ドラゴンクエスト5で主人公はグランバニア国王に即位します。

しかし、宴で皆が眠りこけている隙に

妻(ここではビアンカに統一します)が誘拐されてしまいます。

ジャミの目的は主人公を抹殺した後、国王になりすますことでした。

 

しかし、変なことです。

だったら主人公を誘拐すればいいではありませんか。

人質を取っておびき出すという回りくどい手段を選ぶ必要は何らありません。

 

それにおびき出したいなら置き手紙を残せばいいのです。

結果として大臣の部屋にあった空飛ぶ靴を履いたからデモンズタワーに飛んで行ったのですが、偶然に過ぎません。

掃除をしに部屋に入った侍従が発見して履いてしまうのが最もありそうなことです。

どうして魔物の計略はこれほど非合理的なんでしょうね。

 

そこで『小説ドラゴンクエスト5』を参照してみましょう。

 

ジャミのねらいはビアンカではなく、双子の子どもの方です。

ジャミは事前に侍女に扮したスパイを送り込んで手引きをさせています。

しかし、実行犯がビアンカの寝室に襲来したとき

異変を感じた仲間モンスターが駆け付けます。

とっさにスライムとドラキーが布にくるまって双子を装おうと

実行犯は間違えてさらってしまいます。

 

しかし、ビアンカは本物の双子がさらわれたと勘違いしたため

侍女のふりをして実行犯に付いて行ってしまいました。

デモンズタワーに到着すると、スライムとドラキーは脱出します。

結果としてビアンカだけがデモンズタワーで

捕らわれの身となってしまいました。

 

つまり、作戦は失敗に終わったわけです。

ジャミは部下の失態に激怒します。

 

ゲームのストーリーとはかなり違いますが、

原作の変な所に整合性を取るのも小説家の腕の見せ所でしょう。

 

そんなアイデアを存分に紹介した本です。

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ドラゴンクエスト4でエンドールの武術大会が終わって

サントハイムの城に戻ると住人が忽然と姿を消しています。

しかし、エンディングでアリーナたちは国王に対面しています。

城の住人はどこに行って、いつ戻って来たのか、

ゲーム中では全く語られませんが、説明が欲しいところですね。

 

そこで二次創作を参照しましょう。

 

小説では国王が予知夢でエスタークが眠っている場所を突き止めます。

王はさらに深く封じ込めるのだと皆に叫び、

城中の者がキメラの翼をかき集めて目的地へ飛び立とうとします。

水晶球を通じてその模様を見ていたデスピサロは

ありったけの力を水晶球に送り込み、

王と民の飛行を阻止しようとします。

その衝撃でサントハイムの住人は次元の狭間に閉じ込められてしまいます。

最後にデスピサロを倒すと住人も解放されるというわけです。

 

ゲームブックでは具体的に描写されています。

サントハイムの住人はデスパレスに監禁されています。

勇者たちはデスパレスに乗り込んで、偶然それを知ることになります。

そのときエスタークが眠っている場所を発見したというニュースが飛び込み、

デスピサロと主な部下はアッテムトに向かいます。

そうして城の守備が手薄になったところで住人は反乱を起こし、

デスパレスを陥落させます。

 

2つともゲームで描き切れなかったシーンを補完しているようです。

 

これは私の推論ですが、

当初はゲーム内でもサントハイムの住人の行方に関するエピソードがあったけど、

容量不足でカットせざるをえなかったのではないでしょうか。

 

ゲームなら容量の限界があっても想像力は無限です。

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ドラゴンクエスト1・2で勇者ロトは伝説上の人物です。

ドラクエ3のラストシーンで主人公が勇者ロトの称号を授与され、

ロトの正体が明かされたときは感動ものでした。

 

しかし、その後ロトの姿を見た者はいないとのことです。

その理由はゲーム内で特に語られていません。

なぜ失踪する必要があるのでしょうか?

 

『小説ドラゴンクエスト3』では

絶妙なオリジナル設定を加えて説明しています。

 

アレル(主人公)の仲間に魔法使いリザがいます。

リザは生後まもなくロマリアの王都に捨てられ、

魔道士に拾われて育ちました。

アレルと意気投合してバラモスを倒す旅に加わったのですが、

旅の途中で生き別れになった姉がいること、

姉のチコはバラモスの配下であることを知ってしまいます。

 

一行がアレフガルドに渡ると

オルテガが魔物に変身したチコと戦っている場面に遭遇し、

オルテガの最期を看取ります。

リザは姉がオルテガの命を奪ったことに負い目を感じ、

ゾーマとの最終決戦の後、人知れず姿を消してしまいます。

アレルはリザの行方を追って旅に出たというわけです。

 

私は初めて読んだとき何という名案だと感激したものです。

ゲームなら理由がないこともノベライズなら理由を作るわけですね。

 

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