辛口の大吟醸 | 北庄司酒造店 会長の独り言

北庄司酒造店 会長の独り言

 元三代目蔵主、会長による「酒蔵と趣味」のお話です♪

先日開催された大阪府酒造組合の新酒研究会での弊社の大吟醸ですが、今回は余り良い評価を戴けませんでした。

 

甘みが足りなかったのが大きな原因でした。此処何年か続けて、全国新酒鑑評会で金賞や入賞を戴いてたのは日本酒度+1前後の仕上がりでしたが、今季は+5まで上がりました。

 

米が固く麹菌が米の芯までくい込まなかったのが大きな原因と思われます。それを防ぐのに、洗米の時点で吸水率を例年より上げるべきでした。

 

麴菌のくい込みが悪かった為、澱粉の糖化が足りず、糖分が少ない故に酵母菌の働きも弱くなり、結果アルコールの出が悪く、米も充分に融けなかった、と云う循環に陥ってしまったようです。

 

此処数年、夏季の高温の所為か固い米が続いてましたが、弊社の大吟醸は安定してまずまずの良い成績を戴いてきてたが故の油断があったからか、それとも思い切って変える冒険をやり辛かったのか、今季も例年と変わらぬ吸水率で納めたのが甘かったようです。

 

酒造りの原点、麴造りが如何に重要か、思い知らされた年に成りました。

 

が此処んところ、何処も甘い大吟醸が増えている傾向なので、辛口が好みの方には買って貰い易いかも。