※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O

 

 

 

 リハーサル、

 声がうまく……でなかった。

 

 

 


 いろんな人の思いがつまった今回のコンサート。

 楽しみにしてくれてるファンの子たち。
 おしみなく協力してくれる地元の人たち。
 一緒に頑張ってくれるスタッフ。

 

 

 そして、
 忙しい時間をどうにかやりくりして万全の準備をしてきたメンバー。

 

 

 

 


 おれのまわりは優しい。
 みんなしていつも通りに振舞おうとしてくれる。

 

 

 だけど……

 

 

 ぎこちない。

 

 

 


 みんなのその優しさをすなおに受け取れないのは、責任が自分にあることがわかっているから。

 ぜんぶぜんぶおれのせいなのに、包み込むような柔らかい気配に、消えてしまいたい。

 

 

 

 

 

 

 

 


 ばちんっ!

 

 

 

O「いっ……てぇ」
N「あっ、ごめぇん!寸止めのつもりがとまんなかった!ゆるしてぴょん♪」
O「おまえぇ!」
N「あはははは……」

 

 

 

 だけど、
 カズだけは本当にいつもと変わらない。

 グーで思いっきしおれの右腕をパンチしたあと、ふざけながら走り去っていく。
 その表情も全力でふざけてた。

 


 条件反射で追いかける。

 

 

 

 

 


 おれの気持ち、少しだけ浮上した。

 


 そして、
 心の奥底に封印したハズのたいせつな気持ちも、ゆっくりと浮上しかけている。

 

 


 これはきっと、よくない。

 おれにとっても、

 

 

 

 

 

 

 

 カズにとっても――。