・帯の季節の柄は先取りするだけではなく、名残りを愉しむこともできます。
お立ち寄りありがとうございます。
東京目黒区・自由が丘都立大学・着付け教室、関口加容子でございます。
帯の柄は色々なものがあります。
帯の柄には、有職文様や吉祥文様などのおめでたい席で締めるものの他に、その季節の花々や木々、暦の行事もの、動物や建物、人物など、普段の着物の装いに愉しさの幅が広がるものがあります。
「着物の文様や柄は、何となく先取りしなくてはいけないもの。」
「先取りのおしゃれ。」
という感覚をお持ちではありませんか?
もちろん、そのように装う事も多いです。
しかし、その他にも
「名残りの装いを愉しむ。」
こともあるんですよ。
この時期とても楽しみにして締める塩瀬の帯です。
熟した柿の実の、重みさえも伝わってくるような繊細さに、生命力を感じます。
こちらの柄ですと、少し先取りとしてもリアルタイムとしても締められますね。
そして、こちらは柿の実が落ちてしまい、枝と葉だけが残された様子が描かれています。
少し秋の寂しさが表現されているようで、こちらも風情があります。
枯れゆく美しさ、
短い秋の時の流れを、両面で上手く描いているところに面白みを感じる、お気に入りの帯です。
このように、季節の柄は先取りするだけではなく、「名残を愉しむ」ことができるんですね。
胴に巻く際には、反対方向に巻くだけですので、両方行に巻けるようにしておくとよいでしょう。
普段のおしゃれ着物は、自由な発想で愉しみましょう♪
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