鰻は難しい |   kinuzabuの日々・・・

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グルメ本に載っているような鰻屋がそこそこ近いところにあることを知って行ってみた。

11時半ぐらいに行くと、空席があるとのことで店内に入った。メニューだが、うな丼が一番安く、うな重が続く。さらに白焼きがあったので、白焼きを注文した。すると奥か ら「白焼き無理!」という言葉が聞こえる。どうも、白焼きを焼くときは蒲焼とは別に焼きたいが、蒲焼の注文があるので同時に焼けない。だから別の料理にし たほうがいいという。どのくらい待つのか聞くと小一時間との答え。仕方がないので、うな重にした。

しかし、よく考えると鰻屋に来る客のほとんどは蒲焼を注文する。白焼きと蒲焼を同時に焼けないのであれば、白焼きを焼くことのできる機会は極めて限られることになる。どうなっているんだ?と思っていると蒲焼が来た。

皮目は適度にパリッとしてぬるっともしている。身のほうはたれがうまく焦げて飴情になりパリパリ感がある。そして中はふっくら。典型的な関西焼きである。以前大阪老松通りにあった名店「遠州」を思い出した。大変いい焼き具合である。

焼きは十分だし、たれもいい。だからいい店であるのは確かである。でも何かもの足りない。多分、それは、香りだろう。口の中に広がる香りがなければ鰻としては不満に思う。

店を出るときに、白焼きについて主人に尋ねた。「白焼きにはこだわりたいので、こういことをしている。正直ほとんど出すことができない」と若い主人はおっしゃった。まあ、仕方ないのだろう。


帰宅して、別の持ち帰り専門の川魚屋で鰻蒲焼と鮎の塩焼きを買って帰った。この鰻をうな丼にして食べたが、焼いてから時間が経過 しているので焼きのパリパリ感はないけれど、身のうまみと香りが口の中に広がって、旨いことこの上ない。やっぱり鰻はこれだよな、と思った。ちなみにここの白焼きは悶絶するほどうまい。

いやまあ、鰻って難しいな。