つん太郎界隈 PERFECT YEAR 2014 特別企画…
NMB48 9thシングル カモネギックスなんば式写メ会in横浜…
2014/03/01
今にも泣きだしそうな灰色の空…
ゆっくりと回転し続けるコスモワールドの観覧車を眺めながら私は桜木町の駅から
パシフィコ横浜へと歩き出す…
少し風邪気味で体が重い…
カップルや家族連れの楽しそうな喧騒…
泣き出しそうな灰色の空にも関わらずみなとみらい周辺には笑顔が溢れていた…
何気なくライダースのポケットに手を入れた…
何か入っている…
私はその何かを取り出した…
ソープ嬢「ちえ」ちゃんの名刺だった…
「今日はとっても楽しかった!今度、リベンジしに来てね!」
名刺にはそう手書きで記されていた…
ちえちゃんとのPLAYが蘇る…
左手で手マンをしようとして不器用すぎる私は思う様な手マンが全く出来ず
物凄いぎこちない手マンを炸裂させ、微妙な空気になり全く勃起せず最終的にちえちゃんの綺麗なマ〇コを見ながら自分で擦り始めるという恐ろしい記憶が蘇った…
震える手足…
襲い掛かる動悸…
サングラスの中の瞳から一筋の涙が零れ堕ちた…
名刺を思い切り握り潰した…
自分の爪が手のひらに刺さり血が滴り落ちる程きつく握りしめた…
情けなかった…
許せなかった…
自分という存在が…
血まみれになった名刺を思い切りゴミ箱に捨てた…
情けない過去の自分を捨てるかのように思い切りゴミ箱に叩きつけた…
涙を拭いしばらく歩くとパシフィコ横浜に着いた…
なんば式写メ会とは誰と写メを撮れるか当日にならないと判明しない写メ会…
券に何レーンか記載があり、当日メンバーがどのレーンを担当するかが決まる…
会場に着き私が持っていた券のレーンのメンバーの名前を確認した…
全く知らない名前が書いてあった…
とりあえずそのレーンに並びまるでベルトコンベアの様にヲタクが流れて行った…
私の番…
両手を係員が入念にチェックする…
カーテンが開き別の係員にカメラモードにした私の携帯を渡し荷物を机に置いた…
パイプ椅子に女子高生風の制服を着た女の子が座っていた…
誰だが全く分からないが可愛い…
その時、私はそう思った…
彼女は自分の事を「みぃ」と呼んでいた…
私は写メを撮る前に謎にサングラスをかけた…
謎のハートのポーズで撮ろうと言われたので私はそれに従った…
しかしこの時、私はこのハートは彼女に触れて良いものなのか…
触れたら係員に怒られるのではないか…
アイドルの手に触れて自分よりもあきらかに年下の係員に怒られる30歳独身彼女無し低所得なんてあまりにも惨め過ぎるだろ…
とビビってしまい結局彼女の手に触れない事を選択した…
もう私は攻める勇気を完全に失っていた…
「みぃの顔がサングラスに反射してるよぉ~」
撮り終わった後に彼女が言ってきた…
私はこのサングラスはミラーレンズじゃないしそこまで反射しないだろ…
と思い苦笑いを浮かべて椅子から腰を上げ荷物を持ち出口へ踵を返した…
「また来てねぇ~」
多分もう…来ないよ…
私は心の中でそっと返答した…
ブースを出ると係員から携帯を渡され写メをチェックする様に促された…
撮った写メを確認すると一緒に撮った女の子は申し訳ないがあまり可愛くない事に気付かされた…
そしてまた一生懸命に弾けた振りをして撮っている自分が凄く滑稽に見えて虚しくなった…
パシフィコ横浜の一階にあるコンビニの前で黄昏ているとトップヲナニストのごるちゃんに出会った…
相変わらず、ごるちゃんはAV男優の様な独特の変態的なオーラを醸し出していた…
ごるちゃんの横には知らない顔の変態的な男がいた…
「彼は“たかぴの”って言ってずっと紹介したかったんすよ!」
そう言ってごるちゃんは私に“たかぴの”君を紹介してくれた…
近くにある紫煙が充満する喫煙所に三人で入りそこで談笑した…
私が煙草を咥えるとそっとごるちゃんが何も言わずにライターを差し出し私の煙草に火をつけてくれた…
良い包茎だ…
私は心からそう思った…
そしてたかぴの君の変態的な写メを見せて貰った…
そこに映っている彼は漆黒のブーメランパンツ履いており…
最終的にはそのブーメランパンツを頭に被り下半身全開で金属バット持っていた…
イカレてやがる…
私は一気に彼の事が好きになった…
彼が体験した飛田新地の話はとても魅力的で若さと精力に満ち溢れていた…
彼の柏木由紀に対する異常な程の“想い”も感じ自然と笑顔が溢れた…
また彼は包茎という事でとても親近感が沸いた…
私は素晴らしい“漢”と出会えた事に感謝した…
しかし残念な事もあった…
紫煙をゆっくりとくねらせながらごるちゃんが放った一言…
「俺…これからはヲタクじゃなく“ガチ恋アドバイザー”として歩んで行く事にしたんすよ!」
あんなに好きだった東李苑とごるちゃんとの間に何があったかは詳しく聞かなかったが
きっと余程の事があったのだろう…
もうごるちゃんは彼女と接触する気はないらしい…
「アイツは“魔性の女”っすよ!!」
ごるちゃんは灰皿に荒々しく煙草を押し付けながらそう言っていた…
私は可愛いごるちゃんを傷つけた東李苑が許せなかった…
それ以上にヲタクとしての実力が皆無すぎて何もできない自分が許せなかった…
楽しい時間はあっという間に過ぎまた写メを撮る時間になった…
会場に戻り私が持っていた券のレーンのメンバーの名前を確認する…
全く知らない名前…
レーンに並ぶ…
無言のヲタクベルコンベア…
ごるちゃんとたかぴの君と話してた楽しい時間が嘘の様にテンションが下がる…
私の番…
係員の両手のチェック…
カーテンが開く…
係員にカメラモードにした自分の携帯を渡す…
荷物を置く…
パイプ椅子に座る女子高生風の制服を着た女の子と目が合う…
「わぁ…これ私服?」
どうやら女の子は私の私服にドン引きしている様だ…
「ポーズどうする?」
ポーズなんて何も考えてない…
“早くしろ”と無言の圧力をかけてくるストップウォッチ持った係員…
とりあえずサングラスをかけた…
シャッターの音が聞こえた…
椅子から腰をあげ荷物を持ち出口へと踵を返す…
「また来てねぇ~」
多分もう…来ないよ…
私は心の中でそっと返答した…
ブースを出て係員に携帯を渡され写メをチェックした…
心から意味不明な写メが撮れたな…と思った…
時間が経ち次の部が始まる…
私が持っていた券のレーンのメンバーの名前を確認する…
全く知らない名前…
レーンに向かう途中ウッチー将軍に会った…
「どうだ?今日はちゃんと傾けているか?」
爽やかな漢の笑顔を浮かべたウッチー将軍の問いかけに
私は首を横に振り自分のレーンに肩を落としながら突撃した…
無言のヲタクベルコンベア…
地に堕ちたテンション…
私の番…
係員の両手のチェック…
カーテンが開く…
係員にカメラモードにした自分の携帯を渡す…
荷物を置く…
パイプ椅子に座る女子高生風の制服を着た女の子と目が合う…
「ポーズどうする?」
ポーズなんて何も考えていない…
「じゃあこれねっ!!」
私は彼女が指定しきたポーズに従った…
椅子から腰をあげ荷物を持ち出口へと踵を返す…
「また来てねぇ~」
多分もう…来ないよ…
私は心の中でそっと返答した…
ブースを出て係員に携帯を渡され写メをチェックした…
またもや一生懸命に弾けている振りをした自分がそこに映っていた…
虚しくなった…
涙が溢れてきた…
私は一体何をやっているんだろ…
30歳にもなって彼女も出来ず低所得者のくせに私は一体何を…
写メを見返す度に自己嫌悪が止まらない…
パシフィコ横浜の2階の外の喫煙所で煙草を吸うも体調が悪い為か美味しくない…
荒々しく煙草を灰皿に押し付け再度会場に向かった…
私が持っていた券のレーンのメンバーの名前を確認する…
全く知らない名前…
無言のヲタクベルコンベア…
足取りが重い…
溜め息の嵐…
私の番…
係員の両手のチェック…
カーテンが開く…
係員にカメラモードにした自分の携帯を渡す…
荷物を置く…
パイプ椅子に座る女子高生風の制服を着た女の子と目が合う…
「ポーズどうする?」
ポーズなんて何も考えていない…
椅子から腰をあげ荷物を持ち出口へと踵を返す…
「また来てねぇ~」
多分もう…来ないよ…
私は心の中でそっと返答した…
もはや完全に無気力になっていた…
誰だか全く分からないが一緒に撮ってくれた女の子達にも申し訳ない気持ちで一杯になった…
ブースを出て係員に携帯を渡され写メをチェックした…
酷すぎる…
アイドルだってこんなテンションの低い30歳の訳わかんないおっさんと撮るより
もっと弾けた若者と撮った方が嬉しいだろうに…
ごめん…
一緒に撮るのがこんなダメなおっさんなんかでごめん…
私なんかがこの世に生きててごめんなさい…
会場から出て1人ベンチに腰かけた…
相変わらずの灰色の空…
まるで私の心模様だ…
まだ1枚券はあるが帰ろう…
そう思い腰を上げようとしたその時だった…
横浜の浜風を存分に受け灰色のコートをバサバサとなびかせ髪が完全にベジータの様に逆立っているサングラスをかけた男がこちらにゆっくりと寄ってきた…
「なーに湿気た面してんだ?」
『えっ!?貴方は…?』
「混沌を望み、ドルオタの支配構造を破壊する者。
そして、ヲタクの野望を打ち砕く者!
聞きたいか?
我が名は……
鳳凰院つん太郎ッ!!」
『鳳凰院…つん太郎…!?』
「そうだ!!
俺は狂気のヲタクサイエンティスト…
鳳凰院つん太郎!!
アイドルを騙すなど、造作もないッ!」
『ヲタクサイエンティスト…?
アイドルを…騙す…!?』
「貴様…その券を使わずに逃げるつもりかッ!?アイドルからッ!!」
『だって…俺にとってもはやアイドルと写メを撮る事なんて何の意味もないし…』
「一見意味のないこと、無駄と思えることこそ…
より大きなことを成し遂げるための礎石足り得るのだッ!」
『大きなことを成し遂げるための礎石…?』
「弱音を吐くのはいい。
吐きたければいくらでも吐け。
俺が聞いてやる。
だが…諦めるようなことだけは言うな!
アイドルを諦めるなッ!!」
この鳳凰院つん太郎という者が一体何を言っているのか
私にはさっぱり理解できなかったが…
彼の言う一言一言には自信に満ち溢れていて凄く力があって引き込まれた…
「任せろ。俺が、アイドルを変えてやるッ!」
『うん…うん!!鳳凰院つん太郎!!俺、この最後の1枚に全てをかけてみるよ!!
俺の人生にとってアイドルと撮る写メなんて何の意味も価値もないかもしれないけど…
鳳凰院つん太郎…君を信じて…
恐いけど…
この最後の1枚にかけてみる!!』
「この鳳凰院つん太郎も貴様と同じようにヲタ活に何の意味もないのではないか…
アイドルが恐い…
と悩んだ時もあった。
でも違った。
全てに意味があった。
無駄なんて、一つもなかった。
俺はもう恐れない。
恐れてはいけない。
犠牲にしてきたたくさんのヲタクに報いるためにも。
この瞬間に立つことができた俺に、誇りと自信を持つ。
そして必ず到達するのだ。
未知のヲタク線“TSUNTARO's Gate”へ!!」
『うん!!』
「エル・プサイ・コングルゥ…」
意味不明な言葉を鳳凰院つん太郎は爽やかな笑みを浮かべ私に放ってきた…
そして私は鳳凰院つん太郎と共に再度会場に入った…
私が持っていた券のレーンのメンバーの名前を確認する…
全く知らない名前…
「エル・プサイ・コングルゥ…」
鳳凰院つん太郎が私の肩を叩きまたもや意味不明な言葉を投げかけ…
そして彼は彼の持つ券のレーンへと歩いて行った…
私も自分の持つ券のレーンへと向かった…
無言のヲタクベルコンベア…
すぐに地に堕ちようとするテンション…
「任せろ。俺が、アイドルを変えてやるッ!」
しかし鳳凰院つん太郎のこの言葉を思い出す度に私のテンションは上がった…
私も到達してみたい…
未知のヲタク線“TSUNTARO's Gate”へ!!
私の番…
係員の両手のチェック…
カーテンが開く…
係員にカメラモードにした自分の携帯を渡す…
荷物を置く…
パイプ椅子に座る女子高生風の制服を着た女の子と目が合う…
「凄い服やなぁ~!」
最後の女の子は関西弁の強い女の子だった…
関西弁の若い女の子とか高まるはずなのに…
全く高まらなかった…
急降下するテンションを何とか上げようとした…
全ては未知のヲタク線“TSUNTARO's Gate”へ到達するために!!
「ポーズどうする?」
関西弁のイントネーションで尋ねられるもポーズなんて何も考えていない…
私には“TSUNTARO's Gate”へ到達する事以外何も考えられなかった…
「じゃあ…これで撮ろうやッ!」
彼女は私にポーズを提案してきた…
私は静かに頷きサングラスを装着しようとした…
「申し訳ないのですが…目を隠す物はダメなんですよ…」
ストップウォッチを持った係員が言ってきた…
はぁ!?
なんだそのルール…
もはや意味が全く分からなかった…
私がサングラスをかけた所で誰に迷惑をかけるというのだ…
今日これまでの写メで一回もサングラスを注意された事なんてなかったのに…
私はサングラスを胸元にかけ戻した…
「ハハッ…」
少し間をあけて座る女子高生風の制服を着た女の子が苦笑いを浮かべる…
私も苦笑いを浮かべ彼女が指定してきたポーズをとった…
このポーズ…さっきも誰かに指定されたな…
私は何だか悲しくなってきた…
アイドルの横でサングラスもかけられない…
アイドルを笑顔にする事も出来ない…
気まずい空気を作るだけ…
昔は違った…
昔は攻めていけた…
恋をしようと…
性的な眼で屍姦し勃起しようとした…
隙あれば下ネタをぶち込もうと虎視眈々と狙っていた…
攻めた故の気まずい空気なら意味はあるが…
もはや今の私は何もしていない…
係員に注意されるのが恐かった…
歳を取り気付けば守りに入り弱気になっていた…
風俗嬢の前では包茎のチ〇コをさらけ出し自分で扱くくらい弾けられるのに…
アイドルの前じゃ何も出来ないチキン野郎…
30歳未婚彼女なし低所得者のチキン野郎が“TSUNTARO's Gate”になんて到達出来る訳ないじゃないか…
写メを撮り終わり私は椅子から静かに腰をあげ荷物を取り出口へと踵を返した…
「また来てなぁ~」
いや…もう来ない…来れない…
私なんかが来て良い場所ではないんだよ…ここは…
それがやっと解かった…
ごめんなさい…
貴女の貴重な人生の一瞬をこんな男に使わせてしまってごめんなさい…
私は心の中でそっと返答した…
ブースを出て係員に携帯を渡され写メをチェックした…
写メには涙を堪えながらも一生懸命に弾けた振りをしている30歳未婚彼女なし低所得者のおっさんの姿が写し出されていた…
心がまるでナイフで抉られた様に痛くなった…
涙が溢れた…
涙で霞む視線の先…鳳凰院つん太郎が見えた…
鳳凰院つん太郎がこちらに寄ってきた…
「この鳳凰院つん太郎の狂気の2ショット写メを見るか?」
私は静かに頷き彼がそっと私に携帯を渡してきた…
私は度胆を抜かれた…
彼の2ショットはどれもがまさに“狂気”だった…
2ショットのどれもがアイドルの魅力を最大限に引き出されていた…
2ショットのどれもが最高に楽しそうだった…
2ショットのどれもが100万ドルの夜景の如く煌いていた…
アイドルが胸前で手を組み狂気のヲタクサイエンティスト鳳凰院つん太郎に狂気の祈りを捧げていた…
またもやアイドルが狂気のヲタクサイエンティスト鳳凰院つん太郎に何かを願っていた…
彼に狂気の祈りを捧げれば必ず叶うかの様に…
鳳凰院つん太郎があの伝説の“ヲタ神様”に見えた…
狂気のヲタクサイエンティスト鳳凰院つん太郎が狂気の忍術をアイドルに教えていた…
まさに狂気!
狂気狂気狂気!
狂気狂気狂気!狂気すぎる!!
凄い!!
凄い凄い凄い!!
凄い凄い凄い!!凄すぎる!!
これが…
狂気のヲタクサイエンティスト鳳凰院つん太郎の狂気の写メ!!
圧倒的実力差と狂気を感じ同時に自分の無力さも痛感した…
これ程のヲタクでも到達出来ない未知のヲタク線“TSUNTARO's Gate”に私なんかが到達出来る訳なんか初めからなかったのだ…
私は鳳凰院つん太郎に携帯を返し踵を返した…
会場の出口に向かって歩く私の背中越しに鳳凰院つん太郎の狂気と混沌が入り交ざった様な声が聞こえてきた…
「エル・プサイ・コングルゥ…」
完!!