向日葵の恋 の続きです☆
ぼんやりと目を開けると、そこには彫刻の様に整った美しい寝顔。
以前は夜を過ごした後、寝ぼけた頭で目を開けて、飛び込んだ蓮の寝顔によく飛びあがっていた。
それが今では当然の様に受け止めている
・・・・・・これが「日常」になるんだ・・・
不安よりも期待が大きくなっている自分と、くすぐったい気持を誤魔化す様に、何気なく時計を見て・・・・・結局飛びあがってしまった。
え・・・・・ええっ!?もうこんな時間!?
基本朝には強いのに、全く気付かずに熟睡してしまっていた事に驚く・・・・・が、よくよく思い起こせば・・・
・・・・・・寝たの何時だったかしら・・・・・
『・・・・ッも・・・ッムリぃ・・・・ッ』
『うそつきだね・・・・ほら・・・』
『ああんッ!!や・・ッァ!!』
いっっやぁぁぁああああぁぁぁッ!!!
何思い出しているのよキョーコ!!
朝っぱらから(もう朝じゃないけど)ふしだらな!!!
ハッ!!そうだ!!爽やかな朝日(もう日中だけど)を浴びて気持ちを浄化しなきゃ!!
「・・・・・・無理じゃないかな?最後、その爽やかな朝日にさらされてヤッていたから」
起き上がろうとした腕をつかまれてぎょっとした。
いつの間に起きていたのか、しっかりと目を開けた蓮の視線に、思わず昨夜の情事を思い出してしまう。
「おはようキョーコ」
「・・・・・・・お、オハヨウゴザイマス・・・・」
「おはようのキスがまだなのに、どこに行くの?」
蓮はそう言うが否や、何か言われる前にそのままキョーコの腕を引いて自分の方に引き寄せた。
啄ばむようなキスを2回して、深く絡め取られる
「・・・ツル・・・ガ・・・さん・・・ん・・」
「家では・・・違うだろ?」
「ん・・・久遠・・・」
キスの間に言われるのは昨夜散々ねだられた呼び方。
それは尚更記憶を呼び起こしてしまい、熱をもつ身体にあわてて蓮から離れようとする。
が・・・・そんな事を蓮が許すはずはなく。
さらに深く唇を貪られる。
「ん・・・んん・・ッんん~・・・・ッ!!!!」
「今日はオフだから・・・ね?」
な、何が「ね?」!!??
大の大人がそんな事言っても可愛くありませんから!!
「ちょ・・・ッ!さ、昨夜・・・寝たのって・・・・」
「ん~・・・朝日が見えたから朝方じゃない?」
「あ・・・朝方・・・・」
呆気にとられるキョーコに構わず、キスを降らし続ける蓮。
気が付けばしっかりと組み敷かれて意思をもった手が身体中に這われていく
反応する身体と、目の前の恋人をうらめしく思いながらも
・・・・・・やっぱり・・・期待よりも不安が大きいかも・・・・
思わずついた溜息は
幸せを逃すものではなく、幸せを証明するものだった
「・・・・・まあ、一応有言実行しやがったな。最上君が高校を卒業したら一緒に暮らすと言っていたしな」
ぷかぷかと葉巻をふかしながら、雇い主はご機嫌の看板俳優と憮然としたそのマネージャーに対面していた。
「ええ、事務的な所はよろしくお願いします」
ニコニコとお花が飛んで、喋喋すら舞っていそうなオーラと対照的のすっかりやさぐれモードのマネージャーを見ると、事情を聞くまでもなく一体どんな喜劇が繰り広げられたのやら・・・と想像がつくというものである。
「・・・・・・しかし、よく最上君が頷いたな」
ある程度のキョーコの事情を知っているローリィはもう少しかかると踏んでいたのだが
「そこは俺の誠意がちゃんと通じて・・・」
「家庭的なアピールをして安心させようと逆に不安にさせ、脅しの様なプロポーズをしてドン引きされて、揚句に最後は泣き落としをして、哀れに思ったキョーコちゃんがやっと首を縦に振ってくれました。」
「社さん!」
端的に要点のみを・・・しかも蓮の都合の悪い部分のみを要約した説明を蓮はあせって遮ったが、既に遅し。
哀れな目を向けてくる社長に、冷や汗が流れた。
どこに好き好んで、自分の過去の失態を暴露されて喜ぶ奴がいるだろうか
「お前・・・・余裕がないにも程があるぞ。しかも何だ、脅迫の様なプロポーズって。」
「いや、それは・・・・」
「安心しろ。キョーコちゃんにとってあれはプロポーズにカウントされていないから問題ないよ。」
「え」
「ん?」
マネージャーのしれっとした言葉に、残り二人が視線を集めた。
「同棲の決め手は『何だか次は婚姻届と契約書をセットで持ってきそうだったので、二次被害を防ぐ為にもここで防いでおかないと。と考慮致しました』・・・・・だってさ」
「「二次被害・・・・・」」
あまりの単語に思わず呆然と声を揃える二人に、社は先日のお詫びにキョーコに銀座の超がつく高級スイ―ツセットをラブミー部に差しいれした時に聞いたのだと言った。
じとり・・・と、うらみがましい目でキョーコに見られ、残り二人には冷ややかな視線を向けられ、滞在時間15分程だったというのに、胃に穴が開くかと思ったのだ。
それを望んでいたとはいえ・・・・なんだか、横でニコニコと浮かれている担当俳優に殺意が湧いてしまったんは仕方無いことだろう。
「流石、ラビミー部。仮にも恋人のプロポーズを二次被害と言いきったか」
「元・ラブミー部です。そして、仮じゃなくて正真正銘の恋人ですから」
「ったく、同棲一つで大騒ぎしやがって・・・・お前たち、そんな感じで大丈夫なのか?」
「大丈夫です!心配無用ですから!」
「同棲一週間で最上君がもう耐えられませんとか苦情言ってきた時の為に、家出先用に別のマンションも用意しておくか?」
「そんな物騒なモノ必要ありませんから!!」
キョーコの言葉にショックが無いと言ったらウソになるが
カウントされていないのならその方がいい気もする
そんな複雑な気持ちから蓮はヤケクソになって叫んでいた。
閑話休題。
次回ラストですw
参加しています☆ぽちっとお願いします☆
↓↓↓