ぎょっとするんだけど、
大学を卒業して20年以上たってるってことに。
当たり前だと言えば当たり前。
小学校や中学校ははるか昔の話なのはわかるんだけど、
大学卒業はついこの前みたいな感覚だったから、
うわ、今年で24年も経つんだと思うとぎょっとする。
だから、当時の同級生が亡くなってからは、
27年目になるんだ。
高校2年と3年で同じクラスで、
そこから大学も同じって子は彼だけだったな。
高校は2年間も同じクラスだったのに、ろくに会話もしなかったし、
特に仲が良かったわけではないけれど、
当時から印象深い子だった。
彼は双子で二人とも同じ高校へ来ていたので、
双子の片割れとは、私は1年生で同じクラスだった。
そしてもう一人の彼は2年と3年で同じクラスになった。
1年で同じクラスだった二郎(仮名)君は健康状態は良好だったが、
2年と3年で同じクラスだった三郎(仮名)君は心臓に疾患を持っていた。
そのため、体育実技はほとんど参加できていなかった。
授業で長距離走をやっているときは、
羨ましく思ってしまったことがある。
彼もそう思われたくなかっただろうと思う。
シャムの双子の話?
いや、萩尾望都さんの半神という話に出てくる双子。
あれは結合双生児の話なんだけれど、
双子で心臓を共有しており、どちらか一方を選ばなきゃいけないという。
選ばれなかった子も、選ばれた子も決して幸せにはなれない悲劇、だったかな。
三郎君の心臓も完全ではなかったのかもしれない。
学校では常にしんどそうだった。
よく寝ていた。
授業中の居眠りは高校生には珍しいことではないので、
よく寝るなぁとしか思っていなかったけれど、
たぶん、体調的につらかったのかもしれない。
同情されることを嫌って、
憎まれ口ばかりたたいてた。
人づてに入院してるらしいと聞いた。
それほど親しいわけではなかったので、お見舞いに行くこともなかった。
その話を聞いて、しばらくして亡くなったことを知った。
大学の掲示板に張り出されていた。
あの時のショックはよく覚えている。
親戚家族以外では初めての身近な死だった。
当時は19歳。
今でも彼を思い出すときは19歳の彼だ。
もう同級生というより、
親の立場の方が近くなった。
子どもを亡くす親の気持ちは、
想像すらしたくない。
親御さんの「彼を忘れないで欲しい」という言葉を毎年かみしめる。
彼のこと、彼の死を思い出しながら、
生についても考える。
親御さんは、ただ、生きていて欲しかったんだと思う。
また、体の辛さから解放してあげたかったのもあると思う。
彼も健康な体で生きていたかったんだと思う。
彼の魂はどうしてるんだろう。
もう、他の誰かになって生まれ変わっているのかな。
だとしても、あの時の彼はそのまま記憶の中にいる。
2月はそういう日。