『灯火〜小さなキミの手〜』

キミが生まれてきてくれた日の事を
僕ははっきりと覚えてる
小さな 小さな キミの体
それよりずっと 小さなキミの手
僕の心の奥深く
優しく、優しく火を灯してくれた

あの日僕は父となり
あの日キミは息子となった
あっという間に流れる月日
変わらずに燃ゆる胸の灯火

夜になれば また星流れて
朝がくれば また日は登る
日々と日々の間に ある ものは
ただただただ、キミの笑顔

いつか僕が年をとり
同じにキミも年をとる
キミが父になる頃に
僕は年老いてゆくでしょう

記憶を失い
言葉を失い
音を失い
光を失い
あらゆるものを失う中で
一つだけ残る確かなもの
あの日キミが灯してくれた胸の火は
決して消えはしない

決して消えないんだよ

キミが教えてくれた
言葉では表せないもの
書いても 書いても 書けないもの
確かにここにある、でも見えないもの
確かにここにある、でも聞こえないもの
あるようで ないのではなくて
無いようで確かにあるもの
愛とか、絆とか、想いとか
そんな言葉を空っぽに感じるほど
キミを愛おしく
愛おしく想う

愛おしく想う

愛おしく想う