MGF教会週報礼拝黙想2006年4月9日 | マラナサ・グレイス・フェローシップ(MGF)の礼拝黙想

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MGF教会週報礼拝黙想バックナンバー集 執筆者 MGF牧仕 菊地一徳

今日、地球上で最長寿の生物は樹木である。米国カリフォルニア州レッドウッド国立公園の「セコイア」(学名セコイア・センペルビレンス)は樹高世界1~3位までを独占し、平均的な大きさは樹高80m、周囲の直径5m、樹齢は最低400年から最高2200年と言われる。巨木世界一はカリフォルニア州シェラネバダ山脈に生息する“ジャイアント・セコイア”、その名を「ジェネラル(将軍)・シャーマン・トゥリー」と言う。この木を建材にすると米国の平均的な5LDKの家が40軒も建つと言われている。樹齢およそ2300年~2700年。高さ83.8m、根本の直径は11.1m、根本の周囲は31.3mにもなる。重さは推定1385t。セコイアに似た同属の巨木は、かつて日本にも生息していて、その化石が日本各地で発見され、1941年「メタセコイア」(和名アケボノスギ)と命名された。「メタ」とは“後の”の意。ところが、それと全く同じ木が1945年に中国の内陸部の四川省と湖北省の省境付近で生息していることが判明し、“生きた化石”として有名になった。1949年、日本で最初に皇居に2本植樹され、その後全国の研究機関に配布され、増殖がはかられた。今日この化石の実物を各地で見ることができる。米国にはこのような巨木の森がいくつもあり、どの木も直径が10mほど、また30cmもあるまつぼっくりが、地面のあちこちに落ちている。

樹木というものは、本来どのくらいの寿命を持っているのか? 樹木には、基本的には“寿命”というものがない、とさえ言われる。樹木が枯れるのは、害虫、落雷、異常気象等の災害を受けることと、年々大きく成長していく体に見合うだけの養分を地中から補給できなくなるからだそうだ。つまり、こうした災害に遭わず、地中に十分に栄養を与えてやれば、樹木は死ぬことがないというわけだ。ある生物学者は、「樹木は条件さえ整えば数万年生きてもおかしくはない」と、述べている。実際にドリルで抜き取ったコア(芯)の年輪を数える「年輪年代測定法」によって、現在生息する地上最高樹齢の樹木は、カリフォルニア州のホワイトマウンテンの「アリスタータ松」(学名ブリスルコーンパイン)と言われる。そこのアリスタータ松のうち、17本は樹齢4000年以上を数えることが判明している。最高樹齢の木はアダムの子孫で聖書中最高齢者の名前「メトシェラ」(969歳。創世記5:25~27)と名づけられ、樹齢は4700年とも言われている。ただし、この数字に関しては、若干、補正が必要である。というのも、アリスタータ松は成長する過程で大きくねじれたり、場所によっては年輪の幅が非常に狭く、不明瞭であったりするのだ。そのため、おおよその樹齢として、4500歳位だと考えられている。ちなみに、屋久島にある「縄文杉」(周囲14.5m)は樹齢が7000年や1万2000年であると言われるが、実際は、外見からの判断でしかない。ドリルでサンプルを採取したり、エックス線で撮影すると、大きく見えても、実際は1本の木ではない。「合体木」といって、複数の木が融合して、1本の木のように見えるだけなのだ。それゆえ、喧伝されるほど、縄文杉は古くないというのが事実なのである。年輪年代測定法は縄文杉に害を与えるという理由で実施されることはない。よって、このアリスタータ松「メトシェラ」こそ、現存する地上最長寿の生物なのだ。それにしても、条件さえ揃えばいくらでも寿命を延ばすことのできる樹木であるのに、最高樹齢は約4500歳で、それ以上は存在しないというのは不思議である。

実は、4500年前というと、ちょうどノアの大洪水が発生した頃である。大洪水は全世界を覆い、全ての樹木をなぎ倒した。4500歳以上の生物が存在しないということは、ノアの大洪水が実際に起こったことの物的証拠となる。アリスタータ松「メトシェラ」は、大洪水の直後に土中から芽を出したものだろう。ちなみに、「メトシェラ」は、ノアの祖父にあたり、名前の意味は「彼の死もたらす」。実はこのメトシェラの死亡したちょうどその年(ノアが600歳の時)にあの大洪水が発生した。最高樹齢の木「メトシェラ」は、生きた化石ならぬ、生きた証としてノアの大洪水の記念樹としての役割を果たしている。しかし、今この木は死ぬ時を迎えつつある。洪水ではなく、火によって(Ⅱペテロ3:5~7)。その日は近い。今が「ノアの日」であるからだ(創世記6:1~13;マタイ24:37)。