本日の酒蔵の作業 | 北庄司酒造店 会長の独り言

北庄司酒造店 会長の独り言

 元三代目蔵主、会長による「酒蔵と趣味」のお話です♪

本日25日(金曜日)の酒蔵の作業です。

 

朝一番、「留添え」用の酒造米「五百万石」の蒸米で、凡そ1時間掛かります。

蒸し上がる迄、麴室(こうじむろ)で、昨日「種付け」し「床揉み」をした後、山に盛って一晩保温していた麴の「切り返し」作業をします。被せてある布を取り払うと山の状態で固まってるので「切り返し機」でパラパラにほぐして麴造り用の箱に移します。

 

それが終わった頃蒸し上がった米を放冷機に通して冷ましてから仕込みタンクに放り込んで行きます。今季2本目の醪の「留添え」を済ませたら本日午前中の作業終了です。

 

(醪日数8日目、発酵順調で炭酸ガスがふつふつと涌いてます)

 

午後からは麴の手入れで、麴菌の生育状況を見ながら、「仲仕事」と云って麹菌が均一に育つように混ぜ合わせる作業を行い、最終の手入れ「仕舞仕事」は、麴菌の繁殖が進んで温度が上がって来るのを待ってから行いますが、恐らく午後6時を廻るかなと思います。


出来上がった麴を麴室から出す「出麴(でこうじ)」の作業は明日で、その後「枯らし」と云って数日掛けて麴の水分や糖化力の調整を行ってから、翌週予定している「酛造り」や「添え」の作業に使用します。

 

もう一つ、毎日欠かせない重要な仕事が「醪の分析」で、室温、品温を記録し、発酵途中のタンクの醪を採取して、アルコール分、ボウメ(日本酒度)、酸度、アミノ酸度の分析値を出し、酵母菌の日毎の状態の確認や、また最適な搾り時期の判断をしたりします。

 

  (醪日数8日目の分析値。アルコールは未だ低い)

 

来年の春、4月頃までこのような作業の繰り返しで、しぼりたて原酒、にごり酒、純米酒や吟醸酒など各種のお酒を順次造って行きます。