公開で死刑宣告、直後に執行、中国メディアが「違法」と批判=広東 | 如月隼人のブログ
2017-12-18 12:09:10

公開で死刑宣告、直後に執行、中国メディアが「違法」と批判=広東

テーマ:ブログ
広東省・県級陸豊市で16日、一般住人を動員した公開の死刑宣告大会が実施された。12人に対して判決が言い渡され、うち10人は死刑だった。刑は直後に執行された。中国メディアの新京報は、死刑宣告を大衆に対して公開されているのは法で禁止されていると批判した。
 
 
 
死刑宣告大会を主催したのは陸豊市の上級行政区画の地級・汕尾市と陸豊市の法院(裁判所)。場所は陸豊市のスタジアム。住民約1万人が参加したという。
 
死刑を執行された10人のうち、7人は違法薬物密売の罪を問われた。残りの3人は強盗殺人などだった。陸豊市は国が指定する違法薬物の重点取り締まり地区6カ所のうちのひとつ。市当局は近年になり、取り締まり活動力を入れている。市は6月にも公開の死刑宣告大会を実施し、8人に宣告・執行を行った。
 
新京報は、「現地における薬物の密売人を震え上がらせ、社会の安全感を向上させることは、あるいは必要かもしれない。しかし、法律と人道の最低ラインを踏み破ってはならない」と陸豊市の動きを批判した。
 
記事は、中華人民共和国最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院、中央政府公安部(警察庁)が連名で1988年、既決・未決を問わず死刑を含む受刑者・被告を街頭で引きまわし大衆の目にさらすことを禁止する通知を出したと指摘。92年にも同様の通達が出ており、2007年には街頭引き回しは受刑者の人格を侮辱する行為として、改めて禁止されたと紹介した。
 
中国は二審制だが、死刑判決の場合には最高人民法院が改めて審査し、執行の許可を出す。新京報は陸豊市が行った死刑の公開宣告について、すでに最高人民法院による死刑執行の許可を得ていたはずと指摘。したがって死刑の公開宣告は法律上の手続きとも言えず、パフォーマンスに過ぎないと論じた。
 
新京報はさらに、最高人民法院が2003年に「世論を盛り上げることを目的に、刑の宣告や執行を延期してはならない」と通達したと指摘。陸豊市の死刑宣告大会は法律上の手続きで死刑が確定された跡のパフォーマンスであり、最高人民法院の通達に違反の可能性があると指摘し、同市当局は同点についてはっきりと説明する必要があると主張した。
 
中国の刑事訴訟法は死刑公開の禁止は明記しているが、宣告については直接触れてはいない。新京報は刑事訴訟法の冒頭部分(第2条)に、「人権を尊重し保障する」との記述があるとして、宣告などについても大衆に向け公開することは禁止されていると主張した。
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◆解説◆
2012年の習近平政権発足以来、中国では強権政治の傾向が強まっている。新京報はこのところ、当局側の強権発動を批判的に取り上げる記事をいくつか発表されている。陸豊市の「死刑の公開宣告」についても、中国国内の他のメディアは、当局による薬物犯罪撲滅への強い意志を紹介したが、法律論にもとづき当局を批判する論調は見当たらない。
 
中国のメディアは当局の監督を受けている。メディアにより、市による監督、省による監督、中央(国)による監督などのランクがある。
 
例えば陸豊市に監督されるメディアが、陸豊市当局を批判する記事を発表するのは極めて困難だ。一方で新京報は北京市が監督するメディアだ。したがって陸豊市当局を批判する記事を掲載するのは比較的容易だ。
 
中国では一地方で発生した問題について、他の地方のメディアが批判記事を掲載することが時おりある。(編集担当:如月隼人)


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