- 角田 光代
- 空中庭園
角田光代さんの「空中庭園」を読みました。角田さんの本は前にエッセイだけ読んだことがあって、本が好きで恋愛もいっぱいしていてなんだか可愛い人なのかな、とか思っていましたけれど、小説はずっと読んだことがありませんでした。でも最近、何故か急に恋愛小説が読みたくなり、目のついたところにあった「あしたはうんと遠くへいこう」という角田さんの本を読みやすそうだなと思って何気なく買って読んでみたら、これがなんともリアルで久しぶりに本を読んで衝撃を受けたのでした。確かに読みやすくて軽く、時代の空気を写し取ったような文なのですけど、でも甘くなく、ちょっと怖い。主人公に共感する、とかいうわけではないけれど、このリアルさは、つい読んでしまう類の本だ、と思ってしまいました。
というわけで次に手にとったのが「空中庭園」でした。家族とその家族に関わる人それぞれの視点から描かれたいくつかの連作です。「家族の中に隠し事をつくらない」というルールがある、表面的にはみんなそれを守って、なんとなくうまくいってるかのような家族だけれど、実はみんなそれぞれ秘密を持っていて・・・という話。30代後半の夫婦、高校生の娘、中学生の息子、家は東京(かな?)郊外のでっかいマンション。ある意味典型的な家族像です。普通のよくありそうな家族なんですが、読んでいくうち、みんなどこか狂っているのかも?と思わせられる。でもなんか、こういうことってすごくありそうにも思える。そういえばこの小説に繰り返し出てくる「ホテル野猿」、これってどこかを車で走ってる時に看板をみたことがあります。いかにも東京郊外という場所だったような。このへんもなんかリアルですね。
母、絵里子の秘密を、ありがちな恋愛とか不倫方面にもっていかなかったことが、この小説の一番面白くて怖いところなんじゃないかな、と思います。さてこの「空中庭園」、映画化されるようで、小泉今日子が主演だそうです。もっともっさりした人が母親役なイメージなんですけれど、小泉今日子意外とはまってるのかもと思いました。夫役の板尾創路は情けない感じでかなりイメージに合うかも知れません。あと、夫の愛人で、なぜか息子の家庭教師としてやってくる女性の役が、ソニンなのが、個人的にはかなり期待大ですね・・。映画も面白そうです。