これもネットで知って、今頃読んだ本。発表されたのは1996年の様で、図書館で借りてきたら年季の入った本だった。しかも「よごれあり」と注意書きも付いていたのでした。よほどたくさんの人に読まれたのだろう。

 

 

 

推理小説の部類に入るのだろうか、でも名探偵は登場しない。女性の刑事が主人公だから、ひたすら地道に捜査する様子や会議などが続く。女性で刑事をやる事の苦労や、コンビを組んだ男性刑事とのやり取りなどで話は進んで行く。

 

動物が人間を襲うと言えば「モルグ街の殺人事件」が有名過ぎるけど、この物語では初めから歯型の怪我が出ていて、犬を探して聞き込みをするため謎にしている訳でもない。

 

女刑事と組んでふてくされたような男性刑事との関係性が、会話や行動で変化していく辺りが丁寧に面白く書かれている気がした。

 

それでも書かれているのは、地道な警察の捜査。ついに犬を見つけると、走る犬がどこへ行くのかバイクに乗った女刑事が追う。追って行くうちに、犬と刑事の中に独特の関係のような物が出来てきたのか。走って行く間の描写が、一番躍動感あるように思えた。

 

始めはあまり面白いと言う印象は感じなかったが、だんだん読んでいくと犬と女刑事に感情移入するように読んてしまった。