キラッとハウスのコンセプト
基本的な観点。考え方。
「キラッとハウスのコンセプトは?」
不意にうちの専務はこんな質問をしてきます。
「え!? なに、急に?」
と、まぁそん感じになる訳ですが
うちのめぐみ専務は定期的に不意に
色々な質問をしてきます。
要は、代表者が基本的な観点、考え方を
しっかりと持っていて、それを社内みんなに
共有できていて、同じ意識の下で
仕事がなされているか?ということです。
数ある業務の中で土台となる、
仕事をする上では最も大切で1番肝心なところ。
キラッとハウスのコンセプトは
一言では言い表せませんが、
開業当時から今も変わらない。
「血の通った暖かい心を持った掃除」
クサイことを言っているみたいで、
もっと他に違った言い方はないものかと、
思いながら書いてますが(笑)
きっかけとなった忘れられない
ある出来事があってそれが今でも根底にあります。
僕は修行期間を得て、
晴れて自分でお掃除屋さんという
ハウスクリーニングのお店をスタートさせました。
毎日仕事を与えてくれる親方はもういない。
失敗したらどうしようとは考えた事は
ありませんでしたが、
その分、毎日失敗しないように、
「どうしたらお客様に喜んで貰えるのか?」
「どうしたらまたリピートして貰えるのか?」
技術的な勉強と平行して、
毎日必死にそんなことばっかり考えてました。
なので、当然の事ながら一つの仕事の
大切さや有り難みにこだわり、お客様のお宅に
お伺いしたら、とにかく精一杯のことをやります。
ご依頼された箇所を全力で掃除して
綺麗にするのは当たり前。
お客様が重い荷物を持っていたら、
「僕、見た目は小さいけど意外とチカラあるんです!」
とか、嘘を言いながらヒーヒー言って持ったり。
お客様が引っ越しの荷造りの最中であれば、
「今、たまたま掃除にきている樽川っていう
チカラ持ちがここにいるので、何か下まで
降ろしましょうか?」とか(笑)
「高いところの電球交換とか、普段できない事で、
お困りのことはありますか?」など、
お客様が雨の日に外にまで出てきてくれたら
濡れないように常に傘は2本持っておくとか、
言い出したらきりがない何百個もあるであろう、
細かいところまで色んなケースを想定して、
全力でやり続けた、そんなある日、
注:↑とにかく何でもやれば良いものでもありません。
大事なポイントが沢山ありますので最下部に記載。
ご新規のご依頼でご高齢のご主人様から
「妻の退院が決まったからお家で、綺麗なお風呂に
入れてあげたいからお掃除をお願いします。」という
お問合せがあり、任せてください!とお宅にご訪問。
お掃除が終わりご主人様にお声をかけ、
少しお話していると、妻は癌であと残り少ない時間、
やっと退院できたのだと知る。
その時、隣でお休みになっていた奥様が小さい声で
「風呂釜もお掃除してくれたのですか、ありがとう。」
とおっしゃられ、僕は正直なところ心の中で、
「え!?風呂釜って何だ!?
浴槽のことを言ってるのかな?」って思いましたが、
すぐに「もちろんです。綺麗に洗いましたよ。」と、
笑顔で答えた。
マジか。風呂釜ってあの風呂釜=給湯器と
繋がる風呂釜配管のことだとしたら、そこは
事前の作業範囲でも、ちゃんとご説明はしているし、
オプションのメニューだから今回やってないし、
今日は風呂釜洗浄の機材を持ってきてない...
とか、心の中で思いながら、部屋を出てご主人様に
「あと1時間だけ時間を下さい!すいません!
待ってて下さい」と言って、外に出て考える。
事務所までは遠くて戻れないから、
しょうがない、近所のスーパーで最も体に安全な
洗剤を選んで風呂釜洗浄をしよう!ということで、
買ってきて現場でできる限りの風呂釜洗浄を行なった。
1時間後、再度ご主人様に終了のお声をかえ、
「風呂釜、配管の中もお掃除してございます。」
と言ったら、ご主人は僕がお掃除したお風呂の
扉の前に立って無言で2、3分そのまま立っていて、
お顔を見たらご主人様の目から
大粒の涙が流れていました。
その時に言って貰えたご主人様からの
「ありがとう。綺麗になりました。」
あのお言葉は今でもこの先もずっとこの先も
僕がこのハウスクリーニングの仕事を
続けていく中で支えとなり、自分のやっている
事は間違いではないのだと実感した瞬間でした。
口が裂けても風呂釜は作業範囲外です、とか、
オプションで有料です。とか普通言えないですよね。
細かいことを言えば、お客様の背景や感情で、
サービス作業をするかしないかを決めるのも
その辺どうなのか?賛否両論の意見はもしかしたら、
あるかもしれませんが、
僕はぶっちゃけそんな事どうでも良いと思ってます。
これが会社勤めの清掃スタッフや下請けとして
清掃をしていたら、もしかしたら会社や上司に
相談しろ!とか、相談したらOK出すの?とか
思いながら今やらなきゃならないことを
やらないで見てみないふりを強いられていたかも
しれません。
これは決して看板を背負っている方々の悪口ではなく、
その看板が大きければ大きいほど、イレギュラーな
出来事はより慎重な判断が求められ、時には会社の
保守的な目線で物事を決めかねないケースも
多々あるという、自分の経験則で個人的に思うことです。
「できることをできる時に行う。」
会社の都合やましてや自分の都合や損得で
物事を切る事なく、掃除を通じて、
お客様が求めていサービスを提供する。
そしてあわよくば、人の心に残る掃除を
提供する事ができれば完璧!
そんな風に今でも思っています。
これはマニュアル化もできないし、
意図的に無理やり行うことでもないし、
自然と毎日、気が付かないうちにそんな
サービスができているのが理想的で、
作業スタッフ一人一人が違った個性を
持ちながらも、その人が持っている
思いやりをスタッフの判断で行動できる。
清掃員はロボットではない。
ロボットにはできない掃除をする事。
これがキラッとハウスの原点であり、
今も変わらないコンセプトです。
変わるのは清掃の技術だけです。
日々進歩する清掃業界に食らいつき、
時代の変化にアンテナを張って最も良い掃除を
行う。こっちの方が断然、本当に大変です
僕に最初に掃除を教えてくれたY師匠は
とても暖かくて優しい。時に厳しいお方です。
その師匠の教えのお陰で原点があり、
そして、今の自分を支えてくれる沢山の方々がいて、
今ではとても有難いことに毎日ご新規のお客様からの
ご依頼とリピーター様からのご依頼で会社が成り立ち、
今年で15年目を迎えます。
でも、一番は毎日支えてくれて、時に刺激をくれる
妻、めぐみ専務がいなければ今の状況にまでは
成り得なかったのは間違いない。
身内ひいきではなく、ほんと専務の経営センスは
実に的を得ていて、時にハッと気付かされます。
自身の会社のコンセプト。
自分が勤めている会社のコンセプト。
改めて思い返してみるというのも大切なお仕事の
一貫だと思いますので、こんなマニアックな
キラッとハウスの長文ブログを最後まで
見てしまった方は、今一度、根底にある
会社のコンセプトを思い返してみては如何でしょうか?
注:とにかく何でもやります!はNG。お客様の温度も見ずに
グイグイ厚かましい余計な接客は逆に嫌われます。(笑)
温度、雰囲気、状況で判断して自然なタイミングで、
相手に気を使わせない言葉選びが重要です。
(来月のセミナーで少しポイントを話そうかな?)
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