この話は、前話を見てないとサッパリわかりません。
盲目の棋士、石本検校会心の一局!
この将棋は、とめじろうの入玉(相手の陣地に王様が入る事。一般的にそうなると詰まされ難いとされている。)の攻防が見所です。
①序盤は相懸かりですが、とめじろうは角を右側方向に転換する趣向を見せます。
②お互い中飛車に構え、とめじろうの桂馬は跳ねた所。
ここで、石本検校に上手い手が出ます。
考えてみて下さい。
③指された手は、焦点の歩です。
この歩を角で取ると銀がタダになるので、飛車で取りますが石本の角が6六に出られてしまいました。
④石本は、それから逃げた飛車を追う事で、5七の歩と続く銀を打ち拠点を作ります。
留次郎は、この金打ちによって拠点の勢力を追い払うおうとしましたが、銀は3七の桂馬を取り、その銀を取った金が上ずってしまいました。
そして石本の5七の歩は、と金と成り、もはや取り除く事は出来なくなりました。
⑤石本にどんどん成り駒を作られ尻に火がついた様に、留次郎の玉は上に上がっていきます。
その先には、相手の飛車が居ますが・・・
⑥とめじろうも、必死に飛車のコビンを攻めて入玉を試みます。
・・・が次の石本の鮮やかな一手が炸裂します!
⑦歩を取る為に飛車を切りますが、これを取ると留次郎の玉は詰んでしまい、ここで留次郎無念の投了となりました。
入玉はプロの棋士でも捕まえるのが難しいとされており、ましてや盲目の棋士が最後の鮮やかな決め手で締めくりました。
まだ修行時代の留次郎にとは言え、平手で鮮やかに勝ったこの対局は、石本検校の会心の局として生涯誇れる物となったのでは無いかと推測します。
この将棋の詳しい解説は、将棋Youtuberのクロノさんがアップされていますので興味ある方は御覧になってください!
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