中国人の友人である一兵ちゃん
ぬーぼーとした外観だが
かなり知的な男で好奇心も旺盛
あるとき
古代中国で
周辺地域の異民族はどう認識されていたか
てな話題になった
ということで
東夷
北狄
西戎
南蛮
てな言葉が出てきた
その時ふと思い出して
日本に西洋人が初めてやって来たのは
1543年で
日本では西洋人を
「南蛮人」と呼んでいたと
教えた
一兵ちゃんはすぐに反応
「西からやってきたのに どうして南蛮なのだ?」
と鋭い質問
「船に乗って日本から見て南の海から来たので南蛮と呼ばれた」
と説明したら
一兵ちゃんは納得
私はそこでもう一つ思い出して
「日本ではその後
毛唐という呼び方も発生した」
と説明
一兵ちゃんはすぐに反応
「どういうことだ?」と言った
私が
「体毛が多いので毛唐と言った」
と説明すると
一兵ちゃんは
「毛の部分は分かるけど どうして唐だ」
とさらに質問
私が
「日本では遣唐使なんかの記憶が強烈で
そのうちに
外国から来たものにはなんでも“唐”の字をつけるようになった」
と説明すると
一兵ちゃんは吹きだした
大笑いしながら
「マオタン(毛唐)、マオタン」とも
何度も繰り返した
そうそう
もう一つ
一兵ちゃんに受けた日本語単語があった
「餓鬼」
私が
「日本では子供のことを指す
特に気に食わないことをする子供を罵る時に使う」
と説明したら
やはり一兵ちゃんは大笑いした
「だしかに 奴らは食うことばかり考えている」
と言って
笑い続けた
ちなみに中国で「餓鬼」の言葉は
あくまでも仏教用語として
使われているようだ
