終幕と開幕の間 【3】 | KIRAKIRA☆

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こちらはスキップビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全な個人の妄想の産物ですので、原作・出版者等は全く関係ありません。また、文章の無断転載は固くお断り致します。


※10万ヒットリクエスト! 

今回はリクエスト内容は後ほど明記します。(話の流れ上組み合わせるかもしれないので)




秋の特番としてのスペシャル番組は大抵次クールの番宣も兼ねている。

それもあり、視聴率を取るために局は盛りだくさんの企画に加えて、ゲストにもそれなりの出演料をかけるのだが


「・・・・・・・何でアンタがここにいるのよ」

「ウルセーッ、新曲がドラマの主題歌に使われる関係でゴリ押されたんだよ」


「バラエティなんて出てアンタの本性がバレなきゃいいけどね。好きなお笑い芸人を前にアンタのカッコつけの澄まし顔がどこまで持つか見ものだわ」


キョーコの言葉に目の前の男、ショータローはうっと言葉を詰まらせた。

自分でも不安に思っていた胸中を当てられて咄嗟に返す言葉が出なかったのだが、そんなショーの事などお見通しのキョーコは勝ち誇ったようにフフンッと笑みを深めた。



「あ!京子ちゃん!おはよう!今日はよろしくね~!」



そんな不穏な二人の空気を全く読まずに入ってきたのは、今回一部の司会を担当するブリッジロックの光だった。

今回の特番はいくつかのバラエティを組み合わせているので、各々の番組を収録し、それを最後にスタジオで流して一つの特番を作ると言う流れなのだ。


今回キョーコはブリッジロックが司会をするバラエティのゲストとして出演するのだが・・・・



問題は一緒に出演するゲストと番組の内容だった




「あ、おはようございます。光さん。こちらこそ宜しくお願いします」


「うん。不破君も久しぶりだね。よろしく」

「あ・・・・どうも・・・よろしくお願いします・・・」



キョーコに対する態度とは180度変えて猫をかぶる姿にイラッとするものの、コイツがこのまま大人しくしてくれていたら、それはそれで好都合かも・・・と思ったのだが・・・



「最後の一人の敦賀君が来たら打ちあわせ始めるからね」



光の言葉にショーがピクリと反応をしたのが判った。


そう・・・・誰が仕組んだのか、この番組のゲストはキョーコと尚と・・・・蓮なのだ。

正直聞いた時は誰の何の陰謀!?と思い、辞退をしたくなったのは当然だろう。



このバカが敦賀さんを刺激しなきゃいいけど・・・この間一緒に食事した時は怖くて話題に出来なかったのよね・・・・昨夜の電話じゃあ普通だったし・・・・


「フン、大俳優様は遅刻かよ。いい御身分だな」

「まだ集合時間まで時間あるじゃない。今日は朝からテレ東でスチール撮影だから敦賀さんなら時間通りに終わらせているわよ」


無遅刻キングの蓮の事を侮辱されたくなくてムキになって言い返せば、ショーは更に不機嫌な表情になっ

た。


「お前・・・何でそんな事知ってんだよ。」

「はあ?そんなの知っていて普通でしょ」

「普通な訳ねーだろ!ストーカーかテメーは!」


「な!失礼ね!そんなの普段から仕事の話をしていれば判るでしょうが!」


「普段からだと~!?」


毎日電話で浮ついたトークをしてんじゃね~!!と仁王のごとく叫べば、キョーコは顔を赤くして浮ついていないわよ!と「毎日電話」の部分を否定しなかった事に、更にショーは怒りを膨れあげる。


ぎゃあぎゃあと言い合う二人を見て、光は何となく入っていけない雰囲気に呆然としながら立ちつくすしかなかったのだが



「敦賀さん入ります!」



スタッフの声にピタリと動きを停めたのはキョーコで、慌ててショーと距離を取った。

そんなキョーコの様子に光とショーも気付いていたが



「おはようございます。今日はよろしくお願いします」



にこやかに入ってきた蓮はそんな3人の様子を気にも留めずに挨拶をすると、キョーコに近づいた。



「最上さん、一緒の番組は久しぶりだね」

「あ・・・・そうですね・・・そういえば・・・」

「今日はよろしくね。正直・・・・不安だから」


後半は耳元で内緒話をするように囁かれて、高鳴る心臓を抑えながら必死に平静を保つ。


気付かれてはいけない。


こんな事、なんでもない様に・・・・普通みたいにふるまわなきゃ




「そ、それは、社さんも不安がっていましたけど・・・無理しないでくださいね?」

「仕事だから全力を尽くすつもりだけどね」


蓮がそういう人だと判っているが、それでも「不安だから」と本音を言ってくれた事が嬉しくて、こんな完ぺきな人が弱音を吐いてくれた事が特別な気がして


クスクスと笑いながら「任せてください」と返事をした。


そんなキョーコに甘い視線を向ける蓮。



二人の間に漂う甘い空気に、固まっていた光とショーだが、先に我に返ったのはショーの方で



「な、なに二人でこそこそ話していやがるんだ~!!!」



イチャつくんじゃね~!というショーに、イチャついていないわよ!と叫ぶキョーコ。

その隣で「最上さん放っておきなよ」とキョーコの肩を抱いて離れさそうとする蓮。


未だ光は呆然と固まっていたのだった。




さて、プロ意識の高い蓮が思わず「不安だ」とこぼす程の今回の収録



ズバリ



「全て当てるまで帰れまテン」



言わずもがな、あるレストランの人気メニュートップ10を選び、それを食べる。

トップ10全て当てればいいが、外れれば当たるまでメニューを選び食べ続けなければならない。


これがなかなか難しく、全員で食べるにしても、20品、30品食べる事になる事だって珍しくないのだ。


たった1品ですらやっとの蓮にはまさに不向きの極地の仕事だ。


社とて受けたくて受けた仕事ではないのだが、やむおえない大人の事情と、共演者がショーと光という状況にキョーコ一人を放り出したくないという本人の事情もある。


正直、受ける時は「死を覚悟した顔」で頷いたのだが、そんな蓮に社は「お前・・・男だなぁ・・・」とホロリと涙が流れたとか




「最上さんハンバーグがあるよ。目玉焼きのせ。コレは入るんじゃない?」

「う~ん・・・・どうでしょう・・・価格と内容を考えたら、こちらのエビフライ付きの方が人気が高い気が・・・・・」


一つのメニューに顔を寄せ合って相談しあう二人に、すっかり他のメンバーは蚊帳の外だ。

そんな二人をショーはイライラとしながら見ていた。


最初の方こそ自分に突っかかってきたのに、蓮が来てからキョーコは全く自分に対して意識を向けて来なくなってしまった。

まるで、ここに自分がいる事さえ判っているかも怪しいぐらいの無関心っぷりだ。


「・・・・ごちゃごちゃやっていないで早く決めろよ。お前こういう分析得意だろ。昔もよくメニュー考案時にやっていたじゃねーか」


肩肘でつついて過去の事を持ち出す事で、蓮に見せつけてやるつもりだった。

自分にはキョーコとの間に入り込めない過去がある事を。


「え?」

「ほら、旅館でよく季節の変わり目に・・・」


「そういえば最上さん、コレこの間食べに行ったレストランで1番人気だって言っていたよね?このレストランでも上位に入るんじゃない?」



ショーの言葉を遮るように蓮が指し示したメニューにキョーコは目を輝かせた。


「あ!そうですね。この間もコレ美味しかったですよね」

「うん、確かにお勧めなだけあったよね」

「敦賀さんが珍しく綺麗に平らげていましたしね」


全く判らない二人しか知らない会話で盛り上げる二人。

ピクピクと怒りで眉を動かすショーと、青褪める光。


この間って・・・・キョーコちゃん敦賀さんと食事よく行くのかな・・いつも俺たちの誘いは断られるのに・・・まさか、二人で行ったのかな・・・・いや、まさか・・・でも・・・



「レシピを教わったので今度材料を揃えて、家で作りますね」

「うん、楽しみにしているよ。じゃあ、一緒に作ろうか」


「ハッ、タダの事務所の後輩に飯の支度までさせていんのかよ。確かにそれぐれーしか取り得がねーもんな。その女は」


無理やり二人の会話に入り込むショーに、キョーコも流石にカチンときた。

アンタだけには言われたくないとはこの事だ。


「敦賀さんはいつも手伝ってくれるし、私が自分の意思で作っているのよ。アンタには関係ないでしょ」

「な・・・いつもだと~ッ!?アンタも事務所の先輩ってのを盾にしてコイツが断れないのをイイコトに随分横暴なんだな。パワハラじゃねーのかよ。」


ビシッと指をさせば、すかさずキョーコが「行儀が悪い!」と手を払うが、「そうなの?最上さん・・」という子犬バリの蓮の表情と言葉にハッと我にかえった。



「そんな事ありません!私が敦賀さんを勝手に心配してやっている事ですから・・・」

「俺は確かに助かっているけど・・・もし、君が負担なら・・・」


「負担だなんて・・・私は敦賀さんと一緒にいれるだけで・・」


「ホント?」


「はい・・・」



「だ~ッッッ!!いい加減にしろお前ら!!うっとうしいんだよ!!」



甘い甘いピンクの空気を切り裂くように叫び声を上げるショーに蓮は軽く「チッ」と舌打ちをした。

そのギャップに、ショーは「こいつ確信犯か!」と怒りのボルテージは上がりっぱなしだ。




「ええと・・・・そろそろ次に進んでいいかな~・・・・」






泣きたい気分を抑えて光は何とか三人に声をかけるのだった。







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