※10万ヒットリクエスト! 今回は二つのリクを使わせて頂きました☆
なほ様とねここ様から頂きました☆
据え膳くらわぬは男の恥
最近脳内の辞典に追加されたことわざが脳裏に浮かんだ
きっと、それって・・・・
こういう状況を言うんだろう?
「ね・・・敦賀さん・・・・・?」
艶やかな声と共に見上げられるのは色を含んだ眼差し。
四つん這いになっている事で、ちらりと彼女の胸元が見えるのは・・見ないフリをする。
明らかに誘う仕草は、過去に別の女性から何度も受けたコトがあるのに
どうしてこうも・・・違うのだろうか
「も・・・最上さん・・・落ち着いて・・・」
だらだらと流れる冷や汗に上ずる声が抑えられない。
何たって愛おしい恋人に迫られているのに俺はこんなに焦っているんだろう
「ダ・メ・・・ナツって呼んで?今は・・・ね?」
そう言って、人差し指を唇にあてられる
その仕草も
声も
眼差しも
普段の「彼女」ならば決して見ることのできないものだ。
「役」にでも憑いていない限り
そう・・・つまりは今まさにそうなんだが・・・・・
話は本日の夕方にさかのぼる。
その日、本当なら俺は事務所で恋人であるキョーコと待ち合わせしていた。
彼女は昨年ヒットしたBOX”R”のスペシャルドラマの撮影中で、その後に一緒にレストランへ行く予定だったのだ。
一軒家の隠れ家的レストランは有機野菜をふんだんに使っていると評判で、以前からキョーコが行きたがっていたのだ。
「ちゃんと勉強して敦賀さんへの食事に生かしますね!」
そう言ってくれた恋人が愛おしくて思わず抱きしめてしまったが、すぐに真っ赤になってパニックになる様子に苦笑してしぶしぶと離すしかなかった。
まだキスでさえ特別なもので、深く口付けたのは数えるほど
身体の関係はもちろんまだない
もちろんいつかは・・・と思ってはいるが、まだまだ彼女が受け入れてくれるのは先だろうな・・・とも思っている。
それを物足りなく感じないかといえば、嘘になるが・・・今彼女がこうして俺の隣で笑ってくれている。
それだけで幸せだったんだ。
まあ話は戻るが、そんな訳で事務所へ着いた俺を待っていたのはタレント部の騒動だった。
「京子」がBOX”R”の撮影中に機材の落下による事故にあったいう報告に、俺は頭が真っ白になった。
詳しい報告を待つ事も出来ずに慌てて病院へ向かい
そこで待っていたのは
「あら敦賀さん」
頭に包帯を巻きながらも、ニッコリと微笑む彼女
「最上さん・・・・よかった・・・・大丈夫なのか?」
「ええ、心配して下さったんですね、ふふっ・・嬉しい」
想像していたよりもずっと元気な姿に安堵したのもつかの間、すぐに違和感に気付いた。
嬉しい・・・・・?いつもの彼女ならこっちが困るぐらいに、申し訳ないと言いそうなのに・・・?
しかも、ニッコリと笑って・・・・?
いや・・・この微笑みは・・・・
何度も何度も台本読みに付き合い、何度もその姿を見ていた。
俺は「彼女」を知っていた。
そう・・・・彼女は・・・・・・「ナツ」だった。
「おそらく演技の途中に頭を強く打った事で、脳が混乱を起こしているんでしょう。しばらくすればもどると思いますが・・・」
なんとも曖昧で、不透明で、否確実性な医者の言葉にイラッとした俺を必死に止めたのは社さんで(社さん曰く”イラッ”なんて可愛いモノではなく殺気が出ていたらしが)
「まあ・・・・この様子のままで下宿先に帰す訳にもいかんだろう。お前のマンションへ泊めてやれ。恋人なんだし、どうせいつも泊めてんだろ。」
無責任にも楽観的にそう言い放った雇い主に、「泊めているのはゲストルームです」と言うのは何となく癪で、なんとも複雑な心境で頷いてしまったのだが
「ええ、問題ありません。敦賀さんのマンションにはいつでも泊れる様に一通り置いてありますから」
ね、敦賀さん?と意味ありげに微笑む最上さんに、少し顔が引きつった。
「レストラン、残念でしたね。」
「え・・・・・ああ、うん・・・仕方ないよ。また・・行こう」
検査が長引いた為にキャンセルしたレストラン。
それを残念だという彼女に、記憶はどうなっているんだろう・・・と思ったが、また行こうと彼女に言う自分にも戸惑った。
「最上さん、今日は湯船に入らない方がいいと医者が言っていたから、シャワーを先に浴びてきて?」
「そうですね・・・お風呂だったら一緒に入れたのに、残念」
首をすくめながらの言葉に、思わず口に含んだミネラルウォーターを噴き出しそうになった。
「な・・・・っ!」
「では、先に失礼しますね」
俺の反応に満足した様に微笑んでさっさとバスルームへ消えた彼女。
ナツはカリスマ女子校生
同性の憧れ
嫌いなモノは平穏と退屈
故に好むのは・・・・・刺激
冷や汗が流れた
そして、その予感は・・・今的中している。
「敦賀さん・・・・・ね?」
ツウ・・・ッと唇をあてた指は頬をなでる。
キングベットの上で、迫られる体勢は本来なら逆だよな、なんて疑問はこの際おいておいて
お互い寝る準備をして、それぞれの寝室に引きこもったハズだった。
だが、5分後に開いたベッドルームのドアから入ってきた彼女に「どうした?」と聞くまでもなく、押し倒され、驚く間もなく目の前には妖艶に微笑む彼女の口から紡がれたのは
「ね・・・・?シましょ・・・?」
これはもう夢だという事にしてしまいたい
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