努力は報われない、 | 渡辺清乃の「生きる」とは「表現すること」〜可能性のドアを開き続けよう~

渡辺清乃の「生きる」とは「表現すること」〜可能性のドアを開き続けよう~

キャリア理論・ポジティブ心理学・レジリエンス・マインドフルネスをベースに、「あたま・こころ・からだ」のすべてにアプローチ。人の可能性を最大限に開き、未来を創るアクションにつなげます。

これまで努力して、がんばって結果を出してきた、多くは「優秀」と言われる方々のご相談や過去の回想をお聞きしていると、よく出てくるのが

 

 

「諦めずにやることが大切」

「努力は報われる」

 

という言葉。

 

それでうまくいっているうちはいいのですが、いろいろなケースに立ち合わせていただいていると、この「努力は報われる」信仰が足を引っ張ることが少なくないのです。

 

とはいえ、その真っただ中にいるご本人は自らを客観視をするのが難しいため、なかなか気づくことはできません。

ですから、うまくいっていない時に

 

「うまくいかないのは努力が足りないからだ」

 

とご自分を責め、落ち込んだりもします。

 

 

 

「努力は報われない、こともある」

 

ということを受容できる器が育たない限り、次のステージに行くのは難しいのですが、(繰り返しますが)これは頭でわかっていても、いざその場面になると、なかなか受け入れがたい。

 

 

 

 

 

 

「努力は必ず報われる」
「うまくいかないのは頑張りが足りないからだ」
 
というのは、言い換えると「万能感」の表われです。
 
 
「この私の努力は、結果に結びついて当然である」
 
とか
 
「私ならできる」
 
とか
 
「努力すればきっとわかってもらえる」
 
とか。つまり、
 
「できない自分などあり得ない」
 
という意味でもあるのです。
 
 
ご自身の努力と向上心で、これまで結果を出してこられた実績もあるでしょうし、これまで投資してきた時間や思いをフイにするのが惜しかったりする面もあるでしょう。
これらの思いが自分を追い込みすぎて、心が折れてしまう方も実際にいらっしゃいます。
ときには「未来を考えるときには過去の投資はないものとせよ」という考え方を持つことも必要なのです。
 
 
自分の持ち味を知り、それを使ってもらう。
自分の弱さを知り、他者に助けをもらいながら事を成す。
 
それに加えて、「自分の限界を知っている」というのも、プロフェッショナルなら必要な姿勢だと私は思っています。
(プロとは、専門的な職業だけを指すわけではありません)
 自分の限界、弱点を認めることで、自分以上のことを成し遂げることができたりもするのですから。
 
 
 
その努力を続けるのは、万能感がベースになっていないか?
見極められる眼を養いたいものです。