台湾・蔡英文新総統の就任演説全文(第9回) 環境問題で国際社会との価値観共有を強調 | 如月隼人のブログ
2016-05-22 18:10:51

台湾・蔡英文新総統の就任演説全文(第9回) 環境問題で国際社会との価値観共有を強調

テーマ:政治・軍事

 蔡総統は就任演説の終盤にさしかかったところで、台湾はCOP21パリ協定を尊重すると明言した。民進党はもともと、環境問題を重視する政党であるから、地球環境の保全に努力するという表明に違和感はない。しかしどうして、正規メンバーとして認められていないCOP21に言及したのか。やはりその背後には、中国との関係に苦慮する台湾の「立ち位置問題」がある。

 新政権が負わねばならない第5のつとめとは、地球市民としての責任をしっかり果たし、外交と世界全体の問題で貢献することです。台湾を世界に向けて歩ませ、世界を台湾に歩み込ませることです。

 

 この場には、各国の元首や使節団に多くおいでいただいています。私は、長きに渡り一貫して台湾を助けていただき、私たちに国際社会に参与する機会を与えてくださったことに、とりわけ感謝いたします。

 

 私たちはこれから、公的な相互の働きかけを通して、企業の投資や民間協力のさまざまな方式を通して、台湾の発展の経験を共に分かち合い、友好国との永続的なパートナー関係を維持します。

 

 台湾は全世界市民における模範生です。民主化以来、私たちはいつも平和や自由、民主、人権という世界の普遍的な価値を堅持しました。私たちはこの精神を護り、全世界の議題である価値の同盟に加入いたします。私たちは米国、日本、欧州を含む、民主的国家との関係を深め続けていきます。共通の価値という土台の上に、全方位的な協力を進めます。

 

 私たちは国際的な経済貿易区協力とルールの策定に積極的に参与します。全地球的な経済秩序をしっかりと維持し、重要な地域間貿易システムに融合していきます。私たちは地球温暖化・気候変動の議題について、欠席することはありません。

 

 私たちの行政院(政府)はエネルギー削減と二酸化炭素削減を専門に扱う事務室を設立し、COP21パリ協定の定めに基づき、温室効果ガスの削減目標を定期的に見直します。友好国家と手を取り合い、共に地球を永続的に守っていきます。

 

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◆解説◆
 台湾が、さまざまな国際機関に加入できない状況が続いている。外交的な孤立は中国と関係を構築する上でも、極めて不利だ。そんな台湾がこのところ強調しているのが、国際社会との価値観の共通性だ。

 

 蔡総統は就任演説で、地球環境問題について、COP21パリ協定を重視する考えを明言した。台湾はCOP21にも「オブザーバー」としての立場でしか参加を認められていない。正規のメンバーではないが、国際的な価値観と台湾の価値観は合致していると表明したことになる。

 

 国際社会との価値観の共通性を強調しても、「国として認められる」ことにただちに結びつくとは思いにくいが、台湾にとっては国際的に「台湾のことを真剣に考えよう」という気運が強まるだけでも、対中関係における「困難さ」が多少は軽減されることになる。(編集担当:如月隼人)

 

関連:
台湾・蔡英文新総統の就任演説全文(第8回) 「92コンセンサス」の名は出さず

参考:
蔡英文520就職演說全文(中国語)
(中国語)

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