良いと思った習い事は、
きょうだい3人とも通わせたが、
習い事に通うためには、
親がやらせたいと思ったタイミングに、
通いやすいところに教室があって、
この先生ならと思える師と出会えて、
スケジュールが合って、
納得のできる授業料で……と、
なかなか超えるのが大変な、
ハードルがある。
その高いハードルを乗り越え、
3人とも通わせた習い事は、
これまでにおおかたご紹介したので、
3人ともは通っていないけど、
良かった習い事もあるので、
そのことも書き出しておこうと思う。
今回は、
理科実験教室。
教科書や本に載っているような、
さまざまな実験を、
実際に体験する教室。
学校の理科実験は、
先生1人で、
クラスの運営をする関係で、
安全が最優先。
危険性のあるものを、
使用する実験は、
どんどんやらなくなっている、
と聞いたので、
それでいいのかな?
と思って、
気になった。
無料の体験が、
できる教室もあったので、
楽しむついでに、
いろいろな実験教室を巡って、
結果、
やっぱりやらせておきたいと思い、
3人のうち2人が通った。
うちの子が通ったのは、
サイエンス倶楽部。
小学2〜3年生の時。
この教室に決めたのは、
先生が本当に、
理科実験が大好きというのが、
滲み出ていたから。
システム上、
決まったスケジュールで、
毎回の実験が進められていくのは、
どこの実験教室も同じ。
安全面に、
充分配慮されているところも、
ホンモノに触れられることも、
器具が充分に用意されていて、
取り残される子が、
出ないようになっていることも、
見学したところで、
不満に感じた教室はない。
強いて違いがあったとしたら、
中学受験を意識して、
無駄のないスケジュールのところ。
もっと長い目で見て、
バランスの良い経験ができるところ。
くらいの選択肢だったかな。
うちの子の時は、
月に2回。
1クラス8名程度。
教室には助手の先生もいる、
2人体制。
毎月テーマが決まっていて、
2回かけて、
そのテーマに沿った、
いくつかの実験が体験でき、
一年かけて、
バランス良く、
さまざまな分野を学べる。
世の中に、
こんなにたくさんの、
理科実験があるのかと、
学年を超えて、
内容が被ることなく、
スケジュールが組まれていることには、
驚いた。
年度の初めに必ず、
アルコールランプや、
ガスバーナーなどに、
マッチで火を点ける事を、
使う実験が行われる。
器具を安全に使うための、
決められた手順の説明を、
受けることはもちろん。
なぜその手順を、
守らないといけないのかを、
こういう事故につながるという事例も、
距離を取るなどの安全を確保した上で、
先生がギリギリのところまで、
やって見せてくれる。
ちょっとドキッとするようなことを、
目の当たりにすることで、
だから、
こういう手順になっているのだと、
深く心に刻まれるのだ。
火を使う実験は、
頻繁に行われるが、
繰り返し自分の手で、
器具を扱うので、
みんな当たり前に、
できるようになる。
授業は子どもだけで受けるが、
授業が終わる頃に、
迎えに来た親たちが、
教室に呼び入れられて、
その日どんな実験をしたのか、
実験の成果物に加えて、
それに付随する、
お土産がもらえることがあって、
それらを使って、
家でもっとこんなこともできる。
なんて説明を受ける。
本物の実験器具を、
正しく使うということを通して、
一見細かく見えるルールに、
実験を安全に且つ正確に、
成し遂げるための知恵が、
詰まっている事を知ること。
教科書や本からは伝わらない、
音や匂い、熱などを、
感じられること。
思った結果が得られなかった時、
どのように考えればいいか。
など、
とても質の高い経験を、
させてもらったと思っている。
また、
この教室では、
夏休みなどに、
さまざまな体験ができる、
キャンプが計画されて、
そこに参加することも、
楽しかった思い出のひとつ。
うちの子の1人は、
本物の鉱山に、
宝石の原石を採掘しに行くコース。
もう1人は、
チームで筏を作って、
実際に湖に浮かべて競争するコース。
といったものに参加した。
生きたたくさんの体験によって、
特に印象深い習い事になっていることに、
疑う余地はなく、
今振り返っても、
ああだこうだと、
瞬時にさまざまな記憶がよみがえり、
ぱっと、
たくさんのエピソードが、
たわわと溢れ出し、
あれはやっておいて良かったと、
口を揃えて語り出す。
授業料もなかなか立派なものだったし、
スケジュールの都合で、
2人とも2年間しか通えなかったが、
可能なら、
ずっと通い続けたかっただろうと思う。
通わなかったもう1人と比べると、
理科の成績に、
大きな差は出ていないから、
学習で身につくものへの、
絶対的なアドバンテージ、
とまではならないが、
ふとしたタイミングで、
興味や理解といった、
経験しているからこその、
底力みたいなものは、
やっぱり違うと感じられる。
もう1人もやるつもりで調整したが、
スケジュールが、
どうしても合わなくて、
泣く泣く断念したが、
やらないよりやったほうが良いのは、
間違いなく、
通った2人が、
当たり前だと思っている事を、
通わなかった1人が、
つまづいたりすると、
やっぱりやらせておきたかったな。
と思ってしまうのだ。