新世光機 Monte-S

２回目の更新です。

田口さんのコラムです。
ご覧くださいませ♪

通常は入院してくるのですが、処分品の中におり、興味から強制入院させた。
始めて目にするカメラ製造会社である。化粧箱はしっかりとしている。

蘇ったMonte-S。調べてみると新世光機が当てはまるようであるが
Monte-Sの文字は見つからなかった。が、Monte-Aは、数多くの記述があった。
アルファベットの序列からＡよりＳを冠した方が、品質が良いと思うが、現実は逆であった。
之は、あくまで同一製造元と捕らえた場合ではあるが？

クロームメッキも水彩画の様に薄く重厚感は無い。
本体はベークライト製で、個々の部品は甚だ心許ない加工精度である。
真鍮を手切りしたかの部品もあれば、旋盤を使用した部品もある。

シャッターの部品は、工作機械処理されているようです。
シャッタースピードは、減速歯車（アンクル）のみで作り出し、至って簡素でもある。
簡素である故、修理調整は難しく、お互いの力関係を崩すことが出来ないのは
砂の器の様な人間関係と同じであろうか？愛しさの募るカラクリ機械である。
無闇に分解すると現状に戻らない恐れがあり、問題部分を探し、対処療法の修理となる。
兎も角、無理の出来ない齢を重ねたカメラであることに間違いは無い。