コインを収集するには知識・経験が必要です。

それらが乏しい頃だからこそ入手してしまった銀貨を紹介します。

 

Portuguese Macau, 1952, 5 Patacas, 15g (Ag 0.72), KM5, mintage 900000

表:ポルトガル領マカオの紋章 裏:ポルトガルの紋章

 

よく見るとHairlinesと呼ばれる細い線がたくさんあります、布か何かで拭いた後なのでしょう。

今なら、もちろん、このようなコインは入手しませんが

コイン収集初期にはHairlinesという言葉も知りませんでした。

 

なお、マカオは1987年までポルトガルの領土でしたが、今では中国の特別行政区です。

カジノで有名ですね。

 

French Indochina, 1903, 1 Piastre, 27g (Ag 0.9), KM5a, Numista Rarity Index 13

表:結束を象徴するファスケスを持つ、フランスを象徴する女神Marianne:マリアンヌ

参照:南米コロンビアの大型金貨

裏:COMMERCEは通商を意味するフランス語

 

この銀貨にもHairlinesと判定されうる細い線がいくつかあります。

更に、摩耗によりマリアンヌの鼻と口、そして、前髪が不明瞭になっています。

 

French Indochina:フランス領インドシナとは

1885年頃から1954年までフランス支配下にあった

インドシナ半島東部、今のベトナム・ラオス・カンボジアに相当する地域を指します。

参照:https://en.wikipedia.org/wiki/File:Map_of_French_Indochina_expansion.svg

 

当時、デザインが似ている大型銀貨が2種類発行されました。

1885-1895, KM5, NRI 50

https://en.numista.com/catalogue/photos/indochine/142-original.jpg

1895-1928, KM5a, NRI 13

https://en.numista.com/catalogue/photos/indochine/187-original.jpg

裏のprivy markがファスケスからトーチに変わっています。

Privy Mark、知ってますか?オランダ少女・女王の父:Privy Markについて追記あり

 

この大型銀貨は銀の含有率が高いため、銀地金価格が高騰した時期、大量に融解されたそうです。

そのため、特に前者KM5は品質が高ければ、相当な高値が付きます。

参照:https://www.auction-world.co/xpai/lot_19-1343.html

 

Bolivia, 1872, 1 Boliviano, 25g (Ag 0.9), KM160, NRI 62

表:ボリビアの国章 裏:UNは1を意味するスペイン語

 

今なら分かります、明らかに、洗浄されていますね。

1872年発行の銀貨にしては妙に輝いていますし、一部にトーンの残存があります。

 

今回紹介した銀貨は、いずれもヤフオク!で落札しました。

ヤフオク!でも商品説明はありますが、品質に関する正確な説明は、まずないでしょう。

したがって、品質は提供された画像を見て判断することになります。

場合によっては、品質を画像で判断しかねることもありますので

裸コインに入札する際には、それなりの覚悟が必要です。

 

なお、落札価格はいずれも安価で、ほぼ、銀地金程度でした。

コイン収集初期で自分には知識も経験も乏しいことを自覚していましたので

そもそも、高額な入札は避けていました。

 

今回のような銀貨の価値が上がることは決してないでしょう。

しかし、その一方で、価値がゼロになることもないでしょう、銀貨ですから。

紙幣が紙切れになった時、少額の買い物・取引には通貨として役立つかもしれません。