糖原病の確定診断を出すための検査入院。

その最大の検査は肝生検。
肝臓の組織を取り出し、生体検査をするというものだ。
これは今回の入院の最後に待っている。
 
その前に行われた大きな検査は、骨髄の採取だった。
息子と一緒に処置室に入り、息子を向い合わせで抱っこしたまま、点滴のラインから麻酔が注入された。
 
その時、僕は驚くべき光景を見た。
この部屋に入ると痛いことをされる…点滴のライン取りもこの部屋で行われた…ってことを知っている息子は、ものものしい雰囲気にぐずつく。
 
ところが、麻酔が注入された息子は…
 
「へへへっ」
 
と笑ったのだ。
 
 
「え゛っ!」と、漫画のような声を出す僕。
 
息子の恐怖を和らげるために立ち会ってくれたCLSのアイさん(仮名)は…
「よくあるんですよ。なんかハイになっちゃう子もいるみたいで」
 
飛んでるかのような息子の姿に背筋が少し寒くなった。
 
そして麻酔が回り、ぐったりとした息子を看護師さんが取り上げ、手足をだらーんと垂らした息子の姿を最後に、僕は処置室を出た。
 
「1時間半後に戻ってくれば大丈夫ですよ」
 
病室に戻ったらCLSのアイさんが付き添ってくれていた。
間もなく目を覚ました息子。
いきなり立ち上がるが、麻酔明けなので、すぐにぶっ倒れる…。
 
いやー。怖いものを見た。
 
怖いもの…といえば。
 
骨髄採取も、肝生検も、必ず同意書を取られる。
死亡率は極めて低いのだけど、それでもゼロじゃない
同意書にサインする度に何とも言えない恐怖に襲われた。
 
やっぱり息子は闘っているんだな、と改めて思う。
 
 
CLSについてはまた次回、記事を割きます。
医療従事者の皆様、ほんと、神です。