君の手をとっていく | アバンギャルドで行こうよ

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だいちゃんはあはあ

お風呂でウトウトしてたら何書くか忘れてしまいいつも以上に纏まらない日記に・・・そんな感じで植物映画本編の感想です。ネタバレになると思いますのでご注意くださいー。おなにー映画とか純愛(笑)とかそういう風にdisっては無いけど手放しで撫で撫でもしてないかもしれません。











原作者の有川浩さんが樹が岩田くんで良かった、と言った理由が映画を観て理解できました。そして、三木監督ががんちゃんを「ずっと見ていたいと思わせる何かがある人」と言った理由も。日下部樹という男の子は、弱くてずるくて臆病で自分がどこへ向かえばいいのかも分かっていないような、でもどこかへ向かいたくて足掻いているような、そんなどうしようもない男なのに、その弱さが引力になっている。それはがんちゃんのファンタジックな存在感とは裏腹の、ふいにピョンとラインを越えてどこかへ消えてしまいそうな佇まいだったり、柔らかい口調が鎧のように思える水分の多い瞳だったり。それは芝居で演出されたものではなくがんちゃんの本質のような気がして、良くも悪くも、樹はがんちゃんにぴったりの役だったんだなあと思いました。

 

ラスト、明るいキッチンの中で楽し気に、でも出会った頃よりもずっとお互いをまっすぐ見ながら一緒に料理をする樹とさやかがとてもかわいくて幸せだった。きっと、左手の薬指に指輪をはめた樹は自身の弱さを認める強さも、大切な人をきちんと大切にできる強さも手にしたんだなあと思ったら、さやかを傷つけることがわかっていながら行先も告げずアパートを出て行った時の樹が愛おしくなって。あの、誕生日ケーキに喜ぶさやかを後ろからハグしながらも暗い目をして必死に何かに耐えてるようだった樹は、もういないのかなって。でも、さやかにふと視線を送る樹の睫が繊細なままで、やっぱり樹はこれからも何かに揺れながら歩いていくのかなあと思いました。三木監督が、とにかく2人をきれいに撮ってくれた、って充希ちゃんが言ってたけど、確かに2人のシーン、特に樹を拾った翌朝に樹がオムレツを作ってるシーンとか、がんちゃんなんて女優さんより綺麗に撮ってもらっていますw何せ後光が差してますからw

 

映像として一番切なくてどうしようもなくなったのは樹の消えた家で、さやかが悲しい泣き声をあげながら膝を落としてテーブルに突っ伏すように崩れ落ちるシーン。引きで撮ったさやかの全身から発せられる絶望と暗い室内の画のざらりとした感触に、昨日まで一緒に食卓を囲んで笑い合っていて、枕を並べて一緒のベッドで眠って体温を分け合っていた存在が失われてしまった現実ただそのままを無感情で突きつけられたみたいで苦しかった。樹のことは何も知らされておらず、このままずっといられないかもしれないという不安を持ち抱きながらも身を寄せ合っていた多少の薄暗さとは少し違うその虚無が、この映画の谷底だったのかもしれない。そのあと、交番で「これまでのことって一体なんだったんだろう」って泣いてしまうさやかがとても悲しかった。

 

しかしあれです、最大の注目点は何よりがんちゃんのおっぱいの谷間ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ アですすみません。ほんとくだらないヲタですみません。何でがんちゃんあんな細いのにしっかり谷間ができるんだろうね・・・とか真剣に考えちゃってすみません。樹の大事なシーンなのにずっと谷間と首筋に大注目ですみません。またこの時の樹のかすれ気味の声と、ちょっと明るい柄の布団生地ががんちゃんの肌のつややかさを一層際立たせて(ry これ、引き金シーンの次にいきなりやってくるのでお見逃しなく><

 

キッスシーンは再会後のやつがいいですね!樹がどうというよりさやかの手の回し方が・・・!///><///樹の両肘をまず両手でねっとりと包み、その後、二の腕をなでまわしながら背中とかにまわしていくんですよ・・・さやかが幼な顔だけにえっちい・・・!あ、あと樹の植物オタクっぷりはとにかくすんごい濃ゆいっつかあれはもう宗教の域だろうwwwノビルやらフキやらつくしやらwそんな雑草料理を食べさせられ続けたさやかちゃんまんまと信者に><春には野花が咲いてるとこまでサイクリングに連れてって花冠作ってあげて写真たくさん撮って出て行く時の置手紙にその写真入れといてってさやかが待ち続けたくなるようなことしちゃう樹・・・おま・・・でも野草料理のレシピをきれいに書いたノートを置いていった樹が一番ずるいと思った。さやかは樹の料理ができるところや優しい笑顔にひかれていたと思うけど、樹はさやかが自分の好きな野草を同じように好きになってくれるその素直さに惹かれていたのかな。出て行く前日に手作りケーキでさやかの誕生日を祝ったり、恐らくベッドも共にしたりして(出て行く前、寝ているさやかを樹がそっと見るシーンがあったけど、さやかの枕の横にもう1つ枕が置かれていて、人1人寝られるくらいのスペースが空いていた)、あの家での生活に実は樹の方が執着していたと思う。

 

他のキャストもみんな素敵だった!特に竹沢さんはいい人だったー。彼のおかげで樹とさやかの関係は恋人同士へと発展したわけだしね。千秋もかわいいの。さやかと一緒にお弁当食べたりするんだおむふふ。竹沢さんを華道展に誘ってたけど好きなのかな?w片思い乙wさやかは潔癖症気味なのか、お客さんや先輩のちょっとした行動に対して、さやかどうした・・・あの日か・・・?とおっさんみたいな事言いたくなるような言動もちょいちょいありwでも基本的に自分の感情に素直で、樹の好きなものを自分も好きになろうとしてくれるんだよね^^恋愛映画っていうより植物映画っていう気持ちが私には強くて、それは土手に生えてる植物がイキイキしてたからっていうのもあるし、この映画がストーリーではなくて四季の草花で繋がれているように感じたから。

 

そして話は戻るのだけど、さやかのもとに戻ってきた樹。あんな風に強い眼差しでさやかを見られるようになるまで、何を感じながら、何を失って何を得てどんな風に過ごしてきたんだろう。あの後の二人の事よりも、今は越えてきた1年間を思う。ガツンと面白かった!楽しかった!って言いたくなるような映画じゃなくて、でも終わった後きゅんきゅんと、胸の辺りがむずがゆくなるような美しさとやさしさを含んだ映画でした。

 

帰りに「やさしさで溢れるように」を聴いていたんですが、もうイントロでぶわっと鳥肌が立って、この歌が映画そのものだという事を実感しました。「やさしさで溢れるように」が特別な曲になったよ。そういえば映画の最後、クレジットが現れてがんちゃんの名前が出てきた途端、それまで静かだった隣に座っていた女の子がいきなり嗚咽を漏らし始めた。そんな風にこの映画を待っていた人が、きっとたくさんいるんだろうという事が自分のことでもないのに嬉しいです。

 

は!忘れるとこだったけどがんちゃんのお歌(ハッピーバースデー)!がん様のお歌が聞けるのは植物図鑑だけ!