アムステルダム、パリ旅行記・『ラ・ボエーム』編 2023年5月8日 |   kinuzabuの日々・・・

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プッチー二作曲歌劇『ラ・ボエーム』を観た。会場はパリ・オペラ座のバスティーユ、2023年5月8日。





初演時、ネットで見た時にひっくり返ったトンデモ演出で、初日はブーが凄かったそうな。でも、よく考えられたいい演出で、ネットで何度も見た記憶がある。

クラウス・グートの演出では、舞台は宇宙船の中。宇宙船ですよ宇宙船!で、それも崩壊寸前。酸素も薄い中、ロドルフォはミミの幻想を見る。ミミの幻想が、2幕で乗組員全員の幻想に広がる。3幕、4幕では着陸した星の上で作業をする傍らミミが現れ、乗組員全員の幻想も現れる。そして乗組員全員が死に絶え、ミミが舞台上手奥へ登って幕。

シュールで、乗組員全員が息絶え、ミミが残るのが原作と逆、だけど、とても美しい。特に2幕は本当に素晴らしい。

歌手はムゼッタ役のSlavka Zamecnikovaがよかった。生きのいい声が聴けた。他の皆さんインパクトには欠けるけれど、声はそれなりに出ており、私にとっては、この公演は演出が主なので、十分楽しめた。

管弦楽が見事で、ミケーレ・マリオッティの指揮のもと、きっちりした管弦楽が広がる。オペラにしては音が大きく、時に声とかぶるが、その存在感と疾走するリズム感がすばらしい。


以前から生で観たかった演出を、すばらしい管弦楽、十分な歌で楽しむことができた。やっぱり生のオペラはいいねえ。