回る宇宙の中にいる鉛色のそらを見あげて泣いたひがあり暖かな陽光に包まれて至福のほろ酔いもあるなにごともないこんな地味なキャンバスの彩り老犬が庭駆け回る大雪もどしゃ降りの雨ももうすっかり忘れているピリリと渇いた大寒あとひと月待てば嬉しいことがありそうな愉しい動きもできそうなちいさな鼠のように家中で一番狭い場所を寝座に暮らすこんな宇宙の中にいる