本を選ぶ

テーマ:


さらに 歩く
 言葉の森の生徒さんたちと、もう年末のご挨拶をする時期になりました。毎年、歳月の流れが速くなったと話すのですが、今年はなおさらです。3月の震災以降、次々と明らかになる事態の重さに慄きながら、夏、秋、冬です。
 これまでは子育てに猛進していたため、それなりに何かをやった意識があったのですが、娘も成人した今年に至っては何もできなかった感がかなり強くあります。ぼうっとしていただけではないはずと、思い返してみることにします。

 今から四年前の12月に、このような文章を書いていました。


----------------------------------

 作文のお電話をするときに、みなさんのサンタさんへのリクエストをきいたりします。
「もう、サンタさんにお願いしたのかな?」
「うーん。何をもらえるかは、わからない。去年はね・・・・。」
いろいろ聞く話のなかで、印象に残るのは本のプレゼントです。何かほしかったものといっしょに、本もあったよという感じです。クリスマスに届けられた本は、きっと自分のためのとくべつなものという感動があるのだと思います。

 本との出会い方はじつにさまざまです。友だちが読んでいたから読んでみる、図書館でふと見つけた題名にひかれた、話題になっていた本を読んでみたい、映画で観たから原作も味わいたい、好きな作家の本を全部読みたい、まだまだありそうです。しかし、感動の一冊との出会いを思い返すと、それはたんなる偶然の出会いではなかったように思うのです。
 私は、娘たちが小学3年生になったときから、毎年「○○ちゃんの今年の一冊」を選んで与えています。進級する春に選んで、読み始めて、夏の読書感想文につながれば…というきっかけでした。嫌がるふうでもないので、気をよくして「こんなことを考えてみてほしいなあ。」「理科に興味があるんだよね。」と、話しかけるようなつもりで選んでいきました。これまでの母からの推薦図書は、それなりに感動の一冊になってくれているようです。

「14歳からの哲学―考えるための教科書 」池田 晶子
「アインシュタイン16歳の夢」 (岩波ジュニア新書) 戸田 盛和

 長女は、このふたつが特に心に響いたそうです。中学一年、二年で上記の本を読み、感想文を書きました。その過程からしだいに科学への興味を深めて理系の進路をとりました。
 (題名にふたつとも年齢が入っています。(^^ゞ 親としては、本選びに苦渋して、「○○歳」で書名を検索してみたのです。単純なようですが、これでいい本に出会えました。)
  自分自身が子どもと同じ年頃に読んだ「古典」のようになった名作をすすめることも大切ですが、新しい作品に自分が出会って、読んだ感動がさめないうちに子どもの感想も聞くというのも刺激的な体験です。そう言う意味で、毎年の読書感想文の課題図書の数々も注目の一冊だと思います。

 本との出会いは人との出会いと似ています。物には代えがたい価値をもっていて、しかもそれを現実に手にすることができるのがすばらしいと思います。だからこそ、サンタさんのプレゼントにふさわしいのかもしれません。

-------------------------------------------

 読書感想文との取り組みは、私の子育てのこだわりでもありました。作文こそが子どもに自信をつけるものと、こだわりすぎて孤独でこわい母親になってしまいそうでした。(笑) でも、今はだいじょうぶです。言葉の森では、言葉の森のfacebookページで「読書感想文の島」というグループを公開しています。だれでも参加して、自由に質問したりいっしょに考えたりすることができます。

 本選びや子どもとの関わり方のヒントをつかんでみませんか。

 そして、すてきなクリスマスプレゼントをさがしましょう。