浦和の風車(マミヤC330プロフェショナル編)
田口さんのコラム、ご覧くださいませ♪

交換レンズに取り付けてありますのはSEIKO製シャターですから無難に修理出来ますが
本体となると専門外でして、どうも、二眼レフは分解と機構に難があり、正直嫌いです。
まして、使い方となるとトホホです。最初の依頼はシャター開かず、でした。
納品後、巻き上げが一度で止まらないからと再依頼が来たのです。
専門外であると お断りしたのですが、数日後に宅配されて仕舞いました。
古くなりますと二眼レフのフィルム送り機構に不具合が生じます。
駒間だ!駒が重なると面倒な所見を
示すのです。所謂、持病ですな~ぁ。
送られて来た以上、手を入れてみる事にしたのです。定石として擬皮を剥がします。
でも、巻き上げハンドルが邪魔をして、側板が外れません。

あれやこれやと奮闘しまして、巻き上げハンドルを右側から左へと外して行ったのね!

側板を止めている6本のネジを外しましたら、側板が分離できました。
でもね!巻き上げハンドルの周りに擬皮が貼ってあります。
その下にカラクリがあれば悩むところでしたが、大きなカラクリはありませんでした。

裏蓋が開いている状態です。赤丸部の枚数計盤と枚数計中間歯車が離れていますね。

裏蓋を閉めますと枚数計盤中間歯車が枚数計盤と咬合します。
初物の場合、各々の部品の働きを確かめて行きます。この先、どうしましょうかね!

枚数計盤に取り付けてありますフィルム枚数表示盤を外してみました。
姿を表しました風車型の部品です。コニカパール等のスプリングカメラのフィルム送りはこの機構を採用しており、枚数計盤に摩耗や破損がありますと万事休すです。

周りの部品との関係を確認して外しました。両者共、ネジや軸に取り付ける部分はプラスチックです。
新しい時は面がツルツルで回転も宜しい。
仕事をし ている間の経年変化等により回転に支障が起きることがあります。
一点一点が問題なく回転をしているかを確認します。念の為、二硫化モリブデン粉を塗布しま す。

枚数計盤は、2枚の風車で構成されています。黒色の風車の外径が若干大きく出来ています。
枚数計盤係止爪が下側の風車の側面をなぞり、上側の風車を押していきますと
下側の風車の切り掛けに落ち、巻き上げが止まる様になっています。
それに伴い枚 数計が一つ進みます。レリーズをしますと
係止レバーが解除され上側の風車がバネの力で戻り、其れを繰り返すわけです。
しかるに枚数計盤の動きと係止レバー
の関係が崩れますとフィルム送りに問題が起こるのです。
良く洗浄して、摩耗や破損が無いかを確認しました。

赤矢印が拡大した枚数計送り歯車です。

枚数計送り歯車は、フィルム巻き取り室にあります枚数計送り歯車軸と直結しています。
フィルムが巻き取られますと枚数計送り歯車軸が回転して枚数計盤を動かす仕掛けです。
分解、観察したことでフィルム送りの機構を理解した次第です。

最後の点検をします。今時のスプール新ですと軸部が筒型になっておらず
巻き上げが一回転で止まりませんでした。すわ~っ。調整不良かと思っちゃい ました。
紙を巻き付けて再度試すと問題がありません。
金属製の古のスプールで試しましても問題がありませんでした。ヨッシャーと独り言です。
膝上で眠って おりました愛犬クイーポが、何事かと頭を持ち上げた次第です。
自宅に居ますと一時も離れないのですよ!困った物です。

最後にSINGLE&MULTIレバーの働きを検証しました。
SINGLE位置は、巻き上げてシャターを切ればレリーズロックされます。
MULTI位置にしますとSINGLE&MULTIレバーが常に解除さ れていますので
何度でもレリーズすることが出来ます。シャッターを手動でセットしなければなりませんが
多重撮影をする場合に使用しますね。
この機構は、
複数回レリーズされるか、されないかの違いだけなのです。
其れでは、依頼元に送り返す事にします。二眼レフを好まない事は覚えておいて下さいましね。
記事とは逸脱しますが、青山一丁目にありますNHK文化センターから
カメラ修理講師のオファーが来たのです。お世話になっている方の要望もあり、受けることにしました。
詳細な面は、之から詰めて参ります。
隠居人 田口由明