今日昼寝から目が覚めた後、布団の中でぼ~っとしながら、4年前に行った、山田ズーニーさんのワークショップを思い出してました。


200人位はいたかな~?大きな会場でしたが満員で、壇上でズーニーさんが「誰もが潜在的に持っている根本思想」や「自分の根本思想に気付いて理解し、表現すること」等についてお話した後、ワークに移ります。


ワーク自体は単純です。まず、くじ引きでランダムに座った席の隣の人同士でペアになります。話をする人と、途中で質問をしながら話を聴く人に分かれます。話す内容は自分のことについてです。話を聴いた人は最後に、「つまり、あなたは今~なんですね。」と要約して終わりです。


その後、全く初対面の人に自分の話を聴いて要約してもらうことを体験した感想について、何人かが壇上に上がって発表していました。


感動的な場面はこのとき訪れました。ある女性の話。ぱっと見はなんとなく暗そうな、眼鏡をかけていて長髪で小柄なその女性が話始めました。


「私は…生きることにも死ぬことにも興味がなくて、どっちか強く引っ張ってくれた方に進もうと思っていました…。


…でも、一通り話を聴いてくれた方が、こう言いました。『あなたは、口では死にたいようなことばかりを話している。でも要約すると、つまりあなたはこう言っている。【生きたい】と。』


…だから私は、これから生きていきたいと思います!」


途中で泣いて声を詰まらせながら、そして最後に向かう程力強い大きな声で、その女性の発表は終わりました。


会場全体がその女性の話を最後まで聴き届けて、一瞬の沈黙の後、物凄い拍手が鳴り響きました。その女性を包むようにして、大きな会場にいるたくさんの人の心がひとつになった瞬間でした。


その女性は、ペアになった相手の人の言葉を聴いて、自分自身の本当の気持ち(=ズーニーさん的な言い方をすると、「根本思想」)に気づきました。そしてそれだけでなく、一歩前に踏み出す力まで手に入れたのです。


その時は、ただただ感動するばかりでしたが、今振り返って想うことはたくさんあります。人って、自分のことを理解してもらうだけで救われるもんなんですよね。ほとんどの場合、アドバイスなんか必要ない。


今僕は、コーチ/セラピスト/カウンセラーといった仕事を本業にしたいと考え、それに向けて活動しています。いずれにしても、まずは相手を、より深いレベルで理解してあげることから始めたいと思います。


※山田ズーニーさんは、ほぼ日刊イトイ新聞で毎週水曜日に「大人の小論文教室。」というコラムを連載してます。このブログを読んで興味を持たれた方は是非、検索してみてください。