韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


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「彼らの選択が世界を変える」


昨年末公開で、現在もまだ韓国でヒットしながら500万人を動員している映画『1987』(チャン・ジュナン監督)です。今まさに韓国の大学生の一人である我が息子が観て来て、「あまりにも悲しかった」というので続いて観て来ました。(((°`∇´°;)))


韓国の民主化運動が成就した1987年の出来事を、抜群の演出力と演技力でスリリングに描いていますが、あまりにもインパクトがすごくて、私自身、途中、胸が張り裂けんばかりの思いになっては、最後には涙の海となってしまいました。この手の映画でここまですっきりと、映画の主張に感情移入できたのは初めての経験でしたが、何よりも偏頗な脚色ではない、「右」も「左」もなく生々しい人間同士の話として真っ向から描かれていたからではないかと思います。



●歴史のキーパーソンによるバトンリレー


韓国で、軍部のクーデターによって始まった長い軍事政権が終わり、現在に至る民主主義が確立した、1987年の息の詰まる民主化運動の攻防が描かれています。


私が初めて韓国を訪れたのがまさにこの直後の1988年初め。この時に学生時代の初めての海外旅行として韓国に行くといった私に、韓国通の先輩の一人がつくづく語ったのが、「お前は本当にいい時代に韓国と出会えるなあ。心からお前がうらやましいよ」という言葉でした。その言葉の本当の意味が今になってやっと分かったような気がします。私が知っている韓国は、この映画の後の韓国、まさに『応答せよ1988』のドラマで描かれていた、これらの暗い試練の時を乗り越えて、ソウルオリンピックから始まる新たな夜明けにまっしぐらに突き進んでいく、今につながる姿であったからです。


それを切り開いたのが、16年ぶりに大統領直接選挙制となった1987年末の大統領選挙。それが可能になったのが、1987年6/29の「6・29民主化宣言」。まさにその契機となったのが、1987年1月の胸痛いソウル大生拷問致死事件であったわけです。それらを通して1987年という年にこの国の歴史が動いた、その過程が、時系列どおりに、しかも実際の歴史がそうであるように、決して主人公が一人ではなく、キーパーソンたちが一人ずつ現れてはバトンを受け取って、命がけでそれを次の人に渡して消えていく、という形式で話が進められていきます。


ハ・ジョンウさん演じる検事→イ・ヒジュンさん演じる新聞記者→ユ・ヘジンさん演じる刑務所の教導官→キム・テリさん演じるその姪の大学生ヨニ…という具合ですが、それら素敵な俳優たちが歴史のごく一部分だけを演じては消えていくという形が実にリアルでした。そうしながらも、それに反して最初から最後まで一人の人物によって担当されるのが、こちらは明らかに象徴としての悪役であろう、キム・ユンソクさん演じる朴署長です。でも彼は彼で、そのようになった原因が、北朝鮮において共産主義体制によって愛する家族を無残に殺されたということなので、彼自身も一人の被害者として描かれていることは注目に値します。


そして最後のバトンを手にしたヨニが、文字どおり通りを完走してラストに目にする、ある象徴物の海。それこそがまさに私が“涙の海”と表現したいものであるわけですが、その結論にまさしく涙、涙で感動しました。



●私と私の家族につながる1987年6月


何よりも重要なことは、これらのすべてが徹底した情報に基づく、事実によって構成されているということです。それがなければ、他の多くの政治的映画においてそうであったように、私は決して心から感動することなどできなかったことでしょう。


「護憲撤廃、独裁打倒!」――実際にその時にほとんどの国民が叫んだといわれるその言葉ですが、初めて私の耳に、それらが今の私自身と私の家族のために叫ばれた言葉であったのだと思うことができました。


そして、私がよく通る地下鉄1号線の南営駅のすぐ目の前に、今でも旧「対共(対共産主義)分室」の建物があります。窓が小さい異様な雰囲気のその建物こそが、まさに泣く子も黙る、警察権力による対共産主義の拷問調査が行われた場所であり、この映画の中心舞台です。


その建物を見上げる時に、私はこれまで、ただ異様な恐怖だけを感じていたのですが、これからは熱い思いで見上げることになるのかもしれないと思いました。なぜならそこで1987年1月、学生運動を行った一人のソウル大生、いえ、一人の“大韓の息子”であった朴鍾哲君が、警察の水攻め拷問によって無残に犠牲になったことから、このすべての歴史の胎動が始まったからです。


まさにその息子を「私の息子」と感じ、「私の弟」として感じるすべてのこの国の国民たちによって、「6月民主抗争」(左翼的用語であまり好きないい方ではありませんが)と呼ばれる6月の全国民規模の民主化運動が起こるからです。


私自身も、私が韓国とつながる前の年に起こった事実を、初めて生の人間の出来事として受け止めることができた、記念すべき一本であり、ぜひ、韓国の今をより深い過去から知るためにも、皆にご覧になっていただきたい衝撃の一本です!(*´ヮ`)/



【あらすじ】 1987年1月、警察の調査を受けていた22歳の大学生が死亡する。証拠隠滅のため、パク署長(キム・ユンソク)の主導下に警察は遺体の火葬を要請するが、死亡当日に当直だったチェ検事(ハ・ジョンウ)はこれを拒否し、解剖の実施を押し通す。単純なショック死という嘘の発表を続ける警察。しかし、現場に残された痕跡や解剖所見は、拷問による死亡を示し、事件を取材していたユン記者(イ・ヒジュン)は、「水拷問中の窒息死」と報道する。これにパク署長は、チョ班長(パク・ヒスン)ら刑事2人だけを拘束させて事件を縮小しようとする。いっぽう、刑務所に収監されたチョ班長を通じて事件の真相を知った刑務官ハン・ビョンヨン(ユ・ヘジン)は、この事実を伝達するため、姪のヨニ(キム・テリ)に危険な要請をするのだが…。

































映画『1987』(チャン・ジュナン監督)予告編。

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