JJ・エイブラムスは天才だわ~。
と、タイトルの小ネタをはさみつつ、
久しぶりの一人ナイトレに行って来ました…が、その前に。
絶不調だったディレイラーを、新型に載せ替えました。
購入5年目にして、クランクからブレーキに至るまで、
コンポーネント総取っ替えの大盤振る舞い。
入れたのは、先日発売されたばかりの、アルテグラ6800シリーズ。
…ホントは、シート・ポストにバッテリーを内蔵できる、
新型アルテDi2(電動)を入れたかったけど、
ケーブルをフレームの中に通せないタイプには付けられないんですって~。
フレーム買い換えるほどお金は無いし、
555も、実は凄く気に入ってるし、(乗り込むにつれ良さが骨身に染みる)、
そんじゃま、伝統のワイヤー式でありながらも最新型という組み合わせも、
温故知新で、ロマンチックではないの?と言うことで。
6800シリーズは、リアが11速化された上に、最大32Tと言うMTBのような大ギアが付く、
ワイド・レシオな設定です。
(リア・ディレイラーは、トリプル用とほぼ同じ)
コンパクト・クランクと組み合わせると、
なんと、トリプル・クランク以上にワイドなギア比をカバーすると言う、
驚異の2枚クランクなのですよ!
新型アルテの、フロント34×リア32は、
トリプル・クランクのフロント30×リア27より、まだ軽いと言う、
山間地に暮らす、メタボな貧脚ライダーに打って付けな設定!
…つ~か、5年も乗ってんのに、
ギアをワイドにしないと走れないと言う、乗り手の進歩の無さと言うか、
逆に、年々退化してんじゃね~の?と言う情けなさを感じますけど。
とまぁ、そんな軽いギアを試したいなら、そりゃぁ、舞台は地蔵峠でしょう!と、
まだ体重も減っちゃいないのに、ナイト地蔵に出かけてしまったのですが、
…これが、肉体的、季節的、心霊的に、大失敗の巻き…なのでした。
まずは、新型アルテの操作感ですが、
も~、カチッカチッと精緻に決まるシフト・フィーリングは最高!
105トリプル(5600と5700のミックス)で感じてた、
ワイヤーのたわみ感というか、ぬめっとした不確か感が完全に消えて、
実に心地よくシフトしてくれます。
…「女房とコンポは、新しい方が良い」って格言を広めたいですな。
で、注目のワイド・レシオなギアですが、
何せ、トリプル時代よりワイドになってるから、
「地蔵の最大勾配まで、2~3枚、ギアを残して上れるんじゃね?」と
タカをくくって走ってたのですが、
地蔵峠に備えて脚を貯めるつもりで、軽いギアを選んでたら、
ななんと!、まだ地蔵峠の登り口にもたどり着けていない、
国道361号の途中で、全部使い切っちゃったのでした!
おいおい、ギア、足りね~し!!
…デブった体重と、怠けてた脚力が、最新技術を凌駕してしまったんですなぁ。
この段階で、止めて引き返せばいいのに、
そこが、頑固者の性(さが)で、登ると決めたら意地でも!って思っちゃうのですよね。
で、地蔵峠の入り口到着。
この時、足りないギアと、無い脚力への不安に加えて、
スピリチュアルな意味でも、ちょ~っと嫌ぁ~な予感があったのです。
…と言うのも、先日、2日間、店を連休して、
店内の模様替えを、私1人でやってたのですが、
その間、『人志松本のゾッとする話』というのを流しっぱなしに聴きながら仕事してたんですけど、
これって、お笑いもはさみつつ、基本は、怪談話なんですよねぇ。
怪談話に影響されたせいか、な~んか、ここ数日、
今まで感じたことのない不気味な感じが周囲に漂っていて、
(先々週には、映画館でゾンビ映画も見てたしな~)
こんな気分で、木曽屈指の心霊スポットに、夜の夜中に行くって言うのも
ど~なんだろ?と思って居たのですよ。
で、えっちらおっちら、虎の子の32Tにすがりながら登って行くと、
ペースを保って登る分には、何とか登れるだけの脚もあって、
途中、ヒザに痛みが出つつも、止まるコトなく走れました。
無論、息は絶え絶え、ゼ~ゼ~言いながら、
「地蔵峠って、こんなにキツかったっけ?」と愚痴をタレつつ、
頂上付近まで来たら、急に周囲の気温が変わりました。
標高が高いんだから、寒くなりそうなもんなのに、
急に1~2℃、温度が上がったかのように、モワ~ッとして来て、
若干、湿気も増した感じ。
山頂付近は、木が低くなって、路面に日が差すトコロがあるので、
地熱が残ってるのだろう…と思って、
到着したお地蔵さんの前で一旦停止。
下りに備えてウィンドブレーカーを着ようとしたのですけど、
全身から汗が出て、めがねも曇るほどホカホカなのに、
なぜか、体の芯から寒気がわき起こり、全身、鳥肌が立ちました。
え?、何この感じ?
毎回、ナイト地蔵の頂上は不気味なんですけど、
昨夜は特別に嫌ぁ~な感じで、
登坂の証拠写真を、慌ただしく撮影して、すぐにその場を離れました。
で、撮った写真がこちら。
…なんかモヤモヤしたもんが写ってんですけど、
現場に霧なんか無かったんで、私の汗なのか、レンズの汚れなのか、何なのか…。
ともあれ、凄く気味が悪かったんで、早々に開田へ下りました。
さて、下りでのアルテグラの使い心地ですが、
ブレーキの剛性と制動力が格段に高くなっているので、
下りでスピードを出しても不安感がありません。
オートバイでサーキットを走ってた時に学びましたけど、
速く走る為には、早く止まれるコトが最も重要なんですよ。
例えば、時速50kmまで減速しないと曲がれないコーナーがあるとします。
時速100km出てたとすると、コーナーに入るまでにマイナス50km、
スピードを落とさなきゃなりません。
100km/h→50km/hに減速するのに、100mかかる人と、50mで減速できる人とでは、
50mで減速できる人の方がサーキットのラップタイムは速くなりますでしょ?
自転車のブレーキ性能にも同じコトが言えます。
効きの甘いブレーキだと、コーナーの手前20mぐらいから
ジワジワとブレーキをかけて行かないと減速できませんが、
ガツッと効いてくれるブレーキなら、
手前10mまでブレーキを遅らせても、余裕で減速できるので、
ハイスピードを維持したまま下るコトができます。
アルテ6800のブレーキは、その点で実に秀逸!
ディスク・ブレーキにも負けないぐらい、パワフルな制動力です。
それでいて、タイヤのグリップ限界を超えてしまうような、
極端に急激な効き方(カックン・ブレーキ)はしません。
このバランスの良さが、さすがの老舗ですね~。
余談…カックン・ブレーキは、闇雲に制動力だけ強めたがる、
素人カスタムによく現れる症状で、
ちょっとの力で、ガツッとブレーキがかかっちゃうので、
すぐスリップしちゃって、逆にコントロールができなくなるのです。
ブレーキに関しては、効き過ぎず、効かな過ぎない、この微妙なサジ加減が、
メーカーの腕の見せ所と言ってもいいですね。
…と、頂上のお化けにビビって下った開田で、補給を取って一息ついて、
(地蔵峠よりも気温が5℃くらい寒かった)
時間も22:00を回ってたので、禁断の新地蔵トンネルへ向かいました。
…お化け、付いて来てるかな?
国道361号は、街路灯で意外と明るい。
で、クルマも少なかったので、
「なぜ、新地蔵トンネルを通行禁止にしたのか?」のご説明です。
このトンネル、出入り口から300~400mに渡って、
路面に、滑り止めの縦溝が掘られています。
この溝が、実にやっかいで、
23c以下のタイヤでは、溝にハマってしまうギリギリの幅があって、
走行中に溝を踏むと、ハンドルを取られて、そりゃもう、超怖いんですってば。
で、溝を避けるには手段は2つ。
一つは、左端の歩道を走るコトですが、
この歩道、トンネル整備用のキャットウォークなので、
しっかりとした広さが確保されてないんです。
上を走ると、トンネル側面にヘルメットを当てそうな狭さがあります。
もう一つは、側線と縦溝との間に、わずかにあるフラットな部分を走るコト。
ツール・ド・フランス最終日、パリ・シャンゼリゼ大通りには、
路肩に、石畳のないフラットな部分があって、
逃げた選手が、路肩にぴったり張り付いて走ってたりしますけど、
このトンネルも、“シャンゼリゼ走り”のように抜ければ、
溝を踏まずに走れます。
幅は、30~40cmありますんで、
ある程度、速度に載せれば問題なく抜けられますけど、
3本ローラーで落っこちちゃうようだと、ちょっと厳しいかも?。
で、このトンネルの性悪な点は、
この邪魔っ気な縦溝エリアに限り、センターライン上にポールが立ってるんですよ!
なので、後ろから来るクルマも、自転車を避けようにも、避けられないんです。
そんなワケで、道に不慣れな方が、
このトンネルを走るのは、実はとっても危険なので、
イナーメ・ライドなどでは、原則として、新地蔵トンネルは通行禁止にしています。
トンネルを抜ければ、後は、ひたすら長い下りです。
新型アルテのブレーキ性能に気をよくして、
ほとんどノー・ブレーキで下り切ってしまいましたが、
サイコンを付けて来なかったので、スピードは計測できませんでした。
70km/hぐらいは出てたかな?
で、帰宅したのは22:45。
脚はもう完全に売り切れて、太ももはパンパン。
疲れ過ぎて、逆に寝付けないほどヘタバリましたとさ。
おしまい。