カリフォルニアにある有名な国立公園で、大自然に圧倒される最高のキャンプスポットである。
ここで何度かキャンプしたことがある。
日本では経験できないスケールと、豪快に伸びている樹々と、広くて大きな蒼い空に何度圧倒されたことだろうか。
そして満天の夜の星空は、今でも思い出せるくらい脳裏に焼き付いている。
暗い中でも、空が高く、無限の広がりを感じ、でもなぜか星は近く感じた。
不思議な体験だった。
今日は久しぶりに夜道を歩いて帰った。
なぜか歩いて帰りたい気分だった。
冬の空は寒いけど空気が澄んでいるから、夜の空がとても綺麗だ。
まるで、星空を見るためだけにこの寒さがあるかのように。
ヨセミテほどではないが、今日の星は、ひときわ輝いて見える。
日中、電車の中で、堂々とカップラーメンを食っている男性を見かけた。
関東の方にはこの衝撃が伝わりやすいと思うが、JR某路線、である。
まあまあ乗客が多い。
いや、まあまあどころか、かなり多い。
東京駅とか、品川とか、有楽町とか、どう考えても都心を走っている、まさに動脈と言える路線の一つである。
そして、実際にはそんなに混み合っている時間帯ではなかったが、平日の昼下がりに、である。
この方が今体験している、このカオスな、まるでブラックホールの真ん中にいるような、周囲の存在を全く無視した時間と空間はどうなっているのか。
堂々とカップ麺に熱中する背中は、まるで全てを悟っているかのように、潔くも見えた。
それより、その食べ終わった後の汁は、スープはどうするのか。
汁の行方が気になってしょうがない。
あー、聞きたい。
けど、聞けない…。
もう少し俺に勇気があれば。
神様、一歩だけ踏み出す勇気をください。
世の中にはいろんな人がいるものだ。
いろんな価値観があるものだ。
それにしても、今夜は静かな夜だ。
そして、この無限に広がる星空の向こうには何があるのだろうか。
今夜は何かベタな恋愛映画でも見よう。
少しでいい。
現実とは考えにくい今日、から離れたい。
でも、やっぱり俺には無理。
電車でカップラーメンは、
厳しい。
今夜のこの星空を見上げながら、電車でカップラーメンを堂々と食える、そんなあの男にジェラシーを感じた。