カイは、朝と夕方の2回、ドッグフードを食べる。
あまりガツガツした食べ方ではないけれど、最後はお皿をきれいに舐めて、
食べ終わると「もっと欲しいよ~!」とばかりに、わたし達の顔を見上げるのが常だった。
ところが最近、餌を残すようになった。
これまでと特に変わった様子もなく、とても元気なのだが、
食いつきもあまりよくなくて、少々気になっていた。
でも、ブリーダーさんから以前、犬は自分のからだに合わせて食べる量を調節すること、
カイの母親の桜姫は特にその傾向が強いのか、餌を残すことがしばしばあることを伺っていたので、
あまり心配はせずに、餌の量を少しだけ減らして様子を見ていた。
先日、新しいドッグフードの袋を開けるときに、「標準給与量表」というのが目についた。
月齢と体重から、1日に与える餌の標準的な量が示してある。
これを見ると、生後8ヶ月からは、同じ体重でも餌の量はぐっと減っている。
袋に書かれた説明には、「成長段階で栄養要求量が減少してくる傾向があるため」と書いてある。
わたし達はこのことに気づかず、カイが生後8ヶ月を過ぎてからも、
それまでと同じ量の餌をやっていたのだった。
カイはもうすぐ10ヶ月になる。
餌を残すようになったのは、必要以上に栄養を摂らないように自分で調整していたのだろう。
わたし達人間は、美味しいから、残すのはもったいないからと、つい食べ過ぎてしまう。
でも、カイはちゃんと自分のからだのことをわかっていて、それで餌を残していたと思われる。
本能的なものと言ってしまえばそれまでだけれど、
こういう賢さは見習いたいものだと、心底感心した次第。