新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(第一弾)
>新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、経済産業省の要請に応じ、消毒方法の有効性評価を実施しています。(4月15日ニュースリリース)
>昨日5月21日、有識者による検討委員会(第3回)が開催され、
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- アルキルグリコシド(0.1%以上)
- アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
>の界面活性剤5種が新型コロナウイルスに対して有効と判断されました。
>これらの界面活性剤を使った身近な物の消毒について、参考となるポスターを作成しましたので、御活用ください。
>なお、試験結果等については、関連リンクにあります独立行政法人製品評価技術基盤機構サイトに、検討委員会資料として公表しておりますので、あわせてご覧ください。
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522009/20200522009.html
薬学知識のない人間が原液を買うなよ?
0.1〜0.05%の有効濃度を計って使えないなら買うな。
「少しぐらい濃くても良く効きそうだしいいじゃん!」みたいな考えで買う奴は死ぬ可能性も覚悟するであります。
アルコールは70%など高濃度にもかかわらず、これらが何でこんな超低濃度で取り扱うのか、そんなことぐらいは容易に予想して欲しいでありますが。
先日のブログにも書いたでありましょう。
化学的作用の強いものは、同時に化学的影響力も強く危険性が高いと。
論文を詳しく読み解く気がないなら、大人しく台所用洗剤を薄めて使うか、最初から適量入っている商品を選ぶでありますよ。
●塩化ベンザルコニウム
今回の要注意案件。
新型コロナに効果がないと言われていたので原液などもドラッグストア店頭に放置され、こちらも『じゃあ特に説明要らんでありますな』とか思ってたら寝耳に水。
塩化ベンザルコニウムの毒性、副作用、中毒について
https://www.kenei-pharm.com/medical/countermeasure/toxicity/12.php
薬局で買える素人が取り扱うと普通に死ぬ薬品ナンバー1。
0.1%濃度以上で毒性や副作用を発揮するであります。
皮膚刺激が少なくエタノールとの相性抜群なので除菌シートなどによく使われているでありますが、逆に言うと『皮膚の消毒以外がほとんど禁忌』という薬剤であります。
金属に使えば腐食し、その上消毒効果も失う。それに皮膚と言っても創傷部位など皮膚下や粘膜に用いるのは危険であります。
上記のリンクの誤使用例にもあるでありますが、10%濃度の綿を貼った箇所が皮膚壊死したであります。0.1%であっても長期間・広範囲に用いれば、全身吸収により筋脱力・筋無力症もあり得るでありますよ。
きちんと内容量を守られて含有された商品を使うのはいいでありますが、0.05%を確実に計れるでありますか?
原液だったら一口で人が死ぬレベルの劇物でありますよ?徘徊老人や幼児がいたら絶対避けるべき溶剤であります。
っていうか自殺目的で服用する人がいるんだからどれだけヤベーかわかれ。
ちなみに自分なら少なくとも塩化ベンザルコニウムで自殺はしないでありますな。なかなか死ねない窒息死を味わいたいの?
シートタイプは多いのにスプレータイプが少ないのも、噴霧した成分の吸入によりアレルギー反応が出たりする為でありますよ。
あくまでも!
調整された塩化ベンザルコニウムが含まれた除菌シートを、皮膚の消毒だけに使うのであります!
そういうの100均やらでも安くいっぱい売ってるから!な!
金属部がないなら一応、物の拭き取りとかにも使えるでありますが・・・。
大体、塩化ベンザルコニウムは水道水で希釈できないであります。
より正確に言えば、逆性石鹸は水道水で希釈すると各種イオンと配合禁忌が多いのでありますよ。
水道水にはFe2+、Ca2+、Mg2+などが含まれるので、まず殺菌力が低下するであります。
おまけに水道水の場合、わずかながら微生物の残留が起きるので、24時間で廃棄せねばならんであります。
だからと言ってミネラルウォーターならいいとかではないでありますよ?塩基含量が多くなるのでより調整が難しいであります。
ちゃんと希釈する為には滅菌精製水が必要になるでありますが、用意できるでありますか?
https://www.kenei-pharm.com/medical/countermeasure/faq/b10.php
おまけに塩化ベンザルコニウム含有液の場合、塩化ベンザルコニウムは不揮発性で常温では気化しないでありますが、薄めた水は揮発するであります。そうすると塩化ベンザルコニウムのvol%が上昇してしまう為、0.1%以下を保つのが難しくなるのであります。
総じて希釈、保管、用法、取り扱いと全てにおいて厳重な管理が必要な溶剤なのであります。
っていうか変な濃度で使いまくってどこかで耐性菌でも出てきたら、新型コロナと同時に新型細菌の同時併発の地獄絵図が出来上がるでありますよ。
だから転売ヤー共。
てめーらが買い占めても、売るどころか適切な状態維持ができずに無駄に変容崩壊して全て捨てることになるだけでありますよ。
医療関係者ならそんな管理状態の怪しいものには手を出さないし、すでにエタノール転売から学んで先手は打っているであります。
それ以前にそのうち無知なやつが買って事故を起こして、それで売れなくなって終わりでありますな。不良在庫一直線。
テレビやメディアが危険性を報道しても終わりでありましょう。
他のはほとんどただの洗剤の成分でありますが、一応解説しとくでありますよ。
●直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
通称、LAS(名前が長すぎるのでもっぱらこっちが呼称)
これ単体で手に入れる方が大変でありますから、恐らくは間違いは起きないと思うでありますが…。
これは台所用洗剤や洗濯洗剤によく使われる陰イオン性界面活性剤で、歴史としては割と古いものであります。
有名どころだと「ママレモン」とかでありますかね。
え?知らない?昭和生まれの人に聞いたら絶対知ってるでありますよ。
今の洗剤だと花王なら『キュキュット』に使われているであります。キュキュットは100均でも買えるでありますよ。
まあこいつは歴史が長いだけあって、色々なひと悶着ふた悶着があったでありますが…。
https://jsda.org/w/03_shiki/senzaimemo_02.html
●アルキルグルコシド
天然素材で作られた成分で、手肌に優しいという触れ込みでありますが
これを利用した洗剤は『かんたんマイペット』など、使用後は流水でよく手を洗う事が推奨される
手指消毒には不向きなものなので注意であります。
イメージ先行の人とか特に注意するでありますよ。
国内で使われ始めたのは1989年とLASと比べるとかなり最近のデビューであります。
これも単体で手に入れる方が難しいでありますな。
他の界面活性剤より比較的安全…て書くと『安全』しか目に入らない人がいるので言いたくない素材ナンバー1。
●アルキルアミンオキシド
4級アンモニウムイオン並の極性をもつ、弱塩基性両性イオン型界面活性剤。
超泡性があり台所洗剤だけでなくシャンプーなどにも使われているであります。
人体への危険性が少ないので重宝されているであります…『超泡』だけに。今すぐ忘れろ。
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://jsda.org/w/01_katud/jsda/jsda_AO_20100
泡調整剤として色んな洗剤に入ってるであります。洗浄目的で泡立つならほとんどこれ。
●ポリオキシエチレンアルキルエーテル
舌を噛みそうな名前なので通称AE。
非イオン性界面活性剤。非イオン性界面活性剤は油脂汚れの分解を得意とする洗浄成分であります。
低起泡で生分解性(微生物によって分解できる)なので環境にも優しく、最近は衣類用洗濯洗剤にすすぎ一回とかの触れ込みで使われているであります。
赤ちゃん用の洗濯洗剤に使われる程度には肌に優しいが、イメージ先行の人には『合成界面活性剤』という響きが気になるそうであります。
もっとも天然界面活性剤だろうが有害なものは有害だし、市販品のほとんどは合成界面活性剤でありますな。
まとめ
塩化ベンザルコニウムの"原液"を買うのだけは絶対やめるであります。
とりあえず塩化ベンザルコニウムが有効ならば、含有した除菌シートを選べばいいでありますよ。
界面活性剤は前から言ってるように台所用洗剤を薄めて使えばいいのであります。
▼新型コロナウイルスについては、下記の記事も参考にして下さいであります▼
https://ameblo.jp/kishimen-arcade/entry-12591097817.html
https://ameblo.jp/kishimen-arcade/entry-12589870686.html
https://ameblo.jp/kishimen-arcade/entry-12592067016.html
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