2024年4月21日

モーツアルト愛好会第533回例会のコンサートが14時から自由学園明日館講堂があるので、JR目白駅下車しました。

 

線路脇の道を池袋方面に歩いていきました。

ツツジが見えます。

 

 

こんな花も目につきました。

 

一軒のお家の側に立派なジャスミンが満開の花を咲かせているのを見つけて写真を撮り、

 

顔を近づけて香りをかいでいたらジャスミンを育てている方なのでしょうか、50代の女性が「ありがとう」と言って声をかけてきました。大切にしているジャスミンを愛でてくれていると思ったのでしょうか。私は一部始終を見られていたのが少し気恥しく思いましたが、悪い気はせず、笑顔で会釈しながら先を進みました。

初めての道なので少し迷いましたが10分程で明日館に着きました。

会場は古い建物で、ベンチのような長椅子席でした。

座り心地が悪く、ふとバイロイト祝祭劇場のことを思い出しました。

もちろんバイロイト祝祭劇場に入ったことはありませんが、行った人の話では観覧席が小さな木造の椅子で結構座り心地が良く無いと言っていました。

しかも4時間とか5時間かけてワーグナーの楽劇を聴くのは苦行と言える鑑賞だったとも言っています。

今日はワーグナーほどでなく2時間ほどのコンサートですから我慢はできそうです。

今日の出演者はヴァイオリンの毛利文香さん、

 

ヴィオラの田原綾子さん、

 

ピアノの實川風さんの3人です。

3人ともコンクールの受賞歴を見てもすばらしく、これからが期待される若手演奏家です。

 

今日は各楽器の音色の魅力と、掛け合わされるアンサンブルの楽しさを味わうこととなります。

最初はミヒャエル・ハイドンのヴァイオリンとビオラのための二重奏曲MH.335です。

ハイドンがザルツブルク大司教から6曲のヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲を命じられたうちの第1番目の作品です。

3楽章の作品で、ヴァイオリンが主でヴィオラは付け足しのような感じで、二つの楽器のアンサンブルの面白みはあまり感じられませんでした。

ハイドンは6曲のうち4曲まで書くと病床に付してしまい、残りの2曲は友人であったモーツアルトが彼の作風を似せて代りに作曲しています。

 

それが次に演奏されたモーツアルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲K.424です。

モーツアルトはピアノの名手でしたが、ヴィオラも好きでよく弾いていたということです。

なのでこの作品はヴァイオリンとヴィオラが対等な感じの曲になっています。

明らかにモーツアルトの二重奏曲の方が深みがあり聴いていて二つの楽器の絡み合いが楽しいです。

K.423の方がより親しまれているのか、ユーチューブでk.424を探しても見つけるのが難しかったです。

ヨーゼフ・スークのヴァイオリンとシラン・スカンポのヴィオラで。

 

前半最後はフンメルのヴィオラとピアノのための幻想曲Op.94です。

ハンガリーで生まれたフンメルは当時ドイツ・オーストリアではベートーヴェンと並ぶ名声を得ていて、モーツアルトの下で2年間修業を受けています。

なのでこの作品はモーツアルトの旋律が借用されていて、ドンジョバンニのアリアなどが生き生きとしたリズムで使われていて、なかなかドラマチックな小品となっています。

 

15分の休憩の時、トイレは会場に付属してないので一旦会場を出て別のトイレのある場所まで行かないといけません。こんな経験は初めてです。

 

後半第1曲目はモーツアルトのヴァイオリンとピアノのためのソナタk379です。

モーツァルトはこのソナタを『ヴァイオリン伴奏付きのピアノソナタ』と書いており、作品を通じてピアノのメロディーが主導権を握っていますが、ヴァイオリンとの対等な掛け合いも多く、後の時代のヴァイオリンソナタの形に徐々に近づいていることが分かる作品です。

比較て知られた作品で耳にしたメロディも含まれていると思います。

 

音が悪いのですがアンネ・ゾフィー・ムッターのヴァイオリンとランバート・オーキスのピアノで聴いてみてください

 

いい曲だと思いません?

 

次はヨハン・クリスチャン・バッハのクラヴィーア・ソナタOp.5-2第1楽章

20歳年上のクリスチャン・バッハはモーツアルトを可愛がっており、幼いモーツアルトもクリスチャン・バッハになついて彼の音楽の影響を受けています。

この曲がモーツアルトの作品を彷彿とさせるのは、逆にモーツアルトがクリスチャン・バッハから多大な影響を受けているというこのです。

実際モーツアルトはこのソナタを含む3つのソナタをオーケストラとクラヴィーアのための協奏曲として編曲しています。

 

最後は3人で演奏したモーツァルトのピアノ三重奏曲ケーゲルシュタット・トリオk498です。

愛称のケーゲルシュタット・トリオの由来は現在のボーリングに似たケーゲルンと言う室内競技をしながら作曲した曲だからと言われています。

クラリネット三重奏曲です。

モーツァルトの友人にアントン・シュタットラーと言うクラリネットの名手がいて、モーツアルトはクラリネット五重奏曲k581やクラリネット協奏曲k622のような名曲を残しています。

この三重奏曲もクラリネット、ビオラ、ピアノと言う珍しい編成の曲です。

本来はこんな感じです。

 

 

しかし今日はクラリネットの代わりにバイオリンでの演奏となります。

音の近い弦楽器同士のアンサンブルで原曲とは違った味わいが出ていました。

結構演奏会で取り上げられることが多いです。

 

クラリネットの原曲版とヴァイオリン版を聴き比べるのも一興ですね。

 

アンコールは魔笛のアリアをヴァイオリンとヴィオラ、ピアノのアンサンブル用に編曲した作品でした。

パパゲーノのアリアのメロディーが印象的で、うきうきした気持ちにさせてくれました。

 

最後に今日の演奏者の挨拶やみおくりの後、

散会となりました。