中国農業の非能率性 約半数が農村住民で世界最大の食糧輸入国、米国は就業人口1.7%で最大の輸出国 | 如月隼人のブログ
2017-10-30 10:55:55

中国農業の非能率性 約半数が農村住民で世界最大の食糧輸入国、米国は就業人口1.7%で最大の輸出国

テーマ:政治・経済

中国が抱える大きな問題のひとつに農業問題がある。中国国家統計局によると2016年末における中国の人口は13億8271万人で、うち5億8973万人が農村部常住人口だ。全人口の約42.7%ということになる。一方で、主食(豆、イモ類を含む)の輸入は2014年が1億42万トン、15年は1億2477万トン、16年は1億1468万トンであり、中国は世界最大の穀物輸入国とされている。

中国共産党中央農村工作指導グループ弁公室の陳錫文主任は16年に、前年における主食類の輸入量と国内消費量を比較した上で、年間2000万-2500万トンが不足と発言した。輸出分と差し引きした純輸入分はかなり圧縮されるが、それでも「輸入超大国」であることに違いはない。

ここで気になるのが、中国農業の能率の悪さだ。米国の場合、2005年時点での数字だが、農業に従事しているのは全就業人口の1.7%である291万4000人。仮に米国の農業従事者が平均で自分以外の家族3人を養っているとすれば、農業関連人口は1166万人程度。同年の米国の人口は2億9900万なので、農業関連人口は全人口の約4%になる。ごくおおざっぱな計算だが、農村部人口が全人口の40%超と圧倒的な人数が農業にかかわっている中国が世界最大の穀物輸入国であり、わずか人数し従事していない米国は世界最大の農産物輸出国ということになる。

しかも米国は、肉類も多く輸出している。肉類を生産するためには大量の飼料が必要だ。そのことを考えれば、米国農業の効率のよさと中国農業の能率の悪さに改めて驚く。

もちろん、米国式の粗放農業の問題は指摘されている。農業を始めてから数百年単位なので「土地からの収奪」の影響がそれほど大きくないので採用できる方式であり、長期的にみて「持続可能な農業方式かどうか疑問」との見方もある。

それにしても、中国は農業の効率向上に真剣に取り組まねばならいのではないか。前記の陳主任は、「人民の生活水準が不断に高まっている」ことを理由として、中国農業が「豊作」と評価できる状態が続いているにもっかわらず「一定の供給不足が存在する。どうしても国際市場を通じて部分的に主食を輸入せねばならない」との考えを示した。

ここで問題になるのは、巨大な人口を持つ中国で食生活の充実を求める動きが進行していることだ。習近平氏は24日まで開催された中国共産党全国代表大会(党大会)で、2035年の目標として「人民の生活にはさらに余裕を生じさせ、中層収入層の割合は明確に上昇させる」と明言した。その後も生活水準の向上に取り組む。つまり、人口13億人超の中国人が今後さらに「よりよき食生活」を求めると考えねばならない。

農業生産効率の圧倒的な改善が実現しなければ、中国は食糧輸入を格段に増やさざるをえないことになる。巨大な人口を考えれば、国際価格を押し上げることは必至だ。食料の多くを海外に依存している日本にとって、「対岸の火事」とは言えない状況が近づいている。(編集担当:如月隼人)


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