ハイセットホテル静岡のロビーでは、季節ごとに社員手作りのオブジェが登場し、お客様を楽しませています。

 製作は究極のオールラウンダー、山内茂昌さん。

 フロントはもちろんのこと、工務店長、レストランシェフ、客室清掃リーダーなど、いくつもの顔を持っています。

 ホテルには、なくてはならない存在。

「酷使している感」大ありです。反省しつつ、いつも頼りにしています。

 

 

  ↑GW製作の「ネオンこいのぼり」と山内さん

 

 

 

 

一番の傑作は、エレベータ前を彩ったクリスマス季節の「手作り暖炉」でした。

 LEDで火まで演出する凝り様。

 子供たちが喜んだのはもちろんのこと。

 大人のお客様たちが、思わず手をかざして「そんな訳ないか」と楽しんでました。

 

 

  ↑傑作「手作り暖炉」

 

 

 

 私もすっかり調子に乗り、「ハロウインの演出はないのか」とか、「雨の季節はあじさい?傘?」など無茶ぶりするのですが、その都度、期待以上の作品を作るのです。

 

 

 彼のすごいところは、これだけではありません。

 社内には、設備不備があると写真にアップし、対応するページがあるのですが、これが名付けて「山内工務店」。

 このページに業務がたまると、さっと作業着に着替え、設備のおじさんに早変わり。

 客室のドアやカーテン、ユニットバスからレストランまで、合間の時間で修繕、装飾作業をこなします。

 

 

  ↑駐車場の漏水事故に対応する仕事人

 

 

 2週間前のこと。

 満室のお客様が出払い、帰ろうとした頃、半地下駐車場の屋根から水がボタボタ。

 目の前には同じく勤務を終えていた山内さんの姿が。

 

 「悪いけど、応急処置できるかなあ?」

 「任せてください」

 

 どこからともなく、マイドリル(私物。なぜ持ってる?)を調達してきて、あっという間に天井を開き、漏水の原因を突き止めてくれました。

 

 

 

 さらに山内さんは客室清掃業務もこなします。

 登録名は「シゲ山内」。

 メイクさんの人出が足りない時、急きょ、清掃部隊に入ります。

 本職のメイクさんたちが認める仕上がりです。

 

 この春はこんな場面もありました。

 満室の日の夕方、清掃部隊が帰った後、清掃のし忘れ部屋が発覚。

 その日は団体夕食があり、山内さんはそちらの担当でした。

 「何とかなる?」

 「1時間もらえれば」

 さっとレストランを抜け、客室を仕上げ、涼しい顔で戻ってきたのです。

 

 

 

 「ムッシュ茂」の呼称もあります。

 前回のブログに挙げた「姫路ヴィクトリーナ」の選手の前で、ステーキやオムレツのライブサービスを披露したのも彼です。

 料理長が突然退職し、ぽっかり空いた穴をしばらく埋めてくれたこともありました。

 困ったときの山内さん。

 突然の勤務変更にも、率先して応じてくれます。

 

 

 

  ↑現在のロビーオブジェ。私はカエル嫌いなのだが。

 

 

 

 余談ですが、そんな彼のもうひとつの顔がこれ。

 ↓

 

 

 なんと落語という高尚な趣味を持っているのです。

 「真打ち」の称号を得たときは、お客様の前でライブをしてもらおうと思ってます。

 

 

 ホテルにハプニングはつきもの。

 今後起こりうる数々の火事場に、山内さん無くしては経営は成り立ちません。