実家の本棚に数十年置かれていたらしい本(初版は私の生まれる前なので、もしかしたら50年以上かも)。
白川静『漢字』(岩波新書)
以前実家に帰ったときに「本棚を整理していたら、こんなん見つけたけど読むか?読まんかったら処分するし」と言われ、見せてもらった本。
白川静先生の漢字の本でした。
もちろんもらって帰りました。
最近少しずつ読み進めていますが、これがやっぱり面白い。
速く読むと全く理解できないので(笑)ゆっくり読んでいます。
白川静先生の考えを分かりやすく解説してあるのが「漢字なりたちブック」です。
小学1年生で習う漢字と2年生で習う漢字の2冊しか持っていませんが、思い出したこの機会に教室に置いておこうと思います。
大人向けでは、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』(新潮文庫)これがおすすめです。
漢字は怖い、の方は紛失中。探しています……。
そうなんです!
漢字は楽しいし、漢字は怖いと、初めてこの本を読んだとき思いました。
結構忘れているので、また読みたいです。
白川静先生の最大の業績の1つと言われているものが、「口」の形です。
様々な漢字に使われていますが、「祝詞を入れる器」を表すとのこと(ただ、色々調べてみると、(人の口)を表す漢字も少数あり、他の意味のことも少数あるようですが、大部分が器を表すようです)。
例えば「兄」は、祝詞を入れた器をささげている人を表すそうです。
「右」という字は、「手(又)」に「口」(祝詞を入れる器)を持っている字。
ちなみに「左」という字は、「手(又)」に「工」(呪具)を持っている字。
では、手が「又」なのだったら、「取」の意味はどんな意味だろう……と疑問に思う連鎖も面白い。
耳を手で取るということか!?
と調べてみると、どうやらそれはあまがち間違ってもいないようで(ちょっと怖い)。
好奇心の糸が途切れません。
そんなこんなで、白川静先生の本はおすすめなのですが、ご本人の著書はなかなか難解なので、白川静先生の考えを他の先生がかみくだいて説明しているものが私には分かりやすいです。
ちなみに字源というのは諸説あることが多く、他の先生の著書と違う考えのことも多いです。白川静先生の本を初めて読んだとき「他の本で読んだものと全く違う!」とびっくりしました。
どの説にしても、これが「唯一の正解」というよりも「こういう研究がある」という見方で勉強するというのもいいかなとも思っています。