※注  このブログは血液クレンジングについて医学的に語るものではありませんし、

     その是非を問うものでもありません。ただの開業医のつぶやきです。

 

血液クレンジング。

 

確かに流行ってましたよね。

 

当院は点滴療法系の施術は一切取り扱っていないので(やる人がいないから)、

とくに業者さんから勧誘を受けることもなく、静観しておりました。

 

「自分から流れ出た どす黒い血液が 真っ赤に変わっていく様子をみるだけで

テンション上がるし、それを体内に戻すだけで、元気になったような気分がするんだろうなあ。

これぞ、プラシーボ効果だよね。」

と、思っていましたので、効能効果があるとは全く思っておりませんでしたが、、、てへぺろ

 

「プラシーボ効果」って一般的に知られている言葉なのでしょうか。

医者の常識は患者の非常識、という言葉もあるので説明してみますと、

 

コトバンクによると

プラシーボ効果  placebo effect

薬理作用に基づかない薬物の治癒効果、つまり投薬の形式に伴う心理効果(暗示作用)のことで、薬理学的にまったく不活性な薬物(プラシーボ)を薬と思わせて患者に与え、有効な作用が現れた場合をプラシーボ効果があったという。プラシーボplaceboとはプラセボともいい、「気に入るようにしましょう」という意味のラテン語で、偽薬(にせ薬)のこと。内服薬では乳糖、デンプンなどで形、色、味などを本物そっくりにつくり、注射薬では食塩溶液などを用い、本物の薬と偽薬を客観的に評価するための小道具として使われる。慢性疾患や精神状態に影響を受けやすい疾患では、プラシーボを投与しても、かなりの効果が現れる。睡眠薬や鎮痛剤などでもよくみられる。この心理効果は30~40%にみられるという。
 現在、医薬品を創製し、臨床効果を確かめるためには、プラシーボを用いた二重盲検法が義務づけられている。しかも、プラシーボには同一の薬効をもつ既存の代表的薬物を用いるアクティブプラシーボによって行われる。したがって、従来の不活性薬物を用いる二重盲検法は特別の場合のみ許される。プラシーボ効果は、薬剤の効果判定には大きな影響を与える。なお、有効性のみならず、副作用についてもプラシーボ効果がみられることが明らかとなっている。
です。
つまり、人間の心の暗示によって、体に実際に影響を与えることができるということですね。
これは、良いほうにも悪いほうにも作用します。
副作用を心配しすぎると、実際に副作用が起きているように錯覚し、それが実際に体にも不調として現れたりします。
人間の体と心は 本当に不思議で難しいですよね。
 
医療の世界には日々新しい治療法が出現していて、その中には真偽が明らかでないものも多く含まれます。
日本の保険診療で認められているものはそれなりの審査を経て認められているので、大丈夫かなと思いきや、ずいぶんと年月が経ってから、「これは効果がないから中止」となるものもあったりするので、医療の曖昧さの部分なのだと思います。
自由診療に関しては本人の判断で選ぶ必要がありますが、その根拠は医療側から発信されるものばかりなので判断するのが難しいですよね。
今回の血液クレンジング騒動に関しては、美容クリニックだけでなく、内科、とくに、悪性腫瘍を扱う科の医師が効能効果を謳っていたことが問題だと思います。
自分や身内が悪性腫瘍になったら、なる可能性がある、と思うだけでも、怖いし、なにかにすがりたくなります。
真偽の明らかでないものにもすがりたくなる気持ちはわかります。
血液クレンジング騒動で、救いがある点は、効果がない(って言っていいのかしら)だけで、重大な副作用が出ていない(って言っていいのかな)ことでしょうか。
私が知っている美容クリニックでも 血液クレンジングを行っていたところもあるし、あまり踏み込んだことは書きにくいガーン
ただ、ひとつ、私が血液クレンジングを受けたことのある方にお伝えしたいのは、
「心配しすぎないでほしい。心配すると、その心配がかえってあなたを苦しめる症状を生み出すから。」
ということ。 
受けた施術を 受けなかったことにすることはできないから、
前向きに、あまり深く考えずに、忘れるようにしたほうがいいと思います。
「鈍感力」が自分を守ることもあります。
 
厚生労働省が調査に乗り出したそうで、 だから何が解決するんだか、全然わからないけど、
勢いで自費診療関係をめちゃたたきにするような政策は出してほしくないなあ、なんて横目でみている今日この頃です。