を増やせる

 

これらの利点はあります。

しかし、一点だけ注意をしなくてはならないのは、全ては自分のやりたい事、目標のためにあるというだけです。

 

アルバイトをしすぎて研究の時間がないという事になると本末転倒です。

 

僕がアルバイトをして居た時の最大の利点は、

 

音楽の事から強制的に離れさせられる

 

という点です。お酒を作っているときにフィンガリングの練習なんてできないですよね?

そうしていると、音楽に対する渇望が起こり様々なアイディアが湧いてきました。

そういった場合は心の中で何度も復唱し覚えておいたり、メモ帳を常備し書き残していました。

 

暇さえあれば音楽の事を考えたり行動に移してしまうため、そういう思考や動作から強制的に離れさせるには音楽にあまり関係のないアルバイト(やサイクリング)はとても有効でした。全て結果論ですが本当にそう思います。

 

2、ブルーオーシャンを狙え

オーケストラ奏者になりたい!ソロプレイヤーになりたいという王道のルートにはすでに多くの希望者が殺到しているため飽和状態です。経営戦略論でレッドオーシャンといいます。

そしてその逆の、全くの未開拓市場。競合相手の少ない、もはやいない事をブルーオーシャンと言います。ブルーオーシャン戦略

大昔の太古の時代、陸では大型肉食獣たちが世界を闊歩し小型だったり力が弱いものは逃げ回るしかありませんでした。あるものは土の中へ、あるものは空へ、そしてあるものは水の中に生活を移し自分の世界を創生しました。

オーケストラ奏者やソロプレイヤーになるための能力を簡単に得られる能力を持っている人は、その競争の中でも自身の努力とともに勝ち進んでいけますが、そうでないとかなりの苦難の中立ち向かっていかなくてはなりません。

まして情報が溢れかえり、楽器の性能もあがり素晴らしいプレイヤーが星の数ほどいるこの世の中でです。そういった世界がレッドオーシャンです。

 

逆に職業音楽家が吹奏楽やオーケストラよりも少ない金管バンド業界などはブルーオーシャンと呼んでも良いかもしれません。

僕は幸運な事にそこの扉を開くことができました。

でも音大時代にそこがブルーオーシャンだとは知りませんでした。だって金管バンドだけでご飯を食べている日本人はいなかったし、今もいないからです。

 

でもいざ泳いでみる多くの可能性に満ちて居ましたし、そこの環境を作っている人々はとても暖かく素晴らしい方々ばかりでした。これが僕のブルーオーシャンです。

 

人によっては

・チューバ奏者兼セルパンやオフィクレイドという世界を開拓する人もいるでしょう

・ファンファーレオーケストラの道もまだ未開拓です

 

新しいジャンルを作ってみても良いと思いますし、既存だけどまだまだ発展途上の分野も多いに溢れて居ます。

 

音大の中から見える世界はそんなに広くないけれど、自分から色々な世界を見に生き

 

自分が息をし易い、幸せになれる世界の開拓

 

をするのはとても楽しいことです。

海が透き通りすぎてあまりにも遠く見えるばかりに恐怖を感じるのと同じように、あまりにも前例が無さすぎて不安に襲われる事もあると思いますが

 

継続がブルーオーシャンには必要です。

 

今世界に誇る日本の素晴らしい吹奏楽であっても、戦後に大きく花開いた世界です。たった数十年です。

 

やり方次第ではその海が活性化するのを早められると思いますし、そうなった場合は始めた自分のほぼ一人勝ちです。しかも活性化させている途中に多くの仲間や理解者が現れます。

 

自分の夢を信じて青く澄み渡る海を突き進みましょう。

 

3、誰かと比べなくて良い、自分じゃないとダメだという人や世界が必ずある

好きなことを追求していくと時間を忘れて没頭をし知らぬ間に詳しくなって居たりあまり多くの人ができない技能を身につけたりします。

 

そんな自分の好きなことを増やし、どんどん行い掛け合わせていくことで何の苦労もなしに

 

自分にしかできない仕事

 

が増えていきます。

 

僕だったら

チューバ×指揮者×喋り×企画、運営×英語×心理学×ラーメン×ビール×文章化×教員免許(指導力)×ウェールズ×サイクリング×筋トレ=唯一無二の能力

となります。

 

またその他にも、何か一つを極めるのが得意な人もいます。

しかし僕はそうではなくて、幅広い事を広範囲に行いそれらを組み合わせて活用するのが得意なんだとここ2年ぐらいでようやく理解しました。

それまではなんでチューバ一本極めようとできないんだろうと思い悩むこともありました。

 

指揮とか通訳とかやってないで、チューバで稼がなきゃみたいな

 

でもそれは、そのチューバ一本極めるのが得意で好きな人に任せようと思いました。

 

そうするといい意味で諦めがつき自分の性質が腑に落ちた感じがありました。なので誰かと比べる必要もなくなってきたのです。

 

僕はAさんになれないし、Aさんは僕にはなれない

Aさんの得意なことは僕はやる必要はないし(もはや邪魔になる)、Aさんの不得意なことは僕にとってはお茶の子さいさいかもしれない

 

だから色んな人がいる、多様性があるんだという事に気づきました

 

みんながみんなチューバ一本極めてお仕事欲しくなっちゃったら、すぐに市場は飽和状態になっちゃいます

 

それからこぼれ落ちた人はみんな脱落者という事になってしまい社会はどんより暗くなります。でも実際はそんな事ではないですよね。

 

なので上記したように

 

・自分の好きな事をたくさん行う

・自分の得意な事を理解する

・それらを組み合わせ、仕事にする or 仕事にしてもらえる環境を探す

 

これが更にブルーオーシャンと交わるともう無敵です。

今僕自身、無敵の世界を作るため頑張っています。

 

現実として

 

得意な事=好きな事ではない場合も多いです。

というか、ほぼそうです。

 

でも得意じゃなくても、好きな事だからずっとやっていられる

得意だから苦もなく続けられる

 

これが仕事だったら人生明るくなります!間違いなく

 

 

まとめ

きっと音大在学中こんな話をされていた方がいたかもしれません。

またネットで探せばでてきていたかもしれません。

 

でも僕の人生には音大を卒業して様々な経験をし、10年以上の歳月が経ってから現れた価値観でした。しかも、その経験値がなければ理解できない事だったかもしれません。

 

なので今理解しなくても全く問題はないのですが、

 

・こんな話もあったな

・選択肢の一つとして覚えておこう

 

これぐらいで良いです。

なぜなら壁にぶつかった時に折れなく済むようになります

 

自分が信じた道が険しすぎたり、無理となった場合にお先真っ暗ではなく、違うルートも幾千万とあるということを知っておくのはとても大切です。

音大卒業=音楽家に必ずなる

なんていうのはありえません。

 

自分の無限の可能性を知るために、色んな事に挑戦をし、

知らない世界を見にいきましょう。

 

ご読了ありがとうございました。

 

 

新企画12/5

「金管バンドのためのスコア・リーディング&指揮法」

講座開講

河野企画オンラインサロン 

メンバー募集中

河野企画のエンターテイメント最前線普段ブログに書いているものの元ネタや日々の新鮮なニュースを毎日配信。

ポジティブに日々を過ごす心得も配信しています。ぜひご参加ください。

https://kazuyukikouno.wixsite.com/bassjunkie/onlinesalon