お正月。
今年の正月は穏やかだ。
逆に言えば、正月らしくない。
かといって正月らしさ、を求めているわけでもない。
正月、と言えば、食べては寝て、食べては寝て、の繰り返し。
元旦は毎年よくある光景と同じように、ほとんど食べたいものが見当たらないおせち料理に手をつけ、お雑煮を食べている。
そしてなぜか6年ぶりに、本人ですらほぼ忘れかけていたこのブログを再開する、という、暴挙に出ている。
小さい頃はお年玉、という大きな誘惑があったわけだし、大人になっても20代の頃はガールフレンドと過ごす、というありきたりな、でもその時の自分にとっては大きな興奮があった。
30歳をとっくに過ぎて、今はもうワクワク感もドキドキ感もない正月に何かを求める方がバカだ、と思っている自分がいる。
そんなこんなで正月の幾日かを只々過ごしただけである。
それにしても、小さい頃はよく夢を見たものだ。
大人になったら、フェラーリを乗り回すんだ!
大人になったら、大きな家に住むんだ!
大人になったら、スタイルのいい美人と結婚するんだ!
大人になったら、有名になって新聞に載るんだ、雑誌に載るんだ!
大人になったら、
大人になったら、
たくさん夢を見た。
そして、
大人になって、たくさん失敗した。
フェラーリなんて運転したことすらない。
夢の通りにいくことは得てして少ない。
むしろ時代も劇的なスピードで変わっている。
新聞なんてとってない。
雑誌はダウンロードで、アプリで見ている。
もうここまでくると、小さい頃の夢が何だったのかも、なぜそんな夢を持っていたのかも忘れてしまっている。
お酒を飲む大人が嫌いだったし、甘いジュースをたらふく飲むのが年末年始の楽しみだった。
少し背伸びをして、普段はたくさん飲むと怒られる、炭酸ジュースを飲むくらいが幸せだった。
テレビで流れている除夜の鐘に、思いも感慨もなかったあの頃。
むしろ今は除夜の鐘を心地いいとすら思っている。
まるでブルースを聞くように。
失うものと、取り戻すもの。
失うものと、新たに得るもの。
除夜の鐘と、ブルースと。
今夜は甘めのワインでも飲んで寝ることにしよう。
そう、大人になったのだから。