昔昔、私が小学生、中学生時代には学校に用務員さんがいました。
今もいるのでしょうか?
その昔、私は中学に入学してなぜか用務員のおじさんKさんに淡い恋心を抱いていました。
今思えば恋心ではなかったのかもしれないけど。
ごく普通の人だったけどやさしそうで。
Kさんがなにかの用事で私の教室に入ってきて。
確か朝だったと思う。
「1年C組かぁ。」とかなんとか言って私に話しかけてきたのですが、当時人見知りだった私はとっさに言葉を返せなくて。Kさんごめんね。
だけどそれからは学校で顔を見ると元気に挨拶していた私。
Kさんは多感な時期だった私の心のよりどころだったのかもしれない。
当時たぶんKさんは30代だったと思う。
誰に聞いたわけでもないけど、Kさんがシングルファーザーで保育園に通っている息子さんがいることを知った。実際見たし。
私がKさんに淡い恋心を抱いていたのは誰も知らなかったし誰にも言わなかった。
そのうちリアルで好きな先輩もできた。
そして中学を卒業し、時の流れとともに忘れていた。
そして自分も人の親になり、息子の小学校の入学式のこと。
なんとKさんが息子の通う小学校の用務員さんをしていた。
嬉しくなった私だけどきっと私のことは覚えていないだろうと思って声はかけなかった。
そして歓送迎会で再びKさんは転勤となったのでした。
それからまた時は流れ県内のニュースでKさんが息子と一緒に隣町で農場をやっていることを知った。人にやさしい農業をしたいと始めたそうだ。
そんな今日、市内の100均のレジでKさんを見かけた。
かなり歳を重ねていたけど見ただけですぐわかった。人柄の良さがでていた。
なんか嬉しかった。
人っていうのは自分でも知らないうちに誰かを嬉しくさせたりするんです。