■熱烈な宗教国ならではの大掛かりなオカルト宗教ミステリー!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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「それが生まれてすべての事件が始まった」

 

 

これは先週観たばかりでまだ上映中ですが、メッチャ大掛かりな宗教オカルト・ミステリー映画『サバハ(사바하、娑婆訶)』(チャン・ジェヒョン監督)ですね。結論としてはとっても面白かったです!ヾ(≧∇≦)〃♪

 

神と悪魔、善と悪が交錯したような複雑な重層構造になっているのは、まさに2016年の『哭声(コクソン)』によく似ていると思いますし、鑑賞後の感覚もとてもよく似ていました。まあ、『哭声』ほど解釈の余地を大きく広げているとは思いませんが、いずれにせよ、どちらが善でどちらが悪なのかという問いかけを最後まで残しながら、主人公が神に投げかける疑問の祈りで終了していくことになります。

 

韓国では、キリスト教や仏教などの熱心な信者が多く、宗教が日本よりもはるかに日常生活の中心部近くにあります。たとえば一つの例として、北朝鮮を脱出してきた脱北者たちが必ず通過する政府統一部(省)の教育機関に「ハナ(1つ)院」がありますが、そこで3ヵ月教育を受ける間にも、内部に教会、聖堂、寺があって、日曜日にはプロテスタント、カトリック、仏教の礼拝参加が奨励され、北朝鮮で宗教にまったく接したことがなかった人々が信仰を持てるように導かれます。もちろん信教の自由によって強制ではないですが、ほぼ全員が参加し、うち70%はプロテスタントの教会を選ぶそうで、宗教に対する日本との感覚の違いを感じさせられますよね。

 

それゆえにイ・チャンドン監督の有名な『シークレット・サンシャイン』をはじめ、韓国では「信仰」にまつわる映画がやっぱり重みが違っていて、リアリティがしっかりしている上にとても面白いと感じます。それは、米国でつくられた『ダ・ビンチ・コード』が面白い、とかいう次元を超えた、もっと本質的で内面的な深い領域の面白さです。

 

 

●一種の「神殺し」をする映画

 

この作品は全体的に一見、オカルトに近いし、そのように観ても面白いことは面白いのですが、やはりこれ全体を大きな宗教的命題として捉えることに、その面白さの真髄があるだろうと思います。実際、聖書もかなり引用され、キリスト教や仏教の根本的疑問が投げかけられてもいます。私の予想では、この監督はクリスチャンであって、これは監督自身の宗教的課題を盛り込んだものであるはずです。それはいわゆる、キリスト教の「神の沈黙」の問題だといえるでしょう。

 

主人公は牧師でありながら、同僚の牧師がイスラム教国に宣教に行って「神の名で」妻子を殺されたという事件以来、常に「神はどこにいらっしゃるのか」、「卑賤な私たちが下でこのように身もだえして生きているのに神は何をしていらっしゃるのか」と疑問と不平をもらしています。新興宗教の嘘を暴く職業研究者として、宗教の闇について講演をしてはお金を集め、宗教的インチキの暴露記事を書いては雑誌に売り、まさに信仰に対する自らのその「不信」を熱心に行動に移しているわけです。そして、物語はその主人公がとうとう「ホンモノ」と出会うという過程を描いています。

 

登場人物は皆、キリスト教徒、仏教徒、チベット密教徒、あるいはムーダン(巫女)たちですが、主人公の後輩である僧侶が口にする言葉は、「仏教には神も悪魔もない、善も悪もない」という超倫理主義(Trans-ethicalism)です。物語は、結果的にその言葉を実践するかのように、卑しいものとして扱われている、あるひたむきな存在が、人間の自然な感情である率直な悲しみと怒りによって、最終的に「絶対的神」であったはずの存在に闘いを挑んで、一種の「神殺し」をするという展開になります。

 

でも私たちには、それは一見、「善が悪に勝った」ように見えるようにまとめられているわけです。もちろん、それで一件落着だとしてしまってもいいのですが、おそらく監督は、そうすることで自らの宗教的疑問をこの映画に託したのではないかと思います。すなわち「それは逆でもあり得ますよ」ということ。私たち「人間の目」で下す善悪判断が、宗教的「神の目」からは実は逆なのかもしれませんよ、というとても背筋が寒くなるような命題を投げかけている、実は怖~い映画であるわけです。(ちょっと石ノ森章太郎先生の『サイボーズ009』「天使編」的なテーマです)

 

 

●全2時間の巨大な伏線パズル

 

その最後の大きな展開に至るための装置として、全体が2時間の巨大な伏線パズルとなっており、クライマックスを迎えた時には、「なんだ、このためにあのシーンがあり、このためにあのセリフがあったのか、あの変な○○はそういう○○だったのか、そんなことであの時、彼は苦しんでいたのか」というようなことが皆理解できるようになります。実は、それが一気に解ける一つのセリフがあるのですが、その瞬間、私も思わず息を呑んで、「あっ」と小さく声を出してしまいましたよね。(^ヮ^;)

 

以上、ストーリーに関する具体的なことはネタばれになるので書けませんが、最後に俳優さんたちの演技についていうならば、個人的に主役のイ・ジョンジェさんや大物のユ・ジテさんよりも、去年の青春ラップ映画『辺山(변산)』(イ・ジュニク監督)でいい演技をしていたパク・チョンミン君が、今回も善悪の狭間で苦悩する姿がとても若くて格好よく、最も大きな役割を担う人物としてステキでした。あと、双子として1人2役をこなしたイ・ジェインちゃんも、尋常じゃない異質な存在のほうの演技がとってもよかったです。

 

まあ、一つ難をいうならば、以上のような監督の個人的命題を効果的に成立させるために、けっこういろいろと説明的なセリフや設定が、うるさいくらいに多くなっている感があって、もっとシンプルにできたならもっと重厚になったのでは、という口惜しさがありました。でも私自身は、以上のような命題にガツンとやられたので、個人的に『哭声(コクソン)』以上に面白かったです。ホラーですからもちろん好き嫌いは分かれるでしょうが、でもこれはお勧めです!♪ヽ(´▽`)/

 

 

【あらすじ】 人々はいった。その時、そのまま「それ」が死んでいればよかったのだと――。とある田舎の村で双子の姉妹が生まれる。健常でない脚で生まれた「クムァ」(イ・ジェイン)と、皆が永く生きられないだろうといった姉の「それ」。しかし、2人は今年で16歳になった。

 

新興宗教の不正を調査して明らかにする宗教問題研究所の「パク牧師」(イ・ジョンジェ)は、最近、「鹿の園」という新しい宗教団体を調査中だが、寧越トンネルで女子中学生の遺体が発見される事件が起き、それを追う刑事と偶然、「鹿の園」で出会うことに…。「パク牧師」はそこでこれが尋常でない事件であることを直感的に感じる。

 

しかし、真実が明らかになる前にトンネル事件の容疑者は自殺し、彼が死ぬ前に最後に会った「ナハン」(パク・チョンミン)と、16年前に生まれた双子の妹「クムァ」について調べていくうちに、「パク牧師」はだんだんと多くのミステリーにぶつかるようになる…。「それ」が生まれることで、すべての事件が始まった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画『サバハ(사바하、娑婆訶)』(チャン・ジェヒョン監督)予告編。

 

 

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