島根県出雲市斐川町の直江(なおえ)地区には、身近な生活用具である、陶器を飾りつけた

 

「直江一式飾り(なおえ いっしき かざり)」

伝わっています。
 

出雲市指定無形文化財です。

 

 
 
歴史

 

直江一式飾りは約300年の歴史があります。

 

当時、直江に住んでいた豪商が火事を出したお詫びとして、

店の道具で人形を作って、近くの秋葉大権現に奉納したのが始まりと言われています。

 

*直江一式飾り館

 

 

作品

 

保存会の方にお話を伺ったところ、

 

題材(テーマ)は、神話、歴史上の人物、おとぎ話、テレビなどで話題になったものを皆(保存会)で相談して決めるとのこと。

 

お伺いした10月上旬は、スサノオ尊のヤマタノオロチ退治が飾られてました。

作品はとても大きいです。幅約5m、高さ約2.3mもあります。

 

*スサノオ尊の顔や腕は花瓶、
兜は麺類に使うレンゲ、
鎧(よろい)は皿などで作られています。
首飾りはイチゴの箸置きです。
 
 
鍾馗さん
 
お伺いしたときに次回の展示予定の作品の制作が行われていました。
 
「10月半ばからは、新型コロナウィルス感染の終息を込めて
鍾馗(しょうき)さんにしました。
 
悪疫退散といえば鍾馗さんですから。
 
町内の公民館や病院などを巡回します」と
保存会の方は力強く話してくださいました。
 
*鍾馗さん作品に使われる陶器類
 
 
*かたわらに下絵を置いて、輪飾りを2人がかりで作成中。
蕎麦ちょこを連ねて、針金を巻いて留めていきます。
 
 

*新聞に掲載された鍾馗さん飾り(部分)
上記で作成中の蕎麦ちょこの内側にも、陶器皿が飾られています。とても丁寧に作られてます。
 

鍾 馗(しょう き)とは・・・

主に中国の民間伝承に伝わる道教系の神。日本では、疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、端午の節句に絵や人形を奉納したりする。また、鍾馗の図像は魔よけの効験があるとされ、旗、屏風、掛け軸として飾ったり、屋根の上に鍾馗の像を載せたりする。

鍾馗の図像は必ず長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で何かを睨みつけている姿である。

(~Wikipediaより)

 


 
直江一式飾り館
島根県出雲市斐川町直江1116-4
◇公共交通アクセス
JR山陰本線「直江」駅下車 約1.5km