ワーグナー作曲 楽劇『ワルキューレ』の感想 びわ湖ホール 2018年3月4日 |   kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

びわ子「みなさーん、こんにちわーーー」

おおつ「みなさん、こんにちは。今日はびわ湖ホールでワーグナーのオペラ『ワルキューレ』を観に来ています」

 

 

びわ子「去年、見たな、金のラーメンだったか?その続きやねんな」

おおつ「『ラインの黄金』ですね。全然違いますね。そんなこと言ったら全国のワグナー愛好者から怒られますよ」

びわ子「ま、ええやん。で、どんな話なん」

おおつ「双子の兄妹が出会って恋におちますが、神々がそれを許さず兄は死ぬ運命とします。神の子がそれを阻止しようとしますが、運命は覆りませんでした。でも妹は二人の子供を身ごもっていたので神々から逃がしました。運命に逆らった神の子は人間となり炎に囲まれた山に眠らされる、という話です」

びわ子「え、近親相姦?」

おおつ「反応が早いですね。そうです、近親相姦で生まれた子供が次の物語から英雄となって活躍するのです。今回はその子供が生まれる経緯です」

びわ子「ラーメンのときもこれからの話の前ふりとか言ってたやん。今回もそうなん?」

おおつ「だから『ラインの黄金』ですって。4作のうち2作目、起承転結でいえば承ですから、こんなものではないでしょうか。なお、今日は休憩込で5時間の上演です」

びわ子「ひえー、おしり大丈夫やろか」

おおつ「見たらあっという間ですよ。では行きましょう」



(3月4日の公演を観ました)



おおつ「いかがでしたか?」

びわ子「おしり痛いやんか。うそつき」

おおつ「舞台はどうでしたか?」

びわ子「やっぱ最後かなー 炎が舞台全体に広がるの。そこまでやるかって感じ」

おおつ「徹底してましたね。迫力満点。でも個人的には、もう少し炎らしい絵柄にしてほしかった。なんか漫画チックでね。ワルキューレたちの馬も同じ。安っぽい印象です」

びわ子「細かいことに文句を言っちゃいかんよ。あと春が来たところと、雪山を逃げているところで、ジーンときたよ」

おおつ「1幕の『冬の嵐は過ぎ去り』の歌の場面で、フンディングの家から一気に春の野原になりましたね。二幕の雪山も大変つらい逃避行だったことを物語るいい舞台だったと思います」

びわ子「ほんと観ただけで筋がわかるわかりやすさがよかった」

 

おおつ「その点は逆に不満でもありまして、もっと刺激的な舞台がほしいです。まあ、今回は、わかりやすい舞台にすると最初から言ってましたから、わかってましたけどね」

 

びわ子「うるさいやっちゃな」

 

おおつ「演出で面白かったのは、フンディングが死ぬ場面で、ヴォータンが2回目の『Geh』と言ったあと1拍おいて落雷で死ぬところですか。また、1幕ラストでジークムントとジークリンデがことに及ぶ場面で、ジークムントがばっと激しく覆いかぶさるのではなく、優しく、ゆっくりと慈しむように、だったことです。曲の勢いに合わないかもしれませんが、愛し合っている二人ですから納得できました」

びわ子「『こと』ってなーに?」

おおつ「さてー」

びわ子「歌手はどやった?槍持ったおっちゃんと、最後に眠ったねえちゃんがすっごくよかったんだけど」

おおつ「ヴォータンの青山さんとブリュンヒルデの池田さんはすばらしかったですね!青山さんは、威厳のある声が響き渡りました。ヴォータンのスペシャリストですよね。池田さんは、神々しく輝く声で、まるで昔の大歌手ヴァルナイを聴いているかのよう。二人とも音程もぶれないし、一本調子にもならない。2幕と3幕の二重唱は大変聴きごたえがありました。ほんとにすばらしい」

びわ子「一幕の三人組はどや」

おおつ「なんといってもジークリンデの田崎さん!暖かく包み込むような声で魅了してくれました。あとの二人は、まあ、こんなものかな。2幕で登場するフリッカの中島さんは力強くて大変良かった」

びわ子「歌手はよかったってことやな。指揮とかオケとかはどやねん。迫力はあったよな」

おおつ「オケはよかったと思います。美しいフレーズがぶれず、迫力もありました。『ワルキューレの騎行』はすばらしかったです。さすが京響。でも指揮がいまいちで。ぬるいところが多かったと感じました。これまで沼尻さんの指揮で不満に思ったことは少ないのですが、今回の上演では指揮が一番のマイナス要因でした」

びわ子「難しいもんやな」

おおつ「やはり指揮がしっかりしてないと、劇にのめり込めないですからね。ちょっと残念でした」


びわ子「よっしゃ、二日目がおわった。次は来年、三日目やな」

おおつ「今日の『ワルキューレ』は第一夜で、来年の『ジークフリート』は第二夜といいますけどね」

びわ子「次もおしり痛いの?」

おおつ「もっと長いですからね。痛いんじゃないですか。でも、それだけの価値はあると思いますよ」

びわ子「そうだわな、だからまたオペラを観に行きましょーねー!!!」

おおつ「観に行きましょうね!」

びわ子「おしり痛いの我慢して」