■これぞ昨年の韓国歴史映画第1位『南漢山城』です!≧∇≦)〃♪ | 韓国・ソウルの中心で愛を叫ぶ!

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ポッドキャスト韓国語マガジン“サランヘヨ・ハングンマル”の編集長が、韓国と韓国文化の見つめ方を伝授します。


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「国の運命がそこに閉じ込められた」


●現在の国外・国内情勢とそっくりとも


昨年の映画ベスト3までを一気に紹介させていただきますが、個人的に『神と共に』、『沈黙』に続く第3位に輝かせたいのが、イ・ビョンホンさん、キム・ユンソクさん、パク・ヘイルさん、コ・スさん主演の歴史映画『南漢山城(남한산성)』(ファン・ドンヒョク監督)です!そしてこれは、昨年上映されたすべての歴史映画の第1位だと思います!♪ヽ(´▽`)/


これぞ歴史映画だといえる文句ない名作であり、その、実際に起こったリアルな歴史の一場面としてのシーン、シーンを思い出すたびに、今も涙がこみ上げそうになり、ため息が出てくるような作品です。ただし解説を書くことに力が必要なために今になってしまいました。長くならざるを得ないのですが、どうか最後までおつきあいください。(´ぅ_ ;`)


映画は、1636年の清国による「丙子胡乱」によって、孤立無援の南漢山城に王と臣下たちが篭城しながら、国家の運命をかけた熾烈な47日間を、君臣共にどのようにもだえ苦しみながら闘ったかということを描いています。


何が文句ないといっても、まずは韓国にとって歴史の最も恥辱である場面を、何の作為も政治的色もなくそのまま深め深めて真正面から描いているということです。外勢に押しつぶされそうになりながら、国の行くべき道を決める臣下の意見が完全に真っ二つに分かれますが、しかし、そこには誰も悪人はおらず、それぞれが命を投げ出して国のためを考え、王と民のためを考えて、どちらにしても悲惨な屈辱の歴史を選択しようとしているそのさまは、まさに映画が描き得る最大の歴史的リアリティであったと思いました。


実際、最近、韓国の歴史映画が特に左傾化した論壇の扇動手段のように感じられて、とても苦しくなっていたところを、ひさしぶりにすっきりとさせてくれるとともに、現実に目覚めさせられる思いでいろいろと考えさせられました。今まさに朝鮮半島南北の国外危機状況と、国内政治勢力の左右の対立の構図が、その当時の歴史と同じ、国家が「南漢山城」に閉じ込められてしまうまでの状況とそっくりであると感じざるを得ないわけです。



●仁祖の行った「三跪九叩頭の礼」とは


この映画の中心となる王様は朝鮮16代の仁祖です。その前の王の「光海君」が、「~宗」とか「~祖」という廟号を受けられずに生前の名前になっていることが示しているように、「西人」という勢力が1623年にクーデター(「仁祖反正」という)によって「光海君」を倒し、仁祖を擁立したわけです。王・仁祖が映画の中で、臣下の意見に振り回されている様はそのような背景をもとにしています。


廃位させられた「光海君」のほうはその後、ひどい暴君として歴史に記録されているわけですが、実際には政治的業績が高く、その一つが、単なる明国に対する事大ではない、明と後金(後の清)との間でバランスをとる、主体的中立外交を行ったことなどでした。(そのあたりのことは、以前、2012年のイ・ビョンホンさん主演の映画『光海』を紹介した時に書きました→過去記事


しかし、仁祖は、「西人」勢力によるクーデターの目的がそれであったこともあって、中立外交をやめ、再び大義名分を立てた「親明排金」政策をとることで、明の将軍を国内に進駐させます。ところが、1627年には後金が3万の大軍で攻め入って国内の明軍を蹴散らし、朝鮮はやむなく後金と「兄弟の義」を結ぶことで事なきを得ます。(「丁卯胡乱」という)


しかしその後、後金は国号を清と変え、皇帝に即位した太宗は、それまでの朝鮮との「兄弟」関係を覆して「君臣」の関係を結ぶように迫ります。仁祖は今度も名分論をかざす勢力のいうがままに清国に宣戦布告をするにいたるのですが、それを受けた清の太宗は、1636年、10万の兵を率いてたったの5日でソウルを占領するわけです。これが「丙子胡乱」です。


当時、ソウルの南、現在の京畿道城南市にある「南漢山城」に避難した仁祖のもとには、1万4千の兵力と50日分の食料しかなく、45日の過酷な抗戦の末に、漢江の南岸の三田渡に構えていた清軍の本営に、仁祖自らが出向いて、太宗を皇帝と認めるための「三跪九叩頭の礼」を捧げます。


これこそが、韓国史上最も屈辱的な王の姿として記憶される場面であり、この映画のクライマックスともなるわけですが、それは王自らが地面に3回ひざまずいて、1回ひざまずくたびに3回頭をゴツン、ゴツン、ゴツンと地面に打ち付けるという「礼」なわけです。清による屈辱はこれに終わらず、仁祖の長男である昭顕世子と次男の鳳林大君は人質として清に抑留されるようになり、さらに清軍は50万人にもなる朝鮮の民を奴隷として引き連れて満州に帰還しました。


この時の屈辱は、現在も、この三田渡に清の太宗が立てた盟約碑である「三田渡碑」が残っているために、韓国人の記憶する歴史となっていますが、その碑を見る人は皆、このような歴史を二度と繰り返さないようにと祈るばかりなわけです。



●命をしぼり出して闘う舌戦の圧倒的力


映画は余計な演出もなく正攻法でぶつかっていますが、まさに歴史の現実の前に、右や左に分かれることの無意味さを感じて言葉が出なくなるというのが率直な感想です。歴史を描くといって、やたらと大げさな演出や視覚的アクションが多くなりがちですが、この作品は物理的力ではない、主張や言葉によるアクション、舌戦の演出によって充分に観客を魅了します。サンホン(キム・ユンソクさん)とミョンギル(イ・ビョンホンさん)の二人は、王の前に並んで、最初から最後まで、まったく正反対の主張をし続けますが、それらは自らの命を完全にしぼり出して発する言葉であって、何よりもその台詞に圧倒されます。


サンホン「ミョンギルが清王を皇帝陛下だと称し、殿下を清王の臣下だと称する書を捧げれば、殿下は清王の前にひれ伏されるつもりですか?ひざまずいて酒を注げと命じられれば、清王に酒を捧げられるつもりですか?」
ミョンギル「殿下、強い者が弱い者にできないことがないように、弱い者は生き残るためにできないことはありません。サンホンの言葉はしごく義なるものですが、それはただ言葉に過ぎません。サンホンは言葉を重くみて命を軽くみる者です。死は耐えることができずとも、地獄は耐えることができます」
サンホン「そんな生はすなわち死です。私はむしろ軽い死によって、死よりも重い生にかえます。ミョンギルは生を辱める者です。一つの国の国王は、蛮族に立ち向かって堂々とした死を迎えるとしても、いかにして万民が見る前で恥辱の生を物乞いしますか。私はそんな王は、とうてい奉ることも、見ることもできないので、今この場で私の首を斬ってください。」
ミョンギル「王とは何ですか。蛮族の足下に這いつくばろうとも、自国の民が生きて歩いていくことができる道を開いてあげることができる者だけが、初めてこの私と民が心で従うことができる王です。今、私の首を先に斬って、どうか殿下は地獄を耐えてください」


この映画を通して感じさせられたことは、結局、政治的対立の中心にある「理想」や「イデオロギー」による名分論が、国家をして小さな「南漢山城」に篭城するに至らしめてしまうのであって、それらは所詮、歴史の現実の前には、平和の上で行っていた遊びに過ぎないし、本来はもっと、現実の歴史の残酷さを痛感した上で、この二人の台詞のように命を懸けて言葉を発しなければならないということです。


これほどの命を削って道理と忠誠を示す、二人の忠臣の姿に震えるほど魅力を感じるとともに、大陸と海から繰り返し外侵を受けてきた韓国という国の現実を改めて痛感せざるを得なかった、これこそ歴史映画だといえる作品でした。お勧めです!ヾ(≧∇≦)〃♪



【あらすじ】 1636年(仁祖14年)の丙子の乱(丙子胡乱)。清が朝鮮に侵入すると、君主と家臣らは敵を避けて、南漢山城(ナマンサンソン)に隠れる。寒さと飢え、絶対的な軍事的劣勢の中、清軍に完全に包囲された状況。 瞬間の恥辱に耐え、国と民を守らなければという吏曹判書チェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)と、清の攻撃に最後まで対抗して大義を守らなければという礼曹判書キム・サンホン(キム・ユンソク)。その間で仁祖(パク・ヘイル)の煩悶は深くなり、清の無理な要求と圧迫はよりいっそう強まるが…。











































映画『南漢山城(남한산성)』(ファン・ドンヒョク監督)予告編。

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